天使⭐︎騒々 RE-BOOT! 感想
こんにちは。
まずこのアカウントは美少女ゲーレビュー用のNoteでは決してないのですが、感想の吐き出し先がないため個人的ブームが去るまでは引き続き気が向くたび書こうかと思っています。
さて、今回は「天使⭐︎騒々 RE-BOOT!」(以下、天使騒々)をプレイしました。
なんと!初めてのゆずソフトです。
切り抜きやらで過去作をチラッと、本当にチラッと見たことはあったのでキャラデザの安心感、もとい実用性の高さは織り込み済みだったのですが、如何せんシナリオをちゃんと読むのは初めてだったのでドキドキわくわくでした。
結論から言うとこれがゆずソフトのゲームなのか!という感じですね。
ちょっと冷たい感じになりましたが決してそういうニュアンスはなく、普通に面白くPCゲー初心者の私でも十分に楽しめる内容やキャラクターたちでした。
どこかでゆずソフトは安定感があるというようなレビューも見かけましたが、今回私が感じたところが他作品でも同じクオリティであるなら次作品は当然のこと、過去作品まで遡ってやってみるまであります。
なお、いろいろ書きまくって気付いたら1万字を超えてたので少し長めです。
少々お付き合いいただければ。
ゲームの感想の前に(読み飛ばし可)
今までずっとこの手のゲームはコンシューマ移植版しかしたことがなかったのですが、今回初めてPC版をやってみました。但し、退っ引きならない事情によりブラウザ版でのプレイ。
DL版とは勝手やクオリティが異なるだろうと購入前にブラウザ版のレビューを調べまくったものの意外とその数が少なく、発見した数少ないレビューでも一生β版が続いてるやら音切れが激しいとかいう感想が多かったので、正直期待薄でした。
とはいえ購入してしまったので半ば諦めながらプレイし始めたのですが、結論としては意外にも結構できました。
普通のブラウジングでも重いレベルのPCスペックだったり、Kbps並のネットワークスピードだとさすがに厳しいと思いますが、普通のPCでプレイする分には多少音切れや画面がラグいこともあるなという程度。
格ゲーやFPSよろしく1ms単位での遅延が気になる方は絶対に無理だと思いますが、普通にプレイする分には全然いけるなというのが率直な感想です。
あと、ある意味致命的なのですが難点としてはそもそもブラウザ対応しているソフトがかなり限定的。新しめのは結構対応してそうなんですけどね。
ただスマホでするのは無理です。
余程隠れてしなければならない場合を除いて推奨できないです。
それでは、以下ネタバレを含むそれぞれのルートの感想です。
共通ルート
共通ルートをし始めてまず思ったのが、
ボリュームありすぎやろ。
という点でした。
どれくらいかというと全員のセリフをしっかり聞いて共通ルートを終えるのにたぶん15時間ほど。
あとこれはゆずソフトのどの作品にも当てはまるのかわからないのですが、結構シナリオ自体がファンタジー寄りというか、異世界とか出てくるんやなあというのが印象的でした。
詳しい内容は個別ルートのところで思いの丈を綴るとして、初めてのゆずソフトということもあり色々と探りつつ共通ルートを進めていたところ、まず速攻でバッドエンドを踏み抜きました。
そうです、三国さんルート(ルート?)です。
そもそもシステム自体探り探りで進めていたところ、共通ルートから三国さんとそんなシーンがあんのか?好感度上げイベントか?というか三国さんって個別ルートあるんか?と何も考えず突撃したところなぜかゲームが終わりました。
たしかにその直前乃愛に止められてた気はしたんですけどね、ちょっとあの迫られ具合を見せられると初見で止まるのはなかなか難易度高かったですね、はい。
というか、三国さんはこの後もちょこちょこ登場しますがまともなやり取りがほぼこれだけなのが驚きでした。
天音の友人ということで挨拶程度はあるのですが、めちゃくちゃインパクトが強いシーンがあるにもかかわらずそれ以降はほぼ絡みなしで、でもそのわずかなやり取りだけでキャラはかなり立っているというか。
バッドエンドに自ら行くのは結構気が引けるタイプなのですが、そこにシーンを用意することでルート消化しやすくなっているのはゆずソフトの気遣いでしょうか。
気を取り直して、最初はどういうゴールを目指していくシナリオなのか半分不思議な感じだったのですが、とりあえず主人公に宿ってしまっている魔王的な何かをなんとかするぞということだな!と理解しながらシナリオを進めつつ、そんなこんなで進めて来て悩むのが誰から攻略するか問題。
いつもは1番気になったヒロインから攻略しがちなのですが、後になるにつれ相対的に興味がないキャラを攻略する羽目になることを学習したので、今回は中くらいに気になるキャラから行くという堅い意志で個別ルートに挑みました。
以下、私が攻略した順での個別ルートの感想となります。ここからもネタバレありです。
小雲雀 来海
ヲタクに優しい陽キャギャル、という普通は私の好みにぶっ刺さりそうな属性を持っているのに他が強すぎて中くらいの位置になってしまった来海さん。
本筋に絡むシナリオのところでは割とシリアスな感じというか、他キャラでは前世と今生を関係ないものとして分離させて考えている中、彼女だけは結構そこを結び付けて考えてるなあというのが印象的でした。
まあこれはシナリオの本筋の話なのでこのレビュー上はニーズも踏まえ割愛しますが、肝心なイチャつき周りはというと結構イチャイチャしていたのではないでしょうか?
