「AI時代の学校教育の在り方とは」中田寿幸 先生|編集担当インタビュー#150
『算数授業研究』の新たな試みとして、編集担当の先生に雑誌完成後のインタビューを行ないました。
第1弾は、150号の編集担当の中田寿幸先生。中田先生は、千葉県の公立小学校から16年前に筑波大学附属小学校に赴任した算数のエキスパート。そんな中田先生に、「AI時代に生きる子どもたちに算数授業で育てたい力」を特集した思いを伺いました。(聞き手:東洋館出版社 石川)
ーー今回は、150号の節目の号で、これからの授業の在り方を見直すような特集号でした。この10年で、学校の環境や、小学生の子どもたちを取り巻く環境は、どのように変わってきましたか?
中田 コロナ禍を経て、一人一台端末が配備されたりと、この5年ほどで小
学校の教室環境は大きく変化しています。
そして、子どもたちは端末を感覚的に使えるようになってきています。以前は、教師がパソコンの使い方を教えていましたが、今では子どもたちの方が使い方を分かっていて、「先生、こうした方がいいんじゃない」などと教えてくれることもあるぐらいです。
ーー特集題にある「AI時代」というのを、中田先生はどのように捉えていますか?
中田 2022年のChatGPTの登場は衝撃でした。今では、パソコンを活用せずに仕事をする人がいないように、AIを生活や仕事に取り入れることは、もっと当たり前になっていくのだと思います。
こういった、社会の転換点で教育に携わっていることに、楽しさを感じています。
ーー本号の内容で、特に印象に残っている原稿はありますか?
中田 今回は、普段の特集とは異なる先生方にもご執筆いただいていて、これまでの読者以外の先生方にも読み応えの読み応えのある号だと思っています。
特に、座談会に来ていただいた東京学芸大学の高橋純先生のお話は、先端技術に正対して教育を変えていこうという開拓者精神を感じました。
ーー中田先生が、これからの算数授業で新たに挑戦していきたいことは何ですか?
中田
一人一台端末が文房具の一つとして、自然に使われていく授業にしていきたいと思っています。
子どもが「パソコン使っていいですか?」と聞かなくても必要なときに、必要な機能を使って問題解決に臨んでいけるようにしたいですね。円を描くときに「コンパス使っていいですか?」とは聞かないですからね。
中田 端末もAIも日常に溶け込んでいる今の時代に、本号が多くの先生方のお役に立つことを願っています。
ーー本号を編集された思いを聞かせていただきありがとうございました。
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次回は、筑波大学附属小学校の森本隆史先生のインタビューの予定です。