
宮崎県知事は辞職して統一地方選で出直し選挙を
このタイトルだけではよくわからないと思いますので、今、宮崎県に起きている事態を簡単に時系列で説明したいと思います。
河野俊嗣宮崎県知事が12月31日に大祓。1月1日に初詣。
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1月1日午後9:20、宮崎県秘書広報課から宮崎日日新聞(以下「宮日」とする)に「知事の動き」の内容を送信。
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1月2日、知事が発熱。簡易検査キットで新型コロナウイルス陽性反応。
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1月2日午後5時過ぎ、宮崎県秘書広報課が宮日へ「知事がコロナに感染したので、変更したい」と電話
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1月2日午後5時24分頃、宮崎県秘書広報課が宮崎日日新聞へ、1月1日の知事の動きを「終日 校舎などで過ごす」と変更要請。
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同日、マスコミ各社に「1月1日は公舎などで過ごす」とプレスリリースを初出。知事本人はFacebookページでこのプレスリリースに沿った内容を投稿。
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宮日は県からの変更要請を拒否。
知事のFacebookページが修正され「初詣」の記述が突然現れる。
本件については知事が新型コロナウイルスに感染したかどうかの話はどうでもいいです。
問題は宮崎県秘書広報課が、知事の新型コロナウイルス感染に関連して、すでに宮日に送信していた「知事の動き」の中にある「初詣」の記載を「終日 公舎などで過ごす」という虚偽の事実に変更要請したことです。
さらに県が初出したマスコミ各社向けのプレスリリースでも「初詣」に行っているにもかかわらず「終日 公舎などで過ごす」という虚偽の事実を発表しました。
これを補完する形で、知事は「河野しゅんじFacebookページ」で29日から新型コロナウイルス感染に至るまでの経緯を投稿。
しかし、その後、宮日から変更修正を拒否されたことを受け、そのFacebookページに「初詣」の記載が突然現れます。
これらのことから宮崎県民や有権者から知事の情報隠蔽を問われており、8日(日)11:30の記者会見になった次第です。
河野俊嗣宮崎県知事の弁明
1月8日(日)11:30の記者会見において、冒頭、河野知事はコロナ感染から情報提供についての説明をされました。このエントリーではコロナ感染の経緯は省き、情報操作の部分のみに絞ってお伝えします。
知事の会見動画は下記の通りです。
知事の説明の要約は以下の通りです。
・(宮日への情報内容修正の)考え方については、職員の方から、初詣自体が、知事の職務にかかわるものではない、私的な行動であることに加え、その過程で濃厚接触にあたる行為などがなかったことを踏まえ、県民に無用の不安を与えるのはいかがなものかという判断によるものだった。
・知事本人も事前に相談を受けていた、はっきりそこで否定をしなかったのが大いに反省をすべき点だった。
・知事本人がコロナに感染していたであろう時期の行為であったため、別の次元の必要性、情報提供の必要性というのをここで判断すべきであったと深く反省している。
・マスコミ各社に対しまして1月2日にコロナ感染に関して発出したプレスリリースでは、1月1日の私の行動履歴を「公舎などで過ごす」と記載をし、宮崎神宮等初詣についての記載はせずに発出をした。これについても明確に記載をすべきだとハッキリ指示をすべきであったと深く反省をしている。
・Facebookページでの投稿は、プレスリリースに合わせる観点から、初詣の記述を書かないでの投稿を行った。
・宮日さんから情報の修正はできないという回答を受けて、やはりそこはしっかり書いておくべきであったという反省のもと、その時点で、私が初詣、31日の大祓式についても追加の記述を行った。
