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喫茶ステラと死神の蝶 感想

こんにちは。

・・・いつもこの前置きに何書くかを考えるのが結構時間かかるので、ちょっとお試しで無しにしてみます。

そもそも書く意味も必要性もないというのはさておき。
まあ文章を書き始める(読み始める)ウォーミングアップ的な意味もありますし(今考えました)。

では早速、今回喋り倒したい作品はこちら。

ゆずソフトの「喫茶ステラと死神の蝶」です。

こんなところまで感想を読みに来ていただく方々にはもはや説明不要かと思いますので内容は想像いただくとして、この作品って天使騒々が発売されるまではコロナもあって3年くらい最新作として続いてたんですよね。

それでいて販売サイトの売上ランキングでは未だに割と上のほうにあったりと、その辺りを見て面白い作品なんだろうなあという印象を地味に持ち続けてました。

今思えば私がゆずソフトというブランドを認識したのもYouTubeのおすすめに喫茶ステラの切り抜き(たしかナツメ)が出てきたのがきっかけだった記憶がありますね。

はあ・・・美少女ゲームですか、という程度の感想しか当時は持たなかった私も、なんやかんやあって天使騒々→千恋万花→リドジョという流れでゆずソフト作品をプレイしてきまして、いよいよ本丸へ突入といった感じです。

というわけで、もっと短くスタイリッシュにと毎回思うもののまたまたちょっと長くなってしまってあれなのですが、今回も少々お付き合いいただければ。

ちなみにこの辺りから設定的な観点で少しネタバレがありますので未プレイで気になる方はご注意を。

全体的な感想

総論

私にとって地味に初めてなんですが、今回は大学生が主人公なんですね。

言われてみれば今までプレイした作品は高校生の主人公ばかりで、R18作品なのになぜその年齢より低い主人公やヒロインを中心としてるのか?という疑問に思ってはいけないであろう疑問も湧いたんですが、とりあえず今回は大学生が主人公ですと。

それでいて舞台がバイト先というのも早速大学生らしさを活かした設定で良いなと思いました。

私の高校時代は周りにこんなヒロインみたいな人たちはいなかったのですが(当たり前)、大学生のときにバイトはしていたのでギリギリ解像度を保てるというか、ギリギリ現実でも起こり得たかもしれないと想像力を逞しくできるラインとでもいいますか。

そういえば私が好きな某ラノベの作者が最近面白いことを言っていて、大学生ラブコメは自由度が高くて、逆に高校生ラノベはルールや縛りが多い中でイチャラブを書くのが面白いと。

なるほどなあと、個人的に一番納得できる考え方をめちゃくちゃきれいに言語化されていると思いました。

ルールや縛り、言い換えると高校生であるだけで既に存在する縛りに加えて、ストーリーの設定という縛りを更に加える中でいろいろやるってことだと思うんですけど、非常に納得感がありました。

で、今回は大学生が主人公ということで、過去のプレイ作品にはないような斬新な設定とか出てくるのかなと、そんなことを考えていると唐突に登場する死神や蝶々の設定。

自由度が高いと言いましたけど、カフェでバイト先を舞台にしよう!という流れからどうしてこの発想が出てくるのか、純粋に凄いなと思いました。

普通と言ったらあれなんですけど、大学生でバイト先というとそこでの先輩後輩やらお客さんやらと何かあって・・・というラブコメ味があるようなストーリーが思い浮かぶわけですが、少なくとも死んで生き返ったと思ったら、死神+αが魂の残滓である蝶々を集めるために経営を始めたカフェバイトに巻き込まれる、みたいな発想ってまずカフェというワードからリンクしないと思うんですよ。

まあ単にシナリオライターさんってすげーという話です。

あと今回はですね、ヒロインたちが本当に全員魅力的すぎて困りました。

パッと見では私の好みから外れているヒロインもいて、まあその筆頭は愛衣だったんですけど、シナリオを通じてその姿をちゃんと見るとなんて可愛いヒロインなんだと、自分の中での下馬評のあてのならなさが大変よくわかりました。

愛衣を例に出したのですが、今回は本当に全員が甲乙つけがたいレベルで、RIDDLE JOKERプレイ時も共通√段階では似た印象を持って結局は個別√をプレイすると茉優先輩一択だったんですけど、喫茶ステラは個別√をプレイした上でもハッキリと一番好きなヒロインというのが定まらなかったです。

それくらい全員が可愛くて推しになり得ます。

喫茶ステラは結構美少女ゲー初心者にもおすすめされているのを見かけたことがあるのですが、本当にそうだと思います、まあ死神周りのシナリオを理解するのが難しいとこもあるのですが・・・

