東京失恋日記|10月16日
散歩の途中、教会へ行った。
一人で長い間座り、ぼんやりとしながら、光の移り変わりを眺めていた。
しばらくして、黒いワンピースの女性が来て、その後、白いシャツを着たおじいさんがやってきた。
皆、遠く離れて座り、十字架を見つめていた。
愛しているのに、許せない。
これは、人間の小ささと愚かさを証明するためなのだろうか?
教会の外、聖母マリアの像の隣には、満開のキンモクセイの木があった。
携帯の充電のため、教会の向かいにある、洋服店と併設されたカフェに入った。期待せずに注文した紅茶と栗のマフィンが、思いのほか美味しかった。
さらに歩き続けた。
通りがかった美容室で、ふと思い立って当日の空き状況を検索したら、予約が取れてしまった。店に入ると、その全体の雰囲気が自分とは少し合わないと感じたが、それでも髪を任せることにした。
美容師が言うことにすべて「はい」と答えた。
とにかく、今はショートカットになっている。
それでも、心臓はまだ何度も強く打ち付けられたように感じている。
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