特に1回目のシーンを過ぎてからの勢いが凄かったです。
同級生からあんなグイグイ来られたら大変でしょう、そんな経験がないから知らないですが。
逆にその1回目に到達するまでは個別ルートに入ってから長いなと思ってたのですが、終わってみれば本筋を消化するためのシナリオを先に持ってきたのかな?というレベルで後半にイチャつきが詰まってたと思います。
他のキャラと比べて前世絡みのギミックをシーン中にもふんだんに活用しているのも特徴的ですよね。
天才か?という側面と頭の中そればっかりか?というツッコミと。
付き合った途端にグイグイ来るヒロイン、嫌いじゃないです。
シナリオ上では前世で抱いていた感情による現世での影響は否定されていますが、来海に関しては明らかに感受性が豊かで能力もバトル向きではないため普通に影響を受けてそうだなというのが私個人の見方です。
その感受性の豊かさこそが来海の良さで、だからこそフォーカスされている部分だと思いますし、主人公との(仮)の関係からの構築にも大きく寄与している部分だと感じました。
あとこれはかなり私個人の好みになるのですが、キャラソンとか聞いてると来海って話してる声と歌ってる声が結構違いますよね。
なんかそのギャップが一緒にカラオケ行ったりするとこんな感じなのかな?という妄想を誘発しまして、目だけではなく耳でも彼女の良さが味わえたなと・・・味わえましたよね?
全キャラプレイ後にこれを書いてるのですが、振り返ってみるとシナリオの本筋にも相応に絡んでいてかつ同級生ということもあり、一番ノーマルな(≒一番ゲームとしてのコンセプトを楽しめる)ルートだったんじゃないかなと思います。
ただ1点だけ、これは全キャラに共通することなのですが個別ルートの時間軸が夏休み突入後になるため制服のシーンが少なすぎる!!!
来海は各キャラと比較して制服ビジュが一番良いと思っていたのですが、その制服姿を拝めるのがほぼ共通ルートの付き合う前という。
私服姿ももちろん可愛いのですがプレイヤー目線だとパッケージとかもメインヒロインが制服着てる絵ですし、もっと本作品中にも制服であれこれするシーンがあっても良かったんじゃないかなあと。
ここだけが唯一残念でした。
高楯 オリエ
あああああああああああああああ好き!!!!!!
