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マックフルーリーを食べながら思ったこと——知らないうちに体に入るプラスチックの話
「私たちは毎週、クレジットカード1枚分のプラスチックを摂取している」
WWF(世界自然保護基金)の報告「No Plastic in Nature (2019)」によると、私たちは1週間で約5グラムのプラスチックを摂取している可能性があるといいます。
これはクレジットカード1枚分に相当する量です。
さらに、最近の研究では、血液や胎盤の中からもマイクロプラスチックが検出されたとの報告があります。
つまり、プラスチックは食べ物や飲み水、さらには呼吸を通じて、私たちの体内に知らぬ間に入り込んでいるのです。
実はこの話、以前から耳にしていました。
しかし、改めて深堀しようと思ったきっかけは、マクドナルドでマックフルーリーを注文したときです。
ふと見ると、
カップのフタがなくなり
スプーンが木製に
ストローも紙製
マックフルーリーの変更はあまり気になりませんでしたが、紙ストローは「やはり飲みづらいな」と毎回感じてしまいます。
それでもマクドナルドをはじめ、多くの企業がプラスチック削減に本格的です。
どうやら単純な環境問題にとどまらず、「人体への影響」のほうがむしろ深刻かもしれないという話にたどり着きました。
もし、普段何気なく使っているプラスチックが、知らぬ間に私たちの体の中に蓄積していたら――今回は、「マイクロプラスチック」のお話です。
■そもそも、マイクロプラスチックって?
✅マイクロプラスチックとは
直径5mm以下の微細なプラスチックのこと
これには2種類あります。
一次マイクロプラスチック:最初から小さく作られたもの(洗顔料・歯磨き粉のスクラブ剤など)
二次マイクロプラスチック:ペットボトルやレジ袋が劣化して粉々になったもの
私たちの身の回りのプラスチックは、時間が経つにつれ目に見えないほど細かくなり、自然や体内に入り込むのです。
■どうやって体の中に入るのか?
「いやいや、プラスチックなんて食べてないし!」と思うかもしれません。
しかし、私たちは知らぬ間にプラスチックを摂取しているのです。
① 食べ物・飲み物から摂取する
ペットボトルの水:1リットルあたり平均325個の微細プラスチック
塩・魚介類・果物:海や農作物に付着
ビール:麦芽の加工過程で混入
② 空気中のチリから吸い込む
目に見えないレベルのプラスチックが空気中を漂い、呼吸と一緒に吸い込んでいる。
③ 衣類の摩擦で流出
ポリエステルやナイロンの服を洗濯すると、繊維が水中に流出。
水道水として入り込んだり、食物連鎖で私たちの食事に含まれる。
■体内に入るとどうなるの?
「でも、食べても対外に排出されるんじゃない?」
そう思いたいですが、すべてが排出されるとは限りません。
現在、マイクロプラスチックの影響は研究段階ですが、次のような健康リスクが指摘されています。
① 血液や臓器にまで侵入→血流に乗って心臓や脳に届く可能性がある
2022年、オランダの研究で人間の血液中にマイクロプラスチックが検出
ラット実験では、脳に蓄積し神経炎症を引き起こすことが確認された
② ホルモンバランスを乱す→生殖機能の低下やがんのリスク増加が指摘されている
プラスチックに含まれるビスフェノールA(BPA)やフタル酸エステルが、ホルモンに影響を与える可能性
③ 胎児の発育への影響が指摘されている
2024年の研究では、すべての胎盤からマイクロプラスチックが検出
■プラスチック削減の取り組みは本当に効果がある?
企業のプラスチック削減の動きは進んでいますが、それだけで解決できるのでしょうか?
例えば、レジ袋の有料化。
「プラスチック削減の第一歩」として導入されましたが、ゴミ袋として購入する人が増え、期待されたほどの効果は見られなかったとも言われています。
これは、プラスチックが生活に深く根付いていることの証明でもあります。
■あなたがマイクロプラスチックを摂取しない方法を考える
✅ 今日からできる対策をいくつか紹介します!
1. 飲み物の容器を変える
✅ ペットボトルの水ではなく、浄水器を使う
✅ マイボトルを活用し、プラスチック容器を減らす
2. 食品の扱い方を工夫する
✅ プラスチック容器の電子レンジ加熱を避ける(加熱でBPAが溶け出す)
✅ 缶詰よりもガラス瓶や紙パックを選ぶ
3. 衣類や日用品を見直す
✅ ポリエステルやナイロンの服の洗濯時はフィルターを活用する
✅ 使い捨てプラスチック製品の使用を減らす
■結論:知らないうちに取り込んでいる、だからこそ意識する
プラスチックは環境だけでなく、私たちの健康にも影響を与える可能性があります。
「完全に避けるのは難しいけど、少しずつ減らすこと――これが、今できる健康を守るための第一歩です。
あなたも今日から 「マイクロプラスチックを減らす行動」 を始めてみませんか?
■このnoteについて
このnoteでは、入ってきた時事ネタをメインに取り上げ、中立性を重視しながら、『これからの社会を生きるための考え方』を執筆者(さんとー)の経験をもとに発信して参ります。
毎週金曜日の夜に投稿予定です。(次回予定日:2月14日)
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