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自分のものは愛らしい|幸せを感じるコツ
人は自分で作った物を不当に高く評価する認知バイアスがあり、これを行動経済学の用語でイケアエフェクトと呼びます。
世界最大の家具量販店であるイケア(IKEA)が、過去にホットケーキミックスを販売した時、粉に水を混ぜて焼くだけで、誰でも自宅で簡単にホットケーキをつくれることが売りだった商品が、あまり売り上げが伸びなかったことがあります。
そこで、水だけを加えてつくる商品から、あえて卵や牛乳も加えるひと手間を加えさせたことで、なぜかホットケーキミックスの売り上げがアップしました。
これは「あえて卵や牛乳も加えた」というひと手間をプラスしたことで、消費者が「自分でつくった」という実感を得ることになり、商品に対する愛着を持つことに繋がったからだと言われています。これがイケアエフェクトの由来です。
多くの人がこの現象に心当たりがあるはずです。
1995年に発売されたスクウェアのRPGゲーム『クロノトリガー』に「つよくてニューゲーム」というシステムがありました。
「つよくてニューゲーム」でゲームを始めると、序盤からキャラクターのレベルは高い状態でスタートすることができ、ボスが強くて倒せないといったことがなく、容易にシナリオを進めていくことができます。ゲームのストーリーを知りたい人にとって有用なシステムなのです。
当時、僕も『クロノトリガー』をプレイしていたので「つよくてニューゲーム」のことは知っていましたが、あまりこのシステムを使うことはありませんでした。
それは、自分でキャラクターのレベルを上げ、苦労してボスを倒してストーリーを進めていくことに面白味を感じていたからです。
やはり、イケアエフェクトが示すように、人は自分で物事を進めることに愛着を感じる傾向が強いことがわかります。
これは仕事やお金についても同じことが言えるはずです。
就職活動を通して必死で会社を探し、自分で選んだ会社で働くことは強い納得感のもと働くことができるはずです。自己分析と会社の将来への展望も含め、しっかりと考えて決めた大切な決断であればあるほど、長く勤めたいと思うでしょう。
ある日突然宝くじが当たった人は、運用の仕方がわからず浪費をしてしまい、結局のところ不幸になってしまう傾向があるようです。それに比べて自分でコツコツと稼いでしっかり運用することで裕福になった人は、自分の人生を賢く謳歌しています。
人生は自分で切り拓いていくことが、幸せを感じるためのコツだということでしょう。