そんな感じで、例によって私が攻略した順番で各ヒロインの感想をあれこれ書いていきます。

ここからはネタバレしまくっているので未プレイの方はご注意を。

火打谷 愛衣

まず最初に謝らないといけないのは、今作品で誰を最初に攻略しようかと考えたときに、この愛衣はガッツリ消去法で選んだんですよね。

栞那はグランドエンドっぽいし、ナツメも相応に関わってそうで、希は幼馴染で早めに攻略すると後が辛そう、涼音さんはサブで最初に行けないし。

とまあこんな感じで、私の好みからも外れに外れているので言ってしまえば結構ネガティブに選んでしまったんですけど、想定外にこの愛衣がめちゃくちゃ良かったというのが、今作品全体を通して一番の良い裏切りポイントでした。

シナリオ的にもちょうどいい塩梅に本筋と関わるような内容で、また愛衣が後輩キャラとして想像以上に可愛く、むしろ最初にこの√を選んで良かったと、切り込み隊長としての役割を100%果たしてくれた、そんな印象でしたね。

内容自体は、まあよくある話だとは思うんですよ。
友達とのいざこざがうんたらかんたらでそれを解決するって。

それがうまい具合に蝶の話とマッチしていたなと。

愛衣はヒロイン4番手になるので蝶(=本筋)に絡むと全く思っておらず、あの片目隠しのデザインそういう”癖”があるからこそのデザインなのか?程度の印象だったのですが、

それにあんなバトルモノの能力者のような「目に蝶を閉じ込める」というしっかりとした意味があったのは驚きましたし、こういう意味付けがしっかりとされているキャラデザというのは私の大好物です。

そしてそれがしっかりと愛衣自身の問題、つまり蝶が絡んだ友人との確執解決に活かされていて、とてもきれいで分かりやすいストーリーだと思いました。

しかし・・・愛衣の後輩力の高さには感服しますね。
あんな後輩がいたら私も好きになります、絶対。

今回は主人公が大学生3年生というだけあって、愛衣や希といった高校2年生組が明確な年下キャラになるわけですけど、4つ離れているからこその差というか、高校生組の青さが際立っていたといいますか。

同じ高校生の先輩・後輩ではこの青さは出せなかったと思いますし、付き合ったあとに愛衣が他ヒロインのお姉さん勢からいじられているリアクションとか見てると、こうなんというか・・・かわいいなあ!!!と思わず叫びたくなるような、そんな純朴さを感じた次第です。

さて、そんな感じで愛衣は私にとって良い意味で期待を裏切ってくれたので、こちらとしても誠心誠意プレイする必要があると思ったんですけども、シーンにおいてもそれは顕著でした。

スタイル的には他ヒロインと比べて控えめなんですが、上述した愛衣独特のあの純朴さをもってしてのシーンというのは、こう・・・本当に不慣れなんだけども「イケナイこと」をしている、にもかかわらずなぜか愛衣から醸し出される妖艶さがやばい、という二律背反な印象を受けました。

「わたし、はじめてで・・・」という枕詞はヒロインが1回は言うようなセリフだと思うんですけど、そんな建付けは別に重要じゃないんですよ。

こういう不慣れ感をアピールするワードを出す出さないに関わらず、大事なのは本当に不慣れなのかという点だと思いますし、この愛衣のシーン周りは全体を通じてその「雰囲気」というのが満ち満ちていました。

照れ方とか不慣れ感とか出したいキャラは全員愛衣を見習えばいいと思えるレベルで不自然さが全くなかったと思いますね、ええ。

ちなみに私は「応援系」がグッときました。
あれは愛衣にしか無理。でも後輩キャラはみんな応援してくれ。

あとですね、ここは賛否両論あると思うんですけど、なんというか主人公がDTを拗らせていて欲望に忠実なのもいいんですよね、ちょっと生々しさはありますが。

否定的な意見ももちろん見かけたんですけど、まあいろんな作品がある中で普通はDTにあんなイケメンムーブできないでしょうと、文句言ってる人は過去の自分を思い出してみなさいよと。

メタ的なところでは主人公のお願いを聞くという体でシーンのバリエーションを増やす手法、自然で良いと思います。

そのためかこの作品にはこんなシーンもあるのかと、結構ニッチなシチュエーションが割と多めだった気がしています。

それを困りながらも渋々了承してくれる愛衣という構図がまたこう・・・なんというかグッとくるんですよね。

まあ年齢差的にはこのご時世だとお巡りさんに捕まっちゃうかもしれないですけど。

こんな感じで愛衣√はとても良くて、例えば本来はフラットな目線で評価して90点とかだとまあ90点分の良い数字だなという感じなんですけども、私の場合最初の期待値がマイナス50点くらいから始まっていたので、差し引き140点分くらいの良さがありました。