・・・すみません、思いの丈が溢れ出てしまいました。
天使騒々の中で断トツで好きなヒロインでした。
今まで言語化したことがなかったのですがたぶんこういう従者キャラが実は好きだったんだと思います。
そう考えると思い当たる節があるようなないような。
オリエの声と口調、ストーリーの内容も相まってシナリオも落ち着いてますし、しっかり者の従者なのに方向音痴で電子機器に弱いというギャップも味わえて言うことなしです。部屋着姿もかわいいですし。とにかく好きです。
なんというかオリエルートは彼女自身が異世界から来たにもかかわらず、その異世界とか前世のややこしい事情とか抜きにして普通にラノベみたいなラブコメをしてるのがめちゃくちゃ良いんですよね。
付き合ってからも仲を深め、甘えるし甘えさせるし。
共通ルートの終盤も終盤までつかず離れずの関係性だったので、お互いの距離感の変化という点でも他のヒロイン対比では一番それを体感できるのではないでしょうか。
特に甘えたがりになるときがたまらないですね。
堅いキャラが甘えるという、ギミックとしては昔からよくあるのだと思います、それは重々理解しています。
でもやっぱり普段お堅く仕えている従者が他所で甘えてしまうところ、さん付けで呼んでいる主人公の名前を不意に呼び捨てで呼んでしまうところ、姫様が絶対の従者なのに姫様に対して嫉妬してしまうところ、たまらないです。来海さんもたははですよ。
あと特筆すべきはオリエの手帳でしょうか。
シナリオ中もオリエが教えてもらったことを手帳にあれこれメモするシーンがある通り、元々は従者としての仕事を全うするに必要なことや主人公から教えてもらった電子機器の使い方とかをメモってたはずなのに、付き合った日に主人公としたいことをそのメモに大量に書いていたことがエピローグで判明するんですよね。
それを恥ずかしがるオリエもたまらない。とにかく好きです(2回目)。
この流れからの本編の終わり方もまたちょっとオシャレですよね。
付き合った日にいろいろ手帳に書いたのは上述の通りですが、最後にチェックを入れたのはおそらく主人公が見たページとは別のページに記載されていることなのだろうなと。
主人公が見たページのものは結構短期的な願いが多かった印象ですが、書いてるうちにもっと長い目線でしたいこともあるなと気付いてペンが止まらなくなったのかなとか、チェックを入れたのはたぶん最後に書かれてたしたいこと(=本来は人生の最後のほうでようやく達成し得ること)なんだろうなとか、まあこれは全部私の妄想なのですが、オリエのそういった感情の機微をこういうところからも感じられるエンディングだったのがとても良かったです。
「明らかではあるが皆まで言わない」、私はそういう表現が大好物なので相当気持ち悪い顔でエピローグ全体を進めていたと思います。
シナリオを通じて結果的にこの手帳が主人公と結びつける重要なアイテムになっていて、手帳の内容の変化=オリエの心境の変化というのが大変よくわかります。
個人的に一番笑ったシーンはアフターストーリーでゲームをしている以下のオリエ。
補正切りとか確反(=確定反撃)とか格ゲーをやってないと絶対わからんやろとフフっとなりました。
偶然自分が好きなジャンルの話を好きなヒロインがドンピシャでしてきたので、こういうところからもやっぱりオリエなんですよね。
あとED(この作品でこの表現はややこしいですがエンディングの意)の曲(幸せの魔法)がめちゃくちゃいいですよね。
シナリオ中で流れるアレンジのときからメロディーが結構耳につくなと思っていたのですが、EDのアコギが流れるイントロを聴いて一瞬で好きになりました。
ボーカルがオリエの声優の方ではないのでオリエのキャラソン扱いでないのが残念ではあるものの、歌詞の心情的にはオリエの変化が歌われていて、アコギのメロディやボーカルの方の声が綺麗でオリエに合っている雰囲気の曲だなと。
私にニーズがあるのでフルバージョンないですかね、ゆずソフトさん。
谷風 天音
賛否両論あるやに聞いている実妹ルート。
人の数だけ性癖があるのでそこについてあれこれ言うつもりはないのですが、私は全く気になりませんでした。
天音以外のヒロインはシナリオの共通ルート中に主人公への好感度が上がっていき個別ルート突入後に付き合うというある種当たり前のフローを辿ってるのですが、天音は実妹なのでシナリオ外の時間軸のときからずっとお兄が好きだったんですよね。
そういう観点で見ると共通ルート中の天音の見方が少し変わるなと思いつつ、でも実妹なのであれ以外のエンディングってなかなかないよなあと。
まあ数ある実妹や義妹系の作品に通じるのかもしれないですが、私はそのジャンルの初心者ということもあり単純にこのオチはちょっと切ない気持ちになりました。
アフターストーリー中に天音は主人公の妹に生まれて良かったということを言うのですが、キャラソンの「ワタシだけ。」では一人の女として見てほしいということも言っていて、非常に感情の機微が難しいなと思いました。
妹という他の誰よりも良い特等席で主人公と関われる、一方で妹であることが一番の足枷になっていると。
そこは世間一般の常識を本人たちも持っているので基本的には隠れながらあれこれするわけですが、個人的には二人でカフェデートくらいはギリギリあっても良かったんじゃないかなと思ってます。
実は海デートも風実花さんロジックで二人で行けたのでは?