この内容を受け、記者との質疑応答が始まりました。
全部の記者のやりとりを書いていたら文字数がとても足らないので、今回は自分が問題にしている点(情報隠蔽)のみを絞って扱います。
「知事の動き」の情報修正依頼について
宮日は「知事の動き」として毎日、宮日に掲載しているらしいです。これは宮崎県秘書広報課が窓口となっており、その日のうちに宮日さんに提供し翌日の新聞に掲載する流れになっているとのこと。
なお、宮日の記者さんによれば「知事の動き」に関して事実内容の修正、訂正等はこれまでもあったとのことですが、今回は「あったものをなかったことにする」依頼だったので、修正は受け付けなかったとのことでした。
これは報道機関としては公権力に屈しない態度を表明したことであり、なおかつそれを記事にして報道したことは、新聞社の矜持を見せたことであり、日本中から喝采が送られております。
会見によれば、この修正依頼は秘書広報課の担当が知事に「差し替えが可能なら修正をお願いしましょうか」という打診から始まったそうです。
ただ、知事本人はこのことについては「どうなのかな?」という疑問を返しており、了解はしていませんでした。
しかしこの後、マスコミ各社に知事のコロナ感染に関して発出するプレスリリースの確認の際に「終日、公舎などで過ごす」と書かれており、これを知事が「了解しました」と返信をしています。
これは、知事は職員から提案された虚偽の事実をプレスリリースとして発出することに了解をしたことになります。
果たして、これは情報の隠蔽にあたらないのでしょうか?
河野しゅんじFacebookページの記述について
前述のマスコミ向けプレスリリースと内容を合わせる形で、知事は知事個人のFacebookページに、1月2日18時42分、年末年始の動向を書いた投稿をおこなっています。そこには1月1日の動向として「1/1 公舎などで過ごす」という記載しかありませんでした。
ところが同日、18:58に突如「14時頃、宮崎神宮及び宮崎県護国神社に初詣」という記述が追加されます。
これは、会見で宮日の修正変更依頼を拒否されたことを受けて、記述を追加したと知事本人が言っています。
(宮日記者)Facebookの投稿についてお聞きします。18:00ぐらいに訂正には応じられないという連絡を差し上げました。で、知事は最初の18:42の投稿を修正されていましたよね?それで、Facebookページの修正を行われた、ということでいいですか?
(知事)先程申し上げた通りであります。その「初詣」等の記述をつけたのは、その(宮日の)反応を受けて、ということであります。自分なりに反省をしながら、なんとかお伝えをしなければと思いがありました。
Facebookページの修正の情報隠蔽疑惑
このFacebookページの情報修正について、会見上で一人の記者が鋭いツッコミをしていました。その部分を文字起こししましたので列記します。
(記者)確認ですが、宮日さんから修正ができないということを知って、3日付の朝刊に初詣の記載があるということを分かった上で、修正したということでしょうか?
(知事)いえいえ。2日の夜の時点で書き加えています。
(記者)でもそれは2日の時点でわかろうと思えばわかりますよね。
(知事)はい。
(記者)で、それを踏まえた上での、Facebookの修正なんですか?
(知事)そこは掲載されるされない関係なく、適切にお伝えしなければならなかったという深い反省を感じた次第です。
(記者)それはどうしてでしょうか?
(知事)どうしてというと……
(記者)要はですよ、宮日さんが断りをいれてきたことはご存じだったわけですよね。
(知事)はい
(記者)そん後にFacebookの修正をおこなっていらっしゃるわけですよね。それはなぜかということです。
(知事)それは報道機関の情報提供のあり方について、先程、宮日さんからご指摘がありましたように、そういった事実というものを修正するというものはあってはならない。しっかりと起こったことを正確にお伝えしなければいけないというところ、改めてこのやりとりの中で、反省として受け止めたということになります。
(記者)ということは、宮日さんが断ったから、Facebookの修正をおこなったということですかね?