ちなみに下記は私が一番良いと思ったところですが、こんなありきたりなセリフもこの過程に至るまでの愛衣が言うとこれほどにも威力があるのかと。

先ほど書いたように、大学生と高校生の年の差ということもあり後輩感が際立つ、また純粋な年下後輩キャラは意外にレア?というイメージもあり(義妹や幼馴染とかセットでつけられがち)、また結末ではステラでアイドル的な存在になっているという愛衣の人柄とマッチしているオチで、繰り返しになりますが本当に良い後輩ヒロインだなと思いました。

汐山 涼音

涼音さんだけタイトル画面絵がなかったので・・・

美少女ゲーを始めてから私は基本的にお姉さんキャラを好きになりがちです。
また、いわゆるロリっぽさを感じるヒロイン(≠年下キャラ)は全くと言っていいほど好きにならなかったりします。

そんな感じで、涼音さんというヒロインは年上お姉さんだがロリ(体型)っぽさも兼ね備えている融合体、いわば私の好みにおける矛盾対決だったのですが、軍配はお姉さんキャラに上がりました。

と、それっぽく書いたのですが、要は一言で済ますと涼音さん、好きです。

本当にサブキャラですか涼音さん。

他の誰をサブキャラにすべきかという話はあるのですが、正直涼音さんは本当にメインヒロインでも良かったような、そんな印象でした。

ただこれは喫茶ステラという作品設定が影響している点も大きく、このシナリオはバイト先のカフェが主戦場で、しかもそこで同じキッチン担当として働いているので、共通√からどの個別√まで見ても涼音さんがめっちゃ登場してるんですよね。

当たり前なんですよ、そこがこの作品のメインステージだから。

なので役得とでもいいましょうか、サブキャラとしては破格の登場回数なんじゃないかなと思ったり。

だからこそ、物語を円滑に進めるように、また主人公の悩み相談や行動指針をさりげなく与えるような重要な役割も担っていましたね。

そしてメインヒロインかな?とツッコミたくなるレベルでのデレ、というか照れ。

そう、やっぱりゆずソフト作品のサブキャラはクオリティが高すぎませんかね。

この喫茶ステラで直近4作品をプレイしたことになるんですけど、その半分の2作品で私はサブヒロインを一番好きになっています(芦花姉とオリエ)。

私がこの手のゲームをし始める前は、なんとなく「ヒロイン勢にいない属性のキャラを補足的に」くらいの立ち位置なのかな?と思っていたのですが、主菜なのか副菜なのか分からんメニューを出されたような感覚になっていて毎回感服します。

そんな涼音さん、シーン周りがまたいいんですよ。

リードしたいけど上手くできない系お姉さんとでもいいましょうか。

涼音さんは付き合ってからも主人公に分かりやすくデレるタイプのヒロインではなく、どちらかといえばお姉さんの威厳を保ちたいタイプだと思うんですけど、全然保ててないのがパーフェクト。

そしてあの目がハートになる表現、本当に好きです。

もう絶対そうなるやろという懇切丁寧なフラグをしっかりと立てた上でだったので、完璧な流れと言わざるを得ませんでした。

シナリオは最後が少し駆け足、というかオチはこの描写で終わり?!という感じだったのですが、まあそれはサブキャラ√なのでご愛嬌。

それでも共通√からしっかり匂わせていた涼音さん周りの問題、というか懸念の解決という分かりやすい内容でとても良かったですし、個人的に主人公の将来の夢はこの涼音さん√が一番具体的に、かつ自発的に決められたような印象を受けたので、そういったシナリオの流れもきれいだと思いました。

というわけで、サブヒロインにもちゃんとピン写のタイトル絵をください!

まあ天使騒々にはサブヒロインにもちゃんとあったので以降はあると思うのですが、何気に楽しみだったりします、あの手のタイトル絵を見るのが。

四季 ナツメ

ゆずソフト作品の評判を調べていると必ずと言っていいほど見かけるヒロインだったので、さては人気ヒロイン枠だなと思ってたんですがプレイしてみて納得しました。

王道ヒロインの極致、ある意味では普通の究極系でも言いましょうか、これに興味ないという男子はいないでしょうと、多方面に刺さりそうなヒロインだなという印象でした。

もう少し言うと、ナツメの良さって男子に刺さりやすい属性、もとい男の欲望がふんだん詰め込まれており、かつそのそれぞれの属性の全体平均が異常に高いタイプの良さだと思っていて、だからこそ王道ヒロインという言葉で表現をしたのですが、一方でカバー範囲は広いものの狂信的にぶっ刺さる人の数は割と他のヒロインと大差ないのかなと思ったりもしています。