そんなこんなで天音はシナリオ外からお兄が好きなわけなので、他の個別ルートの際の彼女の感情がどんなものかを考えると少し気分が重くなります。
来海とのシーンのときに関しては隣の部屋にいますからね。
基本的にこの手の美少女ゲーで個別ルートを跨ったifを考えることに意味はないのですが、天音に関しては上述の通りシナリオ外からの動きになるためどうしても考えざるを得なかったです。
と、シナリオに関する感想が多くなってしまったのですが天音自体は個人的にかなり好きなビジュアルと声でした。
そう、声。
天音の声優さん、演技上手すぎません?
ザコのあれもそうですが。
声やキャラに合った口調(≒演技)込みだと今回は特に天音とオリエがとても良かったなと思いました。
ちなみに、私は基本的に年下だの「わからせ」だのこれに類する属性を好きになることが今まで全くなかったのですが、天音ルートを終えて(アフターストーリー込みです、ここ大事)これまでの愚かさを痛感しました。
正直天音に関しては声優さんの演技によるものが大きいと思うのですが、それを加味しても属性の食わず嫌いは駄目だなと。
あとオリエルートの感想と連続してしまうのですがキャラソンの「ワタシだけ。」、めちゃくちゃ良くないですか?
特にシナリオ中でも流れるピアノバージョン、なんなら最初の2音を聞いた瞬間からビビッと来て、天音が歌ってるバージョンも即購入。
コード進行が特殊なのか何かの曲に似てるのか、とにかくやたらと耳に残るのでとりあえず鬼リピしてます。
美少女ゲーに限らないのですがゲームのBGMやOP/ED、キャラソンといった音楽周りが好きでゲームをする際には結構聞いてしまうタイプなので、そういった意味でもゆずソフトって良いのではという予感がしています。
百里 風実花
年上幼馴染とかいう私が最も好きな属性を持っていながら、意外にも何故かそれほど刺さらなかったミッカちゃんこと風実花さん。
2024/3/27追記
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いろいろ経た結果、普通にぶっ刺さることに気付きました。
風実花さん好き。
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しかも年上幼馴染に加えて主人公が通う学校の先生とはこれまた。
サブキャラだからなのかシナリオがやたら短いなと思ったのですが、その一方で主人公が本来好きになるのは風実花さんが一番自然なのではないかという印象を持ちました。
小さい頃によく相手してもらっていた年上のお姉さんですし、個別ルートに入ってからも主人公が風実花さんに好意を持つきっかけは昔の回想ありきなので、なんというか落ち着くとこに落ち着いたらこうなるのでは?という胸にストンと落ちる感じのシナリオですよね。
シナリオ中では結局天音には付き合ったことを打ち明けず終わってしまったのですが、バレてたらどういうリアクションをされたのか気になります。
歳の差を考えるとやってることは普通にお巡りさんに捕まることなんですけど。
実際何歳差くらいなんでしょう。
でもそれは風実花さんも理解しているところで、だからこそ学校とプライベートで切り替えを彼女主導でしっかりとやっていますし、海デートもちゃんと遠いところに出かけたりしているので、教師と生徒というテーマだけ見ると背徳感があるもののシナリオ全体では全くそのいやらしさを感じなかったのは凄いなと思いました。
まあ天音ルートとは異なり、こそこそ相手の家に通ったり隠れてデートしているのが逆に生々しいとも言えますが。
あとこの先生、あたふたしてる印象を見せつけながらかなり大胆なのが笑いました。私服とか、私服とか。
シーン中も正直また操られてんのか?と思わずにはいられなかったのですが、裏を返せば落ち着いた年上お姉さんも本能を持っているというところが逆に良い、逆というか普通に良い、みたいな解釈に落ち着きました。
さて、風実花さんルートは総じてめちゃくちゃ良かったです。
その大前提で以下、これはわがままな感想になってしまうのですが、風実花さんの制服姿を期待していたのは私だけでしょうか?
憧れの幼馴染お姉さんが自分の通う高校の制服を着て・・・というシーンをそれはもう期待していたのですが、ニーズないですかね?
