論証集を使うべきか・どう使うか
こんにちは、○ナオです。今回の記事では論証集を使うべきか・使うとすればどう使うかという点について解説したいと思います。
(2024年8月更新)
■論証集を使うべきか
結論から言うと、論証集は使うべきです。
なぜかというと、司法試験が相対評価の試験であり、受験生の多くが論証集を利用しているからです。
そして、多くの受験生は論証集を司法試験の試験を受験する上での知識のベースラインとしての役割を見出しています。そして、実際に論証集に書かれていることは知識のベースラインとして機能しています。
したがって、論証集に書かれていることを理解していれば、論文試験の知識のベースラインに到達していると言えるのです。
■論証集をどう使うか
では、論証集を使うべきとしてどのように使うべきかについて解説します。
▷どの論証集を使うべきか
予備校に通っていて予備校で指定された論証集があればそちらを利用してください。
特にそれが無いようでしたらアガルート市販の論証集をオススメします。
理由は、①クオリティが高い、②重要度ランクが書いてある、③入手しやすい、④シェアが高いなどが挙げられます。
①「クオリティが高い」について、アガルート代表の工藤北斗講師がご自身で書いていると思われます。工藤講師自身、講師歴が長く実力もありますし、他の予備校はバイトに論証集を書かせて講師が授業中に修正するというものもあります。それに比べれば圧倒的にクオリティが高いと言えます。
②重要度ランクが書いてある、について、Aランク論点だけ覚えとけば他のBランク論点は知っていれば十分合格可能です。このAとかBが初めから書いてあるというのが非常に親切でありがたいです。
③入手しやすい・④シェアが高いについて、他の予備校は他の講座とセットで高額の料金を出さないと論証集さえ手に入らないことがありますが、アガルート論証集は本屋さんに普通に売ってます。値段もそんなに高く無いと思います。また、入手しやすいがゆえに非常にシェアが高いです。私がR3予備試験論文を受験したときも市販のアガルート論証集を利用している人が顕著に多かった印象があります。しかも、合格率の高い若い受験生に利用者が多かった印象が強いです。繰り返しになりますが、司法試験は相対評価の試験なのでシェアが高いことは非常に大切です。
以上の理由からアガルート論証集をオススメします。
(アガルートHPから買える講座に付属している論証集もありますが、市販のと内容は変わらないので市販で十分だと思います。むしろ紙質が市販の方が良かったり、刑法に構成要件集が付いてたり、市販の方がいいところも結構あります)
※2024年8月現在、市販の改訂がなされていないので、新しい物が欲しい人は、アガルートHPから講義付きのものを購入することをお勧めします。(もっとも、旧版でも致命的にはなりにくいかと。)
憲法・行政法に関しては、改訂予定なのか在庫がないようです。
◾️論証集の使い方
①いきなり全部覚えようとしない
論証集を使う上でまず注意すべきことは、論証集に書いてある論証パターンを全部覚えようとしない、ということです。
覚えようとしてもとても難しいです。まず、司法試験に断念する人の多くが、初期から暗記を押し付けられることで挫折しています。丸暗記は効果も薄いのでやめておきましょう。
②Aランク論点を重点的に強化する。
論証集を使うときはAランク論点を徹底的に、重点的に潰してください。
基本的に、論文式試験ではAランク論点からほとんど出ます。これは予備校の先生のほとんどの方が認められることだと思います。Bランク論点はあんまり出ませんし、Cランク論点は基本的に出ないと言ってもいいでしょう。出てもしっかり書ける人はあんまりおらず合否にそこまで影響しないのでそこまで気にする必要はないです。
BCランク論点は余裕があるときに読むぐらいにとどめておくなど、メリハリをつけて勉強してください。
ちなみに、BランクやCランクとなっていても予備試験や本試験の過去問で出題されている場合は再出題の可能性があるし、他の受験生も書けるのでAランクと扱った方がいいと思います。
③キーワードから覚える
論証を覚えるときはキーワードから覚えましょう。
これには2つの理由があります。
まず1つ目は、①採点者はキーワードが入っているかどうかを見ています。
逆に言えば、規範定立の論証部分はそこまでちゃんと読んでいません。採点者も忙しい中、タイムリミットがある中で大量の答案を読んでいるわけですし、キーワードが入ってるかどうかが重要な指標となっているからです。
2つ目は②キーワードさえ覚えていれば文章も書けるからです。
人間の頭は実は結構優秀なので、足りないところは勝手に補ってくれます。キーワードさえ覚えていれば適切な間の文章を脳が勝手に埋めてくれることがよくあります。
以上の理由からキーワードを覚えることから始めるのが適切です。
④論証集に頼りすぎない
最後は、論証集に頼りすぎないということです。
たまに、基本書や講義で理解できてないところを論証集だけ見て理解しようとする人がいます(かつての私もそうでした)。
もちろん、論証集だけを読んで理解できることもありますが、基本的には背景知識がない場合は理解出来ないことが多いです。基本書等を読んでその論点についてある程度理解してから論証集を使った方が効率がいいので、論証集に頼るのはオススメしません。
論証集はあくまで答案を書く上での補助教材に過ぎないということですね。
(論証集が理解にも多少は資することを否定する趣旨ではありません)
以上です。この記事が読者の方の学習の一助になれば幸いです。
◼️公式LINEのお知らせ
公式LINEでは、限定コンテンツ「司法試験学」の情報提供を行なっています。ご登録お願いします!