ピンポイントに尖った属性を持っているヒロイン、例えば私の場合千恋万花の茉子やムラサメ、RIDDLE JOKERの七海などがパッと思い浮かぶのですが、この辺りのヒロインは刺さる人には本当に刺さりまくる、刺さらない人にはとことん刺さらないタイプだと思っていて、同じ人気ヒロインでもナツメとはそういった点で差異があるのかなと。

美少女ゲーデビューは何をすべきか?と言った話題を見るとこの喫茶ステラは必ずと言っていいほど挙がってるイメージですが、上記の観点から勧めやすい作品だと皆さん無意識に思ってるんですかね。

そんな印象を持ったナツメなのですが、黒髪で、ツンデレで、付き合った後はデレまくって、スタイルも良くてと、いろんな良いところはあるんですけども、どうしても私が触れざるを得ないのはCV:夏和小さん

もう私の中では怪演の域に達していまして、美少女ゲー声優界の藤原◯也だと心の中では呼んでいるのですが、あの可愛い声をして本当に演技の幅が広くて上手いですよねえ。

ストーリー中とシーン中のギャップの凄さ、シーン中演技の思い切りの良さは相変わらずですし、キャラソンの歌もお上手で。

CVが夏和小さんであるだけでワクワク感が段違いになります。

さて、ナツメ√の内容は思ったような本筋への関わり方ではなかったのですが、設定的には裏主人公・・・というかもはや主人公の女版という感じでしたね。

魂レベルで飢えていて、生きたいと強く思えることを見つける的な。
逆にこの√以外だとナツメは死んでたのか、というのも気になる点ではあります。

一方で、個別√でナツメが好きを自覚した瞬間はめちゃくちゃ良かったですね。

そら好きになりますよって、半ば認めざるを得ないような認め方で。

ツンデレキャラが素直になる瞬間はもはや古からのテンプレだと思うのですが、良いものは何度同じ形式で見ても良いものなのです。

あと今回唯一主人公と同じ大学生ヒロインということで、就活だの期末試験だの美少女ゲーをしている最中にあまり聞きたくないワード・・・ではなく、将来どうしようかと考えるだけでなく実際に行動を起こすところまで描写できるという大学生設定が活かされた良い結末だったと思います。

夫婦でカフェ経営、いいですよね。
少し欲張るならナツメとも結婚エンドが見たかったな、くらいでしょうか。

さて、ナツメについては先ほど普通の究極系だと言ったのですが、シーン周りについてはなぜかシチュエーションが割と尖っているものばかりだったと思います。

目隠しとか。チャイナ服コスプレとか。
もはやメイド服もあれコスプレでは?

あとどうしても見逃せないのは指のあれですね、指のあれ

謎にシーン扱いじゃないから鑑賞メニューからは見れず、ちゃんとロードして見に行かないといけない指のあれです。

あのナツメが急にそんなことをし出すもんですから、その日のゲームを終えるタイミングを完全に見失いましたよ、私は。

ゆずソフト作品をプレイすると毎回思うんですけど、シーンのバリエーションが豊かすぎてありとあらゆる性癖のプレイヤーまでカバーしてやるぞという熱い意思(=細かな気遣い)が感じられます。

ちなみに私は以下のセリフからナツメの巫女服姿をめちゃくちゃ期待してましたがご期待に沿えてはいただけませんでした

正直チャイナ服よりそっちが見たかったなあ!

まあ欲張ってもしょうがないので、今作品に限っては主人公の趣味嗜好のおかげで色々見れたのがそもそもありがたかったということで。

実際ナツメの王道感とは対照的にシーンチョイスの尖りでバランスを取ってくるのかー・・・と思った方ははあんまりいないかもしれないですけど、個人的な好みで言うならここも王道であればパーフェクトでした。

とはいえ、ナツメにこんなことをさせるのか・・・という点が人気を押し上げてる側面も否めない、というか直に感じたのであまり大きな声で言えないのですが。

ただやはりツンデレヒロインがシーン中にはデレデレになるところからしか得られない栄養もあるわけなので、そういう意味では本当にオーバーキルを見せていただけたかなと。

あとナツメといえばやはりここ。

もうね、なんでもかんでも男の欲望を突っ込めばいいわけじゃないんですよと。本当にありがとうございます。

ナツメのキャラ設定からは「ヲタクはこういうのが好きなんでしょう?」と言われている気がしないでもないのですが、そうだよ大好きだよとしか言えないのでこの戦略は正しいです、はい。

