設備設計一級建築士ってどんな資格?三和建設の専務に聞いてみた!(前編)
三和建設は設計施工に力を入れているゼネコンです。
そこで今回は、三和建設の専務取締役・設計本部長の谷さんに
設備設計一級建築士について教えていただきました!
それでは谷さん、よろしくお願いします!
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谷 直人
専務取締役
設計本部長
【取得資格】
一級建築士
構造設計一級建築士
1級建築施工管理技士
中小企業診断士
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一級建築士の中でもより専門分野に特化した資格として「構造設計一級建築士」と「設備設計一級建築士」というものがあります。
これらの資格は、2005年に発覚した「構造計算書偽造問題」を受けて、2006年12月の建築士法改正によって創設されました。当時は私も構造設計を生業としていたので、この事件を衝撃的に受け止めました。
建物の設計はいわゆる「意匠設計者」がメインとなって進めます。よって、設計業務を元請けする意匠設計事務所が、下請けに出している構造設計・設備設計の設計者として名を連ねることも珍しくありませんでした。
つまり、深い部分までは理解できていない構造設計・設備設計を外注しているにも関わらず、意匠設計者がすべての分野の設計者として公的な申請がなされていたのです。
そこで先程の「 構造計算書偽造問題」が発覚しました。事件の当事者であった構造設計者A氏は、元請の意匠設計事務所や事業主からのコストダウンに対する強烈なプレッシャーを受けながら、名もなき構造設計者として下請けの仕事をしていました。
そしてとうとう絶対にやってはいけないこと(偽造)に手を出してしまったのです。
この社会的事件を受けて、「専門性の高い分野は専門性の高い人が設計するべき」という考え方で構造設計一級建築士と設備設計一級建築士が創設されました。一定規模を超える建物では、構造設計一級建築士や設備設計一級建築士の関与が義務付けられています。つまりこれらの資格は業務独占資格ということです。
以上のような背景を踏まえて、後編では設備設計一級建築士の問題について述べます。