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書評「TwitterからXへ 世界から青い鳥が消えた日」★3
2023年7月下旬、イーロン・マスクは正式にツイッターにとどめを刺した。
ツイッターを象徴する鳥のロゴはアプリストアから削除され、サンフランシスコのオフィス内の壁からも取り除かれた。
鳥が姿を消した穴を埋めるのにマスクが必要としたのは、
たった一文字「X」だった。
僕個人として、シリコンバレーを中心としたテック企業のあれこれについて書かれた本が好きだ。
本書はTwitterとイーロン・マスクとの関係を中心に描かれている。
出版されたのは2024年11月だが、本書ではまだイーロン・マスクがXにそのサービス名を変更する前の話であるため、
あえてTwitterという名称で書いていく。
まず本書の評価だが、非常に話が助長であるため退屈な部分が多かった。
かなり細かい話まで書かれており、実際のツイッターの内部の動きを知るにはとても良いが、
全体的にワクワクさにかけるものだった。
(ツイッターが発展していく過程よりも、衰退に着目しているためやむを得ないとも言えるが。。)
イーロン・マスクといえば言わずとしれた大富豪だ。
テスラ(電気自動車)やスペースX(ロケットや宇宙船開発)のCEOを務める傍ら、
”趣味みたいなもん”のボーリングカンパニー(都市の交通渋滞を緩和するために地下に大規模なトンネルを掘り高速長距離移動を可能にする)やソーラーシティ(ソーラーパネルやソーラールーフの開発)も保有する。
更には最近話題のOpenAIの創立メンバーでもある。
では、そんなイーロン・マスクがTwitterを買収したことは知っているだろうか。
ここ最近でTwitterからXへと名称が変わったことは周知の事実であるが、
そこに彼が関わっていることを知っている人は意外と少ないのではないかと思う。
ーー
Twitterはエブリシングアプリになっていくのだろうか。
これが今後の動きの最大注目点だろう。
エブリシングアプリとは、
つまりプラットフォームのようなアプリケーションであり、
そのアプリひとつあれば日常的な連絡(LINEのような)から買い物(AMAZONのような)、保険や娯楽まで可能なものである。
エブリシングアプリの中で有名どころは、テンセントのWeChatだ。
テンセントは中国のような一国の中で大帝国を築いているが、
多国にわたるエブリシングアプリを作ることはかなり難易度が高いだろう。
なかなか今のTwitterがそこまでのメガプラットフォームになるとは考えにくい。
僕個人の意見としては、Twitterがかねてから願っていた、あくまで言論の自由を尊重したソーシャルネットにとどまるのも良いと思う。
せっかく非上場化したのだ。
口うるさく言うウォール街の投資家や株主はいない。
そしてイーロン・マスクには無尽蔵の資金がある。
(2024年1月現在、総資産は60兆円を超える。)
Twitterのアルゴリズムは明らかに買収後変化したとは感じるが、
それでも、今地震や事件が起きると、ニュースよりも先にTwitterを開けば、”それなりに”確かな情報を得ることが出来る。
人と人の出会いや思わぬミラクルが起きるのもツイッターの面白いところである。
今後、どのような変化が起きていくのか。ツイッターが私達の生活にどのように関わっていくのか。
楽しみである。
本書で取り上げられているツイッターを始め、自分が普段使っているサービスを、
どのような会社が、どんな変遷を経て運営しているのかを知るのはとても面白い。
他の企業についても、背景や歴史を学んでみたいと思えるきっかけとなった一冊であった。
ではまた。