『アンダーカレント』『ほつれる』二本立てを観る。
※ネタバレありです。
午後からのバイトまで、午前中に二本立てを観に行く。
どちらも去年見逃した作品なので、しっかりと朝に起きて朝活映画鑑賞をしてきた。
『アンダーカレント』
駄目でした。今泉力哉の作品は好きなのもあるけど、これは僕にはきつかった。
失踪した夫(瑛太)と残された銭湯を切り盛りする妻(真木よう子)、そして突然真木よう子のもとへやってくる謎の男(井浦新)。
真木よう子には何か過去に辛いことがあったらしく、綺麗な映像で回想されている。しかもそれには井浦新も関係しているよう。
ずっと「分からない」という状況が続いて、ラストの長台詞のやり取りで回収される。
でも、瑛太が何故失踪したか、この根幹は最後まで分からない。
なんだろう、「分からない」ということに対して随分安直な気がする。
種明かしされるんだろうなと期待させて、最後に無理やりに答えを言った気がするんだよなあ。
「分からない」ならずっと分からないでいいんだけど、観客はずっと分かりそうで分からない。というのが続いて、ラスト急にこれが答えです。と言われてもピンとこない。
サスペンス的な構成になっている以上、1番重要な種明かしの部分が曖昧で、消化不良なのだ。
ただ、良かったところもある。
カフェの窓や、車の窓、銭湯の窓といった、窓が印象的。というか今泉力哉はいつも窓が印象に残る。
窓辺の席に座るシーンが多い気がするし。
探偵のリリーフランキーと真木よう子のやり取りも良い。少し笑えるようなやり取りが心地よくて、今泉節が出てる。
ただ、根幹の構成が生かしきれてない気がして、全体としてつまらなくなってしまった。
うーん。
『ほつれる』
加藤拓也の前作『わたし達はおとな』がめちゃくちゃ好きだし、門脇麦も好き。
好きな監督と好きな女優が組んだらおもろいの確定やん。と思って観た。
たぶん、僕が見落としているだけで緻密な何かがあるんだけど、一回観ただけでは分からず、、、でもこれは良い「分からない」だと思う。
まず思うのは、相変わらず回想の繋げ方が上手い。
前作もそうだったけど、ただの思い出のような過去の回想じゃなくて、現在の時間とリンクしている。
過去と現在が影響し合っているように見えて、より映画が広がって面白い。
前にTwitterでこんな投稿があった。
「現代人は未来が前、過去が後ろにあるのが常識だが、昔の人は過去が前で、未来が後ろにあった」
加藤拓也の視点はまさにこういう感じなんだろうな。
全て繋がっている。それこそ糸がもつれるみたいに、複雑に絡み合って。
台詞も、芝居も、映るもの全てが生々しく映る。とりわけ今作はスタンダードサイズのぶん窓から覗き見ているような感覚。
門脇麦の表情が素晴らしい。
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