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おかいこさんフェスティバルを終えて
「生きづらさ」を共有する仲間、「おかいこさん文化」を共創する仲間、大変多くの方々の共創によって「おかいこさんフェスティバル」を開催することができました。共同いただいた皆様には心より感謝申し上げます。
来場者数は集蔵で1700名、未来蔵で1000名を超えました(両方とも展示期間は9日間)。※グンゼ博物苑のカウントと若干異なります。
ご来場いただいた皆様にも心より感謝申し上げます。
蚕都Grantsの展示について
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養蚕遺産の展示とは別棟の「未来蔵」で「浮世絵展」と同居して展示させていただきました。グンゼ博物苑は「浮世絵」、蚕都Grantsは「デジタルアート」や、ギャラリーきりん舎のメンバーによる描き下ろしの「アール・ブリュット」を展示しました。同じ「養蚕」をテーマにした作品ではありますが、まさに「今と昔」をご覧いただけたかと思います。
1000名を超える方がご来場いただきました。
養蚕遺産の展示について
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蚕業遺産研究会のご協力によって、200点以上の道具や写真が公開されました。「稚蚕」(ちさん)から「まゆ」が生産されるまでの「養蚕」の工程を紹介し、1〜5齢のおかいこさんに触れていただき、桑摘み・給桑の体験もしていただきました。今回はグンゼ博物苑の桑畑も特別公開いただきました。
来場された方は、研究会の専門家スタッフにさまざまな質問をして学んでおられました。
障害当事者の方も展示期間中に何回も来場され、ずっと見入っておられる方もありました。
ワークショップについて
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お子さんからご年配の方々まで、年齢、性別、障害の有無にも関係なく多くの方にご参加いただきました。2日間会場に通って「まゆクラフト」を丁寧に作り上げる方もおられました。「糸くり」や「真綿かけ」でも「ものづくり」の時間を共有できるだけではなく、普段見かけることのない「生産」の過程を五感をフルに使って経験していただけたと思います。また、今回はグンゼ博物苑の桑の苑が一般公開されて、そこで桑摘みをして生きている蚕に給桑をする体験もあり大変好評でした。
講演について
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まず、動画配信がうまくできなかったことが大反省点です。ぼくの講演は撮り直しを検討中、吉田さんの講演は動画編集中となっております。ご覧になってくださった方々には大変ご迷惑をおかけいたしました。
吉田さんとぼくの講演で共通するテーマは「養蚕のもつ可能性」でした。
ぼくは「精神・発達障害」、吉田さんはより包括的な「地域」という切り口で「おかいこさん」を語ることができたと思います。ぼくの講演には、当事者や福祉支援者、行政の方、企業の方が多かったようです。
感想:おかいこさんの可能性
今回のフェスで狙ったことは、蚕都Grantsとグンゼ博物苑と蚕業遺産研究会の活動周知と文化の復興の可能性を探ることでした。
ぼくらの活動分野でいえば、養蚕文化の再考から「精神障害の社会的障壁が解消された新しい社会の仕組みをつくる」ための素材や発展性を探ることが目的でした。
作り出せる「余白」と「人」という地域資源
蚕業遺産の展示や歴史の学習を通じて、おかいこさんの求心力は、養蚕に直接関わる第一次産業や製造などの第二次的なもの、医療や福祉、観光といった第三次産業にまで及んでぶことがわかりました。さまざまな住民の方や専門家の方が来場されてお話をしていると、第七次産業まであらゆる属性に限定せず多様な方々が関われる「余白」を生み出す可能性にたくさん気づくことができました。端的にいえば「雇用機会」を生み出すことができると確信しています。
となれば、次なる課題は多様な住民や多業種間での具体的な計画の実行です。
私的にとても重要だと思ったことは、第六次産業の概念にも重要な要素として含まれる「地域資源」と「地産地消」に「人」が含まれると気づけたことです。
今回のフェスの展示を通じて、養蚕にまつわる記憶がご高齢の方々がお持ちであるということがはっきりとわかりました。道具の使い方や仕組みに関する直接的な記憶もあれば、養蚕による共同体内の「人と人のつながり」の記憶も語られ、多くの情報を掘り起こすことができました。また、綾部市はグンゼ創業者の波多野鶴吉氏が当時の資本主義的経営をベースに「地域の共存共栄」を実現した街でもあります。そういった養蚕にまつわる「経験」や「記憶」を持つ人々は、例えばSDGsの観点で評価しても貴重な資源でもあり、今後必ず必要とされることと思います。この街にしか持ちえない地域資源が「人」に宿っているということは持続可能でもあると言えそうな気がします。
後援について
今回のフェスには、綾部市、教育、文化、福祉、新聞社、ラジオ局など多様な機関からのご後援をいただきました。綾部市からのご後援は障害者支援課を窓口にして依頼させていただきました。
実は、チラシやポスターには「障害」や「福祉」という単語は使っておらず、前例のないイベントの後援依頼の起案にお困りになられたと思います。しかし、ご担当者様は「これを当事者団体が主催していることに意味がある」と言って、ぼくらの活動理念や課題意識を共有して後援依頼を通してくださいました。
そのことは展示や講演でお伝えすることはありませんでしたが、実は見えないところにも「挑戦」があったと思います。見えるもの、見えないもの、小さいもの、大きいもの、多様な方々の挑戦が、小さな田舎町の小さな「おかいこさんフェス」という小さなブームに繋がったと思いたいものです。
おかいこさんってみんな実は結構気になってんの??流行ってんの?流行れるん??可能性ありまくるやん!って会場で増え続けるカウンターの来場者数みて思ってました。
これをブームで終わらせず、ムーブメントを起こす小さな力としてこれからも頑張っていきたいと思っています。
当事者の活躍について
虫や植物への関心がかなり高いメンバーが「接客」をしはじめたことには驚きました。少し席を外して戻ると、来場された方におかいこさんの説明をして、触ってもいいですよ、かわいいですよねと言って交流していました。今まで職場や学校等では「擬態」して帰宅後にひどい抑うつ状態に陥ってきた経緯があるので、無理して過剰適応していないか度々確認していたのですが問題なかったようです。そのことが良いとも悪いともぼくが言うことではありませんし、そのメンバーができたから当事者がみんなできるなんてことは微塵も考えません。ただただ、メンバーの「関心」が「社会」と想定外のつながり方をしたことには驚きました。意外な面を見ることができたことはよかったなと思います。他にも見えないところで多くの当事者がフェスの企画に携わってくださいました。お客さんとして来場された方とも連絡先を交換しすでに蚕都Grantsでの交流が始まっています。
反省点
・動画の配信
・スタッフの配置や役割分担
・感謝を伝える
がうまくできなかったなと思っています。
いや、もっと反省するところあるやろと叱られそうな気もしますが、今回は第一回目で実験的な企画としては十分よくやったと思います。
次回は可能な範囲で当事者仲間も参加できる部分もつくりたいなと思います。
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