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2023年 女子美術大学付属中 算数分析

設問分析

2023 女子美① 算数

<2023年第1回 入試データ>
 合格者平均点 74.1点  試験時間 50分

 2023年の女子美術大学付属中の入試を振り返ります。ここ数年で倍率が急上昇した学校で、合格者平均点を見ての通り高い得点が入試で求められます。かつては、そこまで対策の必要な学校ではありませんでしたが、ここ数年そしてこれからの入試では対策が必要です。そのために記事にさせていただきます。

 女子美の算数の特徴は何といっても例年、出題される大問や分野が同じ、ということです。そのため、過去問での対策が非常に有効です。まずは今年の入試を振り返ります。

大問1 計算・小問集合
計算3題、小問7~8題が例年出題されます。食塩水・場合の数・平面図形(角度・面積・周の長さor面積)は毎年必出です。中でも、場合の数と平面図形で面積を求める問題は十分に練習しておかないと対応できません。
今年はそれに加え、(6)でパズル的な問題も出題されました。数の性質の問題かと思った受験生もいたことでしょう。近年の競争率を考えると何とか1問ミスに収めたいです。

大問2 規則性
(2)までは書き上げても構いません。女子美の規則性は表にまとめるのが一番有効です。今年もそこから式化する必要はありましたが、完答したい難易度でした。

大問3 文章題
誘導付きの文章題です。速さや和と差に関するものであることもありますが、今年は純粋に割合の問題でした。しっかり読めば最後まで到達できる問題です。

大問4 グラフ
速さor水問題で出題されるグラフの問題です。グラフが苦手な受験生も多いですが、難易度は控えめ。読み違えがないように完答したいです。

大問5 立体図形
平面図形を通して底面積を分析し、柱体の体積と表面積を求める問題です。毎年、図形の形が変わるだけなので、パターン化されています。それだけに十分に得点が期待できる大問です。

女子美に合格するために

 頻出分野は「計算問題」「食塩水」「場合の数」「平面図形(面積・角度・円に関するもの)」「規則性」「グラフ」「立体図形」です。頻出というより、必出です。これ以外に文章題系の問題も若干ありますが、徹底的に対策すべきでしょう。
 中でも、「平面図形(面積)」「場合の数」「グラフ」は時間をかけて対策しておきたい分野です。それ以外の分野と比べて若干難易度が高いように感じます。近年では合格点も高いため、これらの分野の対策から逃げてはいけません。

 また、大問3と大問5の問題は毎年言葉や数値が少し変わっているだけですので、100%正解する自信がつくまで徹底的に取り組みましょう。

 当然ですが、計算の工夫や、解法を意識して解くことは正解する確率を上げるために必要なことです。基礎を積み上げればしっかり得点は伸ばせますから、焦らずに取り組みましょう。

 学習の教材としては、上記入試問題の傾向を踏まえて、それぞれの分野の対策を行ってください。平面図形とグラフ・場合の数は標準レベルまで取り組んでおくとよいです。それ以外は基本問題が解ければ十分でしょう。
 過去問は仕上げとして12月以降取り組めば十分ですが、一度9月以降に取り組んでみてください。傾向がはっきりわかると思いますよ。

<まとめ>

  • 出題される問題は基本レベルだが、近年入試の倍率も上がり、十分な対策をすべき。

  • 出題される分野もほぼ固定。過去問で一度確かめるとよい。

  • 「平面図形(面積に関するもの)」「場合の数」「グラフ問題」のレベルは若干高い。

  • それ以外は基本問題が多いため、とりこぼさないようにしたい。

  • 大問3・大問5は女子美独特の問題であるため、過去問で練習を。

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