ソール・ライターの原点 ニューヨークの色 - 東京 - 鑑賞と、LUTを使ったソール・ライターごっこ。
4年越しの初鑑賞[ソール・ライター回顧展]
1999年の新潟出張時に観ておきたいなぁと思っていた[ソール・ライター展]、この度、4年越に実現が出来ました。
作品の内容は、モノクロを中心に、ファッション、抽象画、カラープリント、スライドマウント、スライドの投影などを展示。
展示の順番は、モノクロ〜カラーまでの間に、ファッションと作家の抽象画が挟まれた形で展示されていた事で、カラーフィルムの選択するまでの経緯を読み解くヒントとなっており、情報不足の私でも楽しむ事ができました。
意外だったのは、作家の代表作でもあるカラー写真のプリント自体の作品数の少なさ。ポジで取られた数万カットのうち、プリントされたのは僅か200作品ほどだったとか。
当時のフィルム性能の影響か、プリントよりもマウントにしてのスライド再生が中心だったみたいですね。当時のアトリエも再現されていましたので、ご興味ある方は是非どうぞ。
60~70年当時のポジフィルムは、私の知ってるソレとは大きく異なり、色再現性と粒状性の点でもまだまだ扱い難いフィルムだったと思います。その当時から色の追求をし続けたソール・ライターと言う作家は重要な存在だと感じた次第です。
S5ⅡXにソールライター風LUTを突っ込んで、[ごっこ]を楽しむ。
ソール・ライター時代のポジフィルムの質感を、LUTを使って簡易的に再現してみました。先ず、今回のソールライター風に仕上げる当たっての抑えておきたいポイントは、
狭いラチチュード感
ボケ部に乗ってくる粒状性
Kodachrome風の白色と褪色感の再現
ポジ特有のMIX光の色転び
こんな感じをイメージして作ってました。
基本的にカメラ撮影、カメラ内RAW現像で再現できる様にしたいところ。
粒状性は、デジタルの高感度ノイズでは上手く表現されない為、S5ⅡXのカラープロファイル(フォトスタイル)でカラーでも粒状表現が可能な[L.Classic NEO]を採用。
フォトスタイルを使いながらのLUT適用は、重ね掛けになるためバランス見ながら作成。特に[L.Classic NEO]はブルーの色転びが特徴なカラープロファイルなので、この点も調整しておく必要があるかと思い、作成しました。
LUTをカメラに読み込ませ、本体内RAW現像。
大体の雰囲気はできたので、上記内容でLUTを書き出しし、カメラ内にも読み込ませます。LUT自体には粒状は反映しないので、フォトスタイルで乗せていきます。
ポジっぽさは正直どうなん?な感じですが、狭いラチチュードと粒状感が合わさり、現代的な仕上がりからは大きく変化したと思います。できればノイズ単体のサイズも選べると良いのですが、[LOW][STD][HIGH]の3種のみ。今回は[カラーノイズ]を選択しています。
少し黄色に振り過ぎたかな。。蛍光灯の色被り具合はいい感じ。
続いて、屋外環境での一枚。絞り込んでいるので風な感じにはなりませんでした。
全体的に、解像感、Dレンジを抑えこんだ仕上がりになります。
カメラ内RAW現像時の調整項目
LUMIXの本体内RAW現像は、ソフトウェアほどではないものの、そこそこ調整が可能です。
明るさ補正、WB、フォトスタイル、iダイナミックレンジ、コントラスト、ハイライト、シャドウ、彩度、色相、NR、シャープネス、LUTなどがあり、
色々な項目を組み合わせてみると、また作風が変わって楽しめるのではないかと思います。
今回作成したLUTを貼り付けました。興味がありましたら試してみてください。