あとは音楽周りで気になった、というか驚いたのはナツメのキャラソンがロック調であった点。

シナリオアレンジのものからギャップがありすぎてうおおおおって感じでした。
芳乃キャラソンの「とおりゃんせ」なんかその筆頭だと思うのですが、それぶりに驚きました。

結構シナリオアレンジからイメージする曲調と違うパターンがゆずソフトでは多いので、意図的にアレンジを変えてるんですかね。

愛衣や来海、レナみたいな元気っ娘のキャラソンはそのまま明るい曲調が多いんですけど。

そして夏和小さん、歌がお上手(2回目)。

ナツメは共通√の感じから、付き合っても素直になれない系ヒロインでツンツンがメインかと思っていたので、想像以上に、それはもうデレにデレまくっておられて大変に満足でした。

墨染 希

お姉さんキャラを好きだと書いた手前、早速矛盾するのですが希については普通に私の中で一番手になり得る、そんな魅力的な年下キャラでした。

どうでもいい自己分析なんですけどあれですね、甘やかしてくれて面倒見が良いというタイプもたぶん好きなんでしょうね。

物語の内容次第では従者属性と言い換えてもいいかもしれません。
オリエとか、茉子とか。

そんな希さんは面倒見が良い年下幼馴染なんですけど、私が過去プレイしたことある作品だと意外といないんですよね、純粋な年下幼馴染。

なので幼馴染は幼馴染でも年下という点がどう働くのかが気になってたんですけど、逆に年上の主人公を甘やかすという存在になってて良いなあ、と。

年上幼馴染が甘えてくる、の対比だと思うんですけどこっちもなかなか捨てがたい、そんな良さがありましたね。

個別√のシナリオも、どういった流れで蝶と絡むのかと楽しみだったんですけど、そういえば大変貴重な巫女属性も兼ね備えていて霊的なシナリオである本作品とマッチしたタイプのヒロインだと思いました。

そしてそのシナリオが思いのほか良かったですねえ。
栞那√とはまた違った泣きシナリオというか感動モノというか。

希√で起こる事象って主人公と付き合わなければ発生してないんですよね。

こういう本当の意味での個別√固有のシナリオって意外と少ないと思っていて、例えば今作品でも他のヒロインたちの問題は主人公がどの√に進んでも発生し得る、または解決しないんですけど、希に関しては他√に行った場合問題が発生せず、希√に行って問題が起こっても最後には解決するので、いずれにせよ平和なんですよ。

まあ他√にいくと大大大好きな主人公とは結ばれないんですけど。

しかしですね、希は他√に行った場合その秘めたる思いをちゃんと秘めていて驚きました。

某七海さんは完全に嫉妬丸出しだったと思うんですけど、希に関しては本当に分からないレベルで普通でしたよね、まあなんか若干怪しい雰囲気のときもありましたが。

以下のとか真顔がなんか怖いですよね、でも巫女服姿はめちゃくちゃ可愛い。

涼音さん√の場合

だからこそというか、希√で付き合ってからは限りない独占欲と好きだという思いを主人公にぶつけまくっていて、共通√との大きなギャップを見せつられ大変よろしいと思いました。

幼馴染ならではの思いの丈というか、やっぱりバイト先で初めて出会ったヒロインたちとは思いの深さ、もとい感情の重さが段違いで。

なんかシーン中に私の昴晴くんとか言ってましたしね。

でも幼馴染√ってこういうのでいいんですよ。

幼馴染ならではの距離感が出来上がってしまっていて、そこから恋人の関係になるにはどうすればいいのか、そういう葛藤を通じた上でのゴールなわけですから、幼い頃から今まで素直になれなかった分の思いの丈を炸裂させなきゃそれは幼馴染である必要がありませんよと。

また希√に関してはその上で結婚エンドまで描写をしてくれて私は大変満足しましたし、特にもうこれ最高だなと思ったのは最後の少し大人びた希とのツーショット写真。

見てくださいこれ、本当にゆずソフトはこういうCG絵の表情の見せ方が上手すぎると思います。

なんというか、もう溢れ出る幸せ感を体内に収め切れていない、本当に幸せそうな表情をしていて、小さい頃からの思いを叶えられて良かったねと、もはや意味不明な不審者目線ですが見ているこちらまで幸せな気分になりました。

こんな感じでこれ以上にないハッピーエンドで言うことなしなのですが、1点だけシナリオ内でやはり言及せざるを得ないのは突然現れた「朝武さん」「巫女姫様」というワードでしょう。

