SanTaK

素粒子実験の研究者。 26歳で脱サラして受験勉強を始め、29歳でやっとこさ大学1年生。…

SanTaK

素粒子実験の研究者。 26歳で脱サラして受験勉強を始め、29歳でやっとこさ大学1年生。 研究が面白くて博士課程まで進んだものの、これまた苦労して卒業。 運良くポストが見つかり、学術研究の職に就くことができました。 物理の話より趣味の写真やカメラの投稿が増えていくかもしれません。

最近の記事

庭に行って「1」を拾って来いと教授が言った

学部の一年生の時、線形代数の授業で不覚にも(?)感銘を受けてしまったのがこの言葉です。当時の私は虚数単位というものに言いようのない違和感を感じていました。「二乗すると負になる数として虚数単位なるものが必要となりました。でもそういう数を理屈の上で考えたというだけでそんなものは存在しないのでは。」と。線形代数の担当教員だった教授は非常に教育的な方でした。私のような凡人に上で述べたような疑問を投げつけられることに慣れていたのでしょう。 「複素数が存在しないというのなら、君、庭に行

    • 理解と言語化

      数学は暗記科目か 「これは予備校や塾の講師がしばしば口にするトピックです。多くの数学の先生は「数学を暗記科目として勉強するとすぐに限界がくる。論理的に考えられるように、解法を暗記するのはやめましょう。」と言います。 私は受験生の時、この考え方の信奉者でした。今でもそうかもしれません。「自分は論理的思考に基づいて、深く理解しているんだっ」と自負していました。実際、色々な公式を丸暗記するのは大変なので、導出方法を覚えるようにしていました。 自分が教える立場になって 以前、

      • ブーツで気分が上がった

        最近のお気に入りがレッドウィングのブーツです。 スタイルNo.9060、ベックマンフラットボックス。 大人気で入手困難なのですが、直営店に行ってみたところ偶然マイサイズがすんなりと手に入りました。どうもキャンセルがあったようで、本当に運がよかったです。 今日、この靴を履いています。 靴音がとても心地よくて、仕事場に着くまでに沈んでいた気分がだいぶ上向いてきました。 お気に入りの靴を履くだけで気分が上がるなんて、不思議なものです。 私は全くおしゃれな人間ではないし、全身の

        • もし、人生が残り一年だったら

          もし、人生が残り一年だったら、何をしますか?この問いをまさに現実のものとして考えている方もいらっしゃるかもしれません。今のところ私にとってはあくまで仮定として考えてみたという話です。 今、私は博士号を取ろうと必死でもがいています。余命一年だったら、この目標を投げ出すのでしょうか。 博士号はゴールじゃない 大学に入るのがゴールじゃないとしばしば言われますが、博士号取得も同じです。私の分野では研究職に残るための免許証くらいの価値しかありません。大卒の学歴は給料に反映されます

        庭に行って「1」を拾って来いと教授が言った

          休むというタスク

          今日はお休み 今日は平日でしたが、研究室に行くのをやめました。 ただし、少しだけ作業をしなくてはならなかったので、午前中は大学図書館(ネット環境がある)に行き、昼過ぎから散歩をしました。 やらないといけない仕事があるときは、休むのは勇気のいる事でもあります。実際、土日も研究室に行って何らかの作業をしていることが多いです。 しかし、これで本当に生産性は高まっているのでしょうか? プレッシャーから逃げる為の出勤 少し前から気付いてはいました。私は仕事をしに行っているのでは

          休むというタスク

          苦手を克服した先に見えたもの

          プログラミングが大嫌いでした。 私の研究分野ではプログラミングスキルが不可欠です。ところが研究室に配属されたとき、私はプログラミングどころかパソコンが苦手でした。パワポは授業で何度か使ったな、エクセルの数式は意味不明。そんな状況でした。 研究テーマをあてがわれて、「まずはこれをやってみて。このプログラムを書き換えるところからスタートすればいいよ。」と指導教員に言われ、プログラミング言語のあの文字列の羅列を見たときの絶望感たるや。 プログラマーほどのスキルは要求されないと

          苦手を克服した先に見えたもの

          設楽さんと数学的帰納法

          バナナマンの設楽さん。一時期バナナマンが本当に好きでラジオからネット番組まで色々視聴していました。その中で印象的だったこと。 レーズンは無限に食べられる理論 「どんなに満腹であったとしてもレーズン1個くらいなら食べられる。レーズン1個を食べた後、お腹は変わらず満腹の状態で変化がない。したがって再びレーズンを1個食べることができる。この過程は無限回繰り返せるので、レーズンは無限に食べられる。」 設楽さんが考えた話だそうで「食べられねーよ!」な話ですが、構造が数学的帰納法み

          設楽さんと数学的帰納法

          38歳ですが、博士号を取りたい

          初めましての初投稿です。 タイトルの通り、38歳の凡人が博士号を取りたい、だけども全然上手くいかない。上手くいかない失敗だらけの過程を文字にして残しておこう、そう思って書き始めています。 今日のところはここまで。 できるだけ定期的に投稿しようと思いますが、どうなることやら。 それではまた。

          38歳ですが、博士号を取りたい