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設備設計一級建築士ってどんな資格?三和建設の専務に聞いてみた!(後編)

今回は三和建設の専務取締役・設計本部長の谷の設備設計一級建築士について(後編)です!前編はこちら↓

設備設計一級建築士ってどんな資格?三和建設の専務に聞いてみた!(前編)

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前編では設備設計一級建築士が創設された経緯をまとめました。今回は設備設計一級建築士の実情について述べます。

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階数3以上かつ床面積の合計5,000平方メートル超の建物については設備設計一級建築士の関与が義務付けられています。

ここで、設備設計一級建築士になるための道のりをご紹介します(免許登録の観点で)。

①建築系の大学を卒業 ⇒ 2年以上の実務経験 ⇒ 一級建築士取得 ⇒ 5年以上の実務経験 ⇒ 設備設計一級建築士取得(大学卒業後7年以上

②機械・電気系の大学を卒業 ⇒ 2年以上の実務経験 ⇒ 建築設備士取得 ⇒ 4年以上の実務経験 ⇒ 一級建築士取得 ⇒ 5年以上の実務経験 ⇒ 設備設計一級建築士取得(大学卒業後11年以上

上記の違いは、②の場合だと一級建築士を取得する前に建築設備士を取得し4年の実務経験を積む必要があるということです。なお、①②で示すような学校でなくても設備設計一級建築士になる道はありますが、さらに時間を要します

ここで大きな問題があります。世の中で活躍している設備設計者は必ずしも建築系の学校を卒業しているとは限らないということです。

むしろ、機械・電気系の学校で勉強した人の方が多いかもしれません。そして彼らの誰もが一級建築士を目指しているわけではないということです。したがって設備設計一級建築士が創設された際に、実務に長けた多くの設備設計者がこの資格を目指すことをあきらめました。

では、どのような人が設備設計一級建築士になっているのでしょうか?

答えは取りまとめ役として設備設計に関わってきた意匠設計者です。もちろん実務に長けた設備設計者がこの資格を取得しているケースもありますが、少なくとも私の知る範囲では意匠設計者が大半を占めます。

設備設計を構造設計と同列に扱うと制度設計上致し方無い面もありますが、資格制度と技術者の力量がうまくマッチしていないのが実情です。私見ですが、設備設計における高度な資格は、一級建築士の延長線上ではなく、建築設備士の延長線上に新設されるべきだったと思います。とはいえ、名実ともに設備設計のプロフェッショナルになるべく建築士を目指しているメンバーがわが社にはいるので、心より応援しています。

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