ゆずソフト作品って世界観が繋がってるのが好きなところの一つなのですが、カフェ背景に七海と千咲が座っていたり、大学の食堂背景にあやせがいたりとRIDDLE JOKERの面々が目に入ったので千恋万花はどうかなと思ってたんですよね。

すると急に千恋万花要素がストーリー中で言及されたので驚きました。
時間軸が分からないですが、ちゃんと生きているということは芳乃が将臣と結ばれて呪いから解き放たれた世界線でしょうかね。

呪いの怒りを鎮めるとか、そのために舞を奉納するとか、今思えば千恋万花っぽい内容でもあったのでそこでしっかりと世界観の繋がりを見れたのがとても良かったです。

あと相変わらずゆずソフト作品の音楽クオリティが高いという点で、今回は希のキャラソンを買いました。

なんかアイドルソングにありそうな雰囲気の曲で特に耳に残りましたねこれは。

CV:上原あおいさん、良い声ですよねえ。

私は一つ前にプレイした「紅月ゆれる恋あかり」という作品で上原あおいさんを知ったので、結果的に2作連続で出演されている作品をプレイしたんですけど、あの少しハスキーっぽさが感じられる、でも妹系の可愛らしさも兼ね備えている声質や演技が印象に残りました。

私にニーズがあるのでもっと出てください!!!

明月 栞那

こんな可愛い死神います?
どうでもいい話なんですけど「美少女×デカ武器」の組み合わせって良いですよね。

何をもって良いと思わされてるのかが上手く言語化できないのですが・・・そこはかとなく溢れるアンバランス感でしょうかね。

さて、栞那√をプレイするまでは希が一番好きかなあ、いやーナツメも愛衣も捨てがたいなあ、どうかなあという感じだったんですけど、総合的に勘案(意味深)すると栞那√が一番好きでした。

ヒロインとしては本当に横並びで悩ましいのですが、個別√の内容としてはという意味ですね。

その中でもやっぱり栞那√はシナリオが特に良かった。

泣きシナリオとでもいいますか、栞那と一時的にお別れになるところとか普通に私も辛かったですね。

あの観覧車での栞那の表情がまた良いんですよ。
悲しいのを我慢しつつも達観している、諦めが含まれる表情というか。

さっきも書いたところですが本当にゆずソフト作品はキャラの表情の見せ方が上手いですよね。

あとは千恋万花でもそうでしたが、人じゃない存在とどう一緒になるのかという点が気になっていたんですけど、栞那については本当にシナリオの本筋に係るところで人間に戻ったのがとてもとても良い構成だと思いました。

この作品のタイトルって「死神と蝶」ではなく「死神の蝶」なんですよ。

つまり「栞那の蝶」「栞那である蝶」というニュアンスなんですけど、他√を見ているとやっていることは「栞那と蝶」なんですよ。

ここがずっと引っかかっていて、栞那が蝶を刈り取るミッションを与えられているのならそれは「死神と蝶」ではと。

で、この疑問が栞那√を読むとなんとなく解消しました。

死神の役目としていろんな蝶を回収し、主人公を追い続けてきた栞那ですが、それはあくまでも死神になったあとの役割を全うしていたのであって、「生への執着をまず取り戻す」という役目で一時的に生まれ変わった存在が死神、つまり蝶がその目的達成のために具現化した存在である栞那自身にもその役目が課されていたと。

主人公と付き合ったことで生への執着を取り戻したので、死神となったこと自体の目的は達成されて転生するはずが、逆に今生(つまりは主人公と付き合っている現在)への執着強くなりすぎて転生できず、結果的に周りの他の蝶を巻き込み今生で明月栞那として転生しましたと。

要は明月栞那というのは目的を達成した無数の蝶という存在に近いものだと思うのですが、こうなるとたしかに「死神と蝶」という「栞那 with 蝶」的なニュアンスよりも、「死神の蝶」という「栞那である蝶」「栞那自身となった蝶」というニュアンスが正しいなと思った次第です。

ちなみに、なんかそれっぽさのある解説チックになりましたがこれは全て私の勝手な妄想です。

なので人間に戻れた一番の理由は栞那が言っていた以下がスッキリ納得できるかなと。

ただこうやっていろいろと妄想・・・考察?できるのが美少女ゲーの面白いところでもありますね。

あとは主人公が思い悩んでいた「一緒に過ごす」と「一緒に生きる」の違いとかも良かったですねえ。

いやまあ主人公が彼女を作ったその先、つまり家族として一緒に生きて幸せになるところまで求めている点でいえば、希とは結婚エンドでしたし、ナツメや愛衣についても将来そうなるんだろうなというところで、必ずしも栞那である必要性はないんですよ。