チャプターが切り替わる幕間でキャラクターがいろんな服を着てると思うのですが、実は風実花さんそこではちゃんと制服着てるんですよね。腰にカーディガン巻いて。
なのでオリエのアフターストーリーのように頼み込んで着てもらうくらいの気概がほしかったですね。
もちろん、例えばかぐ耶の異世界衣装をその幕間で各キャラが着てたりもするのでシナリオとは関係ないと理解しているのですが・・・しているのですが!
憧れの幼馴染お姉さんが教鞭を執っている学校の制服を着てそこの現役生徒とあれこれするシーンからしか得られない栄養素があるので、もう1周することでそれに換えることにします。
星河 かぐ耶
なんというか、「初めてのゆずソフト」の洗礼を受けたようなヒロインでした。
自分でドスケベとか言うリアルな姫様って・・・非常にベリーグッドだと思います。
共通ルートの際はシナリオ上で頼りになる系のキャラなのかな?異世界絡みの事情でかき回す感じのキャラなのかな?という感じだったのですが、まず個別ルートに入った途端に夜這いをしてきて笑いました。そうはならんやろ(褒めてます)。
オリエルートの際も思ったのですが、異世界の人ってそんな子作りしたがるのかってくらい迫ってきますよね。
例えば来海はちゃんと最初に装着しようねと言っていて、高校生の感覚としては当然なのかと思いますが(なお、その後は)、そういう考え方の違いで出身の違いというかこの世界の人ではないですよという感じを出したのかなと思いました(考えすぎ?)。
個人的に好きだったのは風実花さんに影響されてお姉ちゃん呼びを主人公に強いたところでしょうか。
来海ルートでも来海がヴェガにそう呼ばせる描写があったので、私と同じく「お姉ちゃん呼びを強いるお姉さんぶりたいヒロイン」が好きなライターさんがいるのかなと思った次第なのですが、本当にありがとうございます。私も大好きです。
かぐ耶も年齢不詳だと思うのですが、姉御肌なのは言うまでもなく終始主人公をリードしているのはこれ以上にない解釈一致でした。
あと、シナリオがこの作品の本筋に一番近いからか個別ルートの話としてはめっちゃ面白く感じました。
跡目争いという一見ごちゃごちゃしそうなテーマになっていますが、兄がポンコツということもあって良い感じにコミカルになっていて読みやすかったのが良かったです。
また、そもそもかぐ耶がこっちの世界に来た事情というか、何しに来たんやっけという部分とその原因もちゃんと解決され、個人的には満足なハッピーエンドでしたし、天使騒々という作品上の真ハッピーエンドとしても違和感がないのかなと思ってます。
これは余談になるので読み飛ばし可なのですが、狐面を被った女の子って良いですよね。
全くの別ゲーで美少女ゲーでもないのですが、狐面が特徴の某女キャラが好きと言うこともあり、かぐ耶が出てきた瞬間に当たりを確信しました。
思ったより狐面自体の登場は少なかったのですが、仮面を取ると美少女というシンプルなギャップがなんやかんやアツいなと感じた次第でした。
白雪 乃愛
まず、シナリオがめちゃくちゃ面白かったです。
かぐ耶ルートと同じく本筋に絡んでいるのはそうなのですが、いろんな伏線を回収するシナリオになっていて、「あ、そういえば!」となることが結構ありました。
まずはやっぱり戦乙女。
共通ルートや各キャラの個別ルートでも散々前世については語られていたのに、肝心の乃愛に前世があるとはなぜか考えが及んでおらず、また戦乙女も冷静に考えればそういう可能性があるのではと考察できた気がするのですが普通にびっくりしました。
あとは三国さん襲撃の件。
共通ルートでクラヴィを倒してめでたしめでたしという感じだったのですが、言われてみれば三国さんの件とそれが絡んでいるとは一言も言及がなかったなと。
これもなぜかクラヴィを倒したことで解決したと思い込んでいたので、シナリオを進めながらその事実を提示されたときは主人公やかぐ耶と同じリアクションになってしまいました。
関係ないですがこのルートでのクラヴィの傭兵感が個人的には好きです。
この描写があることで共通ルートで襲撃したときも悪意があったのではなく純粋に雇用主のオーダーに従ってただけなんだなというのがわかりますし、あとそれでもなおオリエがキツめに当たってるのが面白いですよね。オリエのそういうところも好きです。
