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「やめた方がいい」という助言|自分で確かめる生活

「やめた方がいい」と助言をもらうことがある。未知の出来事にチャレンジする時は、誰かに話しておきたくなるもので、それにより冷静なフィードバックを得ることができるのだ。

しかし、その「やめた方がいい」助言が正しいとは限らず、往々にしてイメージが先行しているケースも多い。他人への助言というのは、そこまで相手のことを本気で考えておらず、適当なことだってある。むしろその方が多いんじゃないか。

僕も今まで色んなことを「やめた方がいい」と言われてきた。20代前半に胃がんに罹り、胃を全摘出してガリガリに痩せていた頃、治療が一段落するとあらゆることに意欲的に取り組むようになり、色んなことにチャレンジしていたのだ。

フルマラソンに挑戦することも、リハビリしながらフルタイム残業込みでハードワークをすることも、全て「やめた方がいい」と言われてきた。身体を大切にするよう、親切心で言ってくれているのは充分にわかっている。

これらは全うな助言だと思うが、プライベートで会話ベースのものだと少し話が変わってきていたと思う。

僕は20代の頃に意欲的に海外に行っており、いよいよインドにも行こうと思ったので友人にもその話をしていたが、大抵の人が「やめた方がいい」と言うのだ。

インドと言えば、腹を壊すイメージが先行するかもしれない。実際に日本の様な衛生管理ができているわけではないので、日本人が腹を壊したエピソードは世の中にたくさん溢れかえっている。

そんな国に、胃を全摘出している人が行こうと言うのだから、尚更「やめた方がいい」と言われていたのである。カレーを食べても、水を飲むだけでも腹を壊すぞ、と、まるで脅されてるかのように「やめた方がいい」と言われ続けるのだ。

結局のところ自分で決めたことなのでインドには2回行ったが、どちらの旅でも腹を壊すことはなかった。しっかり食べるものを見極めたことが良かったのだと思う(どちらも帰国後に発熱はしてしまった…。大気汚染がひどかったのが原因かと思っている)

この経験を通して、あらためて自分で判断することを重要視するようになった。「やめた方がいい」と言っている人がインドに行ったことがあるわけでもなく、その人と自分は全く別人なのだ。

そして世間に浸透している情報は過剰に大袈裟に語り継がれていることも知った。人に話す時には少し大げさに面白く話す必要があったのかもしれない。

僕は東京生まれの東京育ちだが、過去に大阪へ転勤する時に様々な大阪の噂を吹聴された記憶がある。関西やくざが怖いだとか、東京出身というだけで嫌われるからアウェーになるとか、粉ものしか食べないから生活が持たないとか、とにかく色々とイメージ先行で言われたものである。

結局のところ、家賃も物価も安く、明るい人たちと平和な日々を過ごすことができた。インドへのイメージに比べればだいぶマシだったが、結構大袈裟な助言が多かったなと思っている。

だからやっぱり、どんなことでも自分で確かめるのが一番いい。噂を信じてチャレンジをせず、好奇心を犠牲にしてしまうのでは人生がもったいない。

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