ただ死神として前世とかそのもっと前から魂レベルで接してきた栞那はやはり「格が違う」というか、名実ともに正妻面をする権利があると私は思いました。ちなみに贔屓目はあります。

そんな栞那ですが、私の好きな要素が地味に揃っていまして。

明言されてないものの100%年上お姉さんキャラですし、銀髪ほどとは言わないクリーム色の髪、スタイルも良くて主人公を甘やかしてくれると。

あととても大事なのは敬語で喋るところ。

後輩が話すのではなく、明らかに年上なのに敬語で優しく話してくれるキャラっていいですよね。

一方で敬語だから好きになるかというとそれも少し違い、あくまでもキャラのベースが良い上での強力なアクセントになる属性だと私は思っています。

それ単体では何もないといいますか。

醤油味が好きでも醤油だけでゴクゴク飲まないと同じです。
もし飲む人いたらごめんなさい。

個人的には「天使☆騒々 RE-BOOT!」でオリエを一番好きになったロジックと似ているような気がしています。

なんか電子機器が苦手という共通点もありますし。

さて、ここからは最初に書いた「総合的に勘案」された部分の話になりますが、この作品のベストシーンは栞那のアフターストーリーだと思っています。

もうね、栞那のいいところが全部出てました。

ツンデレのデレが大事だ!とナツメの感想で書きましたが、栞那みたいなタイプはデレるのも大事なもののやはりヒロイン側が優越感を持って進めている展開も必要だよなあと。

あとは単に死神の衣装のが見たかったのもあり。

しかし栞那が「あの枠」だったのは意外でしたね。
なんとなく希あたりじゃないかと思ってたんですけど。

まあでも、人の体に戻ってその体がどんなものなのかを興味本位でいろいろしている感がちょっとこうあれでしたね、マーヴェラスですね、はい。

人間に戻ってからは基本的にイチャイチャがメインで、栞那の大目的が達成してオチはどうなるのかなと思ってたのですが、よく考えたら主人公の最終目的=家族になることが残ってたなと完全に忘れてたので、結婚エンドまで描いてくれたのは大変ありがたかったですねえ。

度々言っている通り私は結婚エンドが一番好きなんですが、希の結婚エンドと合わせて、栞那√はもうこの終わり方しかないよなって終わり方で、今生だけじゃない前世や前前前世からの願望が叶った経緯を考えると栞那√が一番良かったかなあと思わされる決め手になりました。

その他:直近4作品をプレイした雑感

なぜ直近5作品ではなく4作品なのかって?

・・・と、振った割りにすみません、特に理由はないです。

実際サノバウィッチはプレイするか迷い中なんですけど、調べれば調べるほど「サノバウィッチはとりあえずやっとけ」という感想が大半なので、今の積みゲーが捌けたら今年中にはやってみようかなと思っています。

というかむしろこっちが本丸でしたか。

ちなみに公式サイトを見た感じだと見た目だけなら因幡めぐるさんがかなり好みです。

さて、直近4作品の雑感といったところでどれも非常に面白く優劣つけがたい、というかつける必要もないんですけど、それぞれの作品ごとに良いなと思った特徴が絶妙に異なっていたので、将来の紳士たちに参考にされるかもしれないという建前だけつけてとりあえずサラッと私が受けた印象を書いておきます。

ちなみに大前提としては全部良いです。
その中から観点ごとにあえて上位2つを格付けするなら、というモチベーションで考えると私はこんな感じになりました。

メインストーリー:RIDDLE JOKER>喫茶ステラ
キャラデザ:千恋万花>RIDDLE JOKER
音楽関連:天使騒々>千恋万花
シーンクオリティ:喫茶ステラ>天使騒々

まずはストーリー。

美少女ゲーなのに一旦は美少女ゲー要素を置いておいて、単純に話が面白いかという観点で見た場合、私はRIDDLE JOKERが断トツで面白かったです。

やっぱり潜入モノというジャンルが良かったんですかね。

秘密組織のエージェントが侵入して・・・みたいな流れが非常に分かりやすく、また各ヒロイン個別√でも「潜入がバレる」といった見どころもあり。

直近4作品だと最初からヒロイン勢が全員人間なのはRIDDLE JOKERだけですし、そのためシナリオ特有の設定を覚える必要性が相対的に低かったのが、イメージとか付きやすくて良かったのかもしれないですね(まあ超能力使いたちの話なのでSF感はありますが・・・)。

