学習塾ニチガクの破産:その背景と考えられる対応策
受験直前の破産が与えた衝撃
新宿で40年以上にわたり多くの生徒を志望校へ導いてきた老舗塾「ニチガク」が、突然教室を閉鎖しました。「こんな大事な時期に!」と驚いた方も多いでしょうし、私自身も衝撃を受けました。特に受験直前というタイミングだけに、生徒や保護者にとって大きな不安と混乱を招いたことは想像に難くありません。長年にわたり信頼されてきた塾だけに、このニュースが教育業界に与えた影響は計り知れません。
ニチガクの歴史と特徴
ニチガクは1983年に設立され、東京都新宿区を拠点に少人数制の指導体制を特徴として活動してきました。「新宿で40年の歴史ある指導」をモットーに掲げ、生徒一人ひとりに寄り添うスタイルが評価されていました。
2023年の合格実績(出典:Yahoo!ニュース)によると、全165人中155人が志望校に合格し、東大合格者も9人を数えるなど、実績はトップクラスでした。ただ、少人数制という方針が仇となったのか、生徒数の減少が経営を圧迫した可能性があります。
なぜ破産に至ったのか?
「こんな実績があっても倒産しちゃうの?」と思うかもしれませんが、やはり経営の世界は甘くありません。その理由として考えられるのが以下の点です:
1. 資金繰りの悪化
上場企業ではなく決算書が公開されていないため、確実なことはわかりませんが、生徒数の減少や競争激化が影響したのではないでしょうか。教育業界はトラックや不動産のような換金できる資産が少なく、資金繰りが厳しい中では運営を続けるのが難しい状況だったと推測されます。銀行に相談はしていた可能性もありますが、再建の道筋を示すことができなかったのかもしれません。
2. 競争優位性の欠如
ニチガクは少人数制を採用していましたが、競合他社との差別化が十分でなかった可能性があります。たとえば【武田塾】のように、生徒が持参した教材を使って"伴奏型"の指導を行うなど、ユニークな手法を打ち出している塾もあります。このような独自性がなかった点が課題だったのではないかと考えられます。
取るべきだった対応策
1. 差別化戦略の強化
競合塾との差別化を図ることがカギだったかもしれません。たとえば、ニチガクの特徴である少人数制をさらに強調したり、オンライン学習を導入して新たな生徒層を取り込むこともできたでしょう。
2. M&Aの検討
もし早い段階でM&Aを検討していれば、負債を買い手に肩代わりしてもらい、事業を継続できた可能性があります。もちろん売却価格が1円になるようなケースもありますが、生徒や保護者への影響を最小限に抑えるためには、このような方法も有効だったかもしれません。
まとめ
「新宿で40年」の歴史を持つニチガクが破産に至った背景には、教育業界の厳しい競争環境や、資金繰りの難しさがあったと考えられます。
ただ、このニュースは教育業界全体にとって重要な教訓でもあります。差別化戦略の強化や、M&Aといった柔軟な対応策を検討することで、事業継続の可能性を広げることができたのかもしれません。この事例から得られる学びを、他の塾や教育機関が生かしていくことを期待します。
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