他にもこのルートは見所が多いなと思っていて、特に研究所連中に罰を下す流れからの本編のエンディング。
罰を下す演技の際に、これまであまり暗いことを言わなかった乃愛の黒い部分の本音が見えたのが良かったですし、でも本当には手を下さないところで乃愛のキャラ付けがしっかりとできていてとても綺麗な解決策だと感じました。
またエンディングについても普通にめちゃくちゃ良かったです。
乃愛の産まれから天使になった経緯に触れ、これまでは他者の意思によってのみ自分の人生が動いていたが、主人公のマナを受け入れたのは紛れもなく自分の意思でその証拠が黒い羽根という形でしっかりと残っていると。
魔法で強化されてるとか天使の力とか、そういう目で見えないものではなく自分の意思で形ある物、しっかりと繋がりを感じられるものを残せたというのがとても良いオチですよね。
そう考えると現世のコンテンツに溺れて”堕天”していたのも当然なんでしょう。
こちらの世界では当たり前の繋がりやそういった娯楽を産まれたときから経験してないんですから。
こういう「シナリオを全部終えてから見えてくる部分」の考察が好きで、それを経て更にヒロインへの思い入れが深まるタイプなので、そういった観点でも乃愛ルートはとても良いシナリオでした。
・・・さて、なぜ乃愛ルートだけヒロインを愛でるのではなくやたらとシナリオについて書いていたのかというと、もちろんシナリオが良かったのは当然なのですが、私個人の感情として乃愛を一ヒロインとして最後まで見れなかったからです。
これは全く悪い意味ではなく乃愛ルートを最後にプレイしてしまった弊害だと思うのですが、共通ルートやその他個別ルートをしているうちに、「有能な相棒枠」「食いしん坊なマスコットキャラ」というイメージが完全に定着してしまいまして、実妹の天音以上に歳の離れた妹感が見えたことでシーンがあるヒロインとして認識できなくなってしまい。
なので、一キャラとしての可愛さやキャラの良さは当然感じてはいるのですが他のキャラのそれは少し種類が異なるものなのかなと。
ただシナリオの感想だけでここまで書けてしまうレベルでシナリオが良かったので、逆に乃愛を邪な目で見れなかったことでより純粋にストーリーを読んで没入できたのかなとも思います。
全体を通して
初めてのゆずソフトだったのですがかなり満足度が高かったです。
キャラによるところがあるものの、基本的には本筋に絡むところとイチャつくところのバランスが良く飽きることなく最後までプレイできました。
あとは既にどこかでも記載しているかもしれませんが
・ボリュームがめちゃくちゃある
・キャラソンなどの音楽周りが非常に良い
・シナリオの整合性がちゃんと取れている
あたりがとても良かったです。
加えて、個人的にヒロイン同士がいろいろやり取りするという描写が好きなのでそういった観点でも天使騒々は良かったなと。
主人公とヒロインしかおらんのか?とか、個別ルート突入後急に他のヒロインの霊圧が消えるみたいなものもありますし。
逆に唯一気になったところは、しつこいのですが夏休みという時間軸により制服ビジュが限定的だった点くらいでしょうか。
機能面だと初めてそういうのを知ったのですが、立ち絵鑑賞モードが凄いですよね。
差分とか全部見れるのかとびっくりしたものの、これの活用方法についてはイマイチ分かっておらず次作まで宿題です。
一通り遊べたので次は積んである放課後シンデレラ2をプレイしようかと思っていますが・・・
いろいろとゆずソフトのゲームを調べまくっていた過程で芦花姉こと馬庭芦花さんが気になりすぎて「千恋*万花」も買おうか迷っています。
但し、ブラウザ版は対応しておらず(Switch版?いやいやそれじゃあ・・・)。
ゆずソフトで唯一?コンシューマ移植してるっぽいのでシナリオも面白いんだろうなとか、あとはモデルとなっている場所が結構私と近しいところだったりという点でも気になっているので、ゆずソフトに興味があるうちに何かしらでプレイしたいなと思っています。
ただ・・・芦花姉もサブヒロインなんですよね。
今回のオリエもそうなのですが、もしかしてゆずソフトはサブキャラがかなり魅力的なんでしょうかね。
「メインヒロインの誰かをクリア後でないとサブキャラルートには入らない」という大事な知見を今回得たので問題はありませんが。
ではまた機会があれば。