ちなみに2番目は喫茶ステラと書いてますが、実際は千恋万花、天使騒々とほぼ同順位で栞那√のシナリオが良すぎたのでここにしました。

続いてはヒロインのキャラデザ。

ここはもう本当に好みという話になりますが、和テイストが好きな私はやっぱり千恋*万花のキャラデザが一番刺さりました。

なのでヒロインだけでなく衣装とかも込みでという話になりますね。
あと芦花姉です、芦花姉。

100%キャラ個人目当てで買った作品は芦花姉の千恋万花と別ブランドですが朱雀院椿お姉ちゃんの椿恋歌だけです。

まあ椿恋歌は実質FDなのでそういう意味だと実質千恋万花だけかもしれません。

ただここ数年で技術が発達したからか天使騒々は起動すると絵のキレイさに毎回びっくりしますね。

2番目はRIDDLE JOKERにしていますがこれは完全に茉優先輩票。

あえてキャラデザで縛っていますが、ストーリーも込みでヒロインを選ぶならまた違った印象になるかもしれないです。

続いては音楽関連。

私は美少女ゲーに限らずゲームBGMが好きで、音楽の良さも作品の良さに直結するものだと思っています。

音楽といってもストーリー中のBGMとかOP/ED、キャラソンなどいろいろありますが、これは正直天使騒々が私は断トツで好きでした。

サントラもちゃんと買うくらい好きでした。

ゆずソフト作品って音楽周りのクオリティがやたらと高いと思っていて、どの作品も最低1曲は誰かのキャラソンを買ってたりします。

私の場合ですが、
キャラソンだと特に天音と茉子、
シナリオアレンジのキャラソンだと天音と芳乃、
OPはRIDDLE JOKERと喫茶ステラ、
EDはオリエ、
シナリオ中BGMは全てがおすすめです。

最後にシーンクオリティ。

まあこれもですね、それぞれ皆様熱い拘りがあるとは思うんですけど、私は喫茶ステラが攻守ともにレベルが高いなと思いました。

何を守ったりするのかは知らないですが。

大体どの作品も1~2ヒロインくらいは特に良いなと思うものがあって、喫茶ステラもそうかなと思ってたんですけど、ここを覆されたのはやっぱり愛衣の存在ですね。

絶対に刺さらないだろうと思っていたのがめちゃくちゃ刺さったことで本当に隙がなかったと思います。

2番目は天使騒々・・・と書いて気付いたんですけど、直近2作品だと絵の鮮やかさがやっぱり違ってそれを良く感じた説はありますね。

ただそれを差し引いても、シーンに限って言えば天使騒々は天音と風美花さんが強すぎる。

全体を通して

もうここまででいろいろ書いたのですが、総じてめちゃくちゃ面白かったです。

美少女ゲー初心者に勧めたくなる理由がよく分かりましたし、それでいてストーリーもなかなかに熱いものがありますと。

ただ私は結局どのヒロインが1番好きか決めきれなかったですね、全員が良すぎて。

最初の期待値が低かった分も込みで愛衣といってもいいかもですが、希も結構好きなんですよね。

そう思うと今回は特に年下キャラの層が厚かった気がします。

そういった意味でも個人的には主人公が大学生という点で目新しさがあり、このような高校以外の舞台での作品を他にもやってみたくなりました。

あと喫茶ステラの聖地って名古屋が中心なんですね。

この手の美少女ゲーを始めてから聖地巡礼に興味が出てきて、近くまで行く機会があればどこか見覚えのある聖地へ行ってみたいなあ、と思いつつまだ一度も実現できていません。

でも行ったことないところに行くという意味ではアウトドア趣味にも繋がって結構良いんじゃないかと思っています。

ただこれは美少女ゲー好きの考えなので、世間一般的には「気持ち悪い」で片づけられてしまうかもですが・・・

最後に余談。

栞那へのあたりはなぜか強いナツメ。

この二人の関係性好きなんですよね、お互いに遠慮をしないというか。

出会った事情を考えれば臆してもよさそうなんですけどしっかりと対等感が溢れてて。

バイト先がメインというだけあって、年齢を問わずヒロインたちが一堂に会する機会が多かったのも良かったのかもしれないですね。

そしてもう1点、今回もありました謎に美少女ゲーに存在する確率が高い数学のお勉強シーン。

ベクトルの勉強らしいのですが、愛衣が高校2年生という設定とちゃんと進度が合っていて、細かいところまで確認されてるんだなと妙に感心しました。

これで直近4作品を終えてしまって新作が出るまでたぶん待てないので、ゆずソフト成分を補給する意味でもサノバウィッチは折を見てプレイしてみようかと思います。

ちなみに今やると目線が変わってそうなので天使騒々の再走もやりたいなと思ったり。

新作はいつでるかなあ。

ではまた機会があれば。


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