(知事)はい。その後に私は修正をしております。
(記者)そうですよね。ということは宮日さんが断りをいれなければ、そのままだったという可能性もあるということですよね。
(知事)はい。まぁ、プレスリリースがそのようになっておりましたので、そこまでの記述はしていなかったと考えております。
(記者)ということは、今後、県民の信頼回復を仰っておりますけども、いわゆる報道系のプレス発表だけじゃなくて、Facebook等を確認している方々もひょっとしたら改竄修正、あるんじゃないかという、何かが隠されてるんじゃないかというのを前提に、見たほうがいいということですかね?
(知事)あの……
(記者)Facebookは宮日さんが言うまでは、断るまでは、修正してなかったんですよね?
(知事)……はい。まぁ、プレスリリースと合わせていたということになります。
(記者)そうですよね。
(知事)はい。それはもともとのその判断が、誤っていたという反省をしたということになります。従いまして、今後、物事の重大性を踏まえて、しっかりとした透明化を図っていかねばならないという改めて強く反省をし、公的な発表はそうであります。それからFacebookでの発信というものを公的なものとしっかり役割分担をしていく必要があるということを感じております。
(記者)それはもう非常に良くわかるんですけども、2日の日に、宮日さんの断りの後に、修正したとFacebookを。となったら、どう考えても、宮日さんに3日付で掲載されるからヤバい。だからFacebookだけでも訂正しとこうと、本当のことを書いとこうという行動に、でられると思われてもしょうがないんじゃないですかね?
(知事)あの….そのような厳しいご指摘もしっかり受け止めようかと考えております。あの、先ほども申し上げた通り、元々の原稿では用意していた部分はありますが、ま、それも言い訳になります。はい。あくまでも発表のあり方について、改めて反省をしております。
(記者)わかりました。
この記者さんがどこの新聞社の方かは会見動画からはわからなかったわけですが、まさに私が知りたいことを直球でぶつけてくれました。
上の引用抜粋を見ていただいたらわかる通り、その最後の質問に対して、知事は抗弁できていません。言い訳のオンパレードです。
それはこの一連の行為が情報隠蔽のために行われたのではないかという疑惑を深めるだけにしかなりませんでした。
河野俊嗣宮崎県知事がなすべきこと
河野知事は本件について「自ら処分を下す」という奇妙な宣言をおこなっています。
これはどういうことかというと本件については、是が非でも辞職はしないという表れです。
本件、経緯はどうあれ、結果的に情報隠蔽に繋がったことを露呈させてしまいました。
河野知事は今後4年間、宮崎県知事の地位にあります。すなわち今後4年間、県民は彼の発信する情報、公的、私的を含め、懐疑的に思わねばならないということです。
さらに先の宮崎県知事選挙で河野知事は得票率50%で当選しました。投票した有権者の半数は河野知事にNOをつきつけました。
そんな人が情報公開、情報提供において、隠蔽を疑われるようなことをしでかして、宮崎県の有権者の皆様は納得するのでしょうか?
河野知事は会見で「反省」という言葉を数多く使いました。私は反省というのはただの自己満足としか思えません。政治家なら有権者へのパフォーマンスです。なぜか、公職の地位にありつづけられるなら、人はなんとでも口から出まかせ言えるからです。
本当に反省しているならば、首長という地位の進退をを県議会に預け、議会の決定に従うのが、本当の民意なのではないでしょうか?
また宮崎県議会議員の皆さんの多くは、今回の河野知事の一連の行為について黙秘権を貫いていらっしゃいます。
それは知事の行為に賛同という意味にしか有権者には映りません。
「黙ってればわからんちゃが」は通じません。
有権者はそこまで馬鹿じゃない。
幸い今年(2023年)4月は統一地方選挙です。
河野知事は自分の処分内容を考える時間があったら、県議会に進退を預けるるなり、自ら宮崎県知事を辞職して、統一地方選に合わせてもう一度県知事選挙をやるなり、という行動を取るべきだと思います。
有権者の審判を再度受けて、晴れて名実ともに、後ろ暗いところのない宮崎県知事となれるのではないでしょうか。
河野知事の英断を期待したいと思います。