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2023年 関西学院中学部 算数分析
設問分析
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<2023年 入試データ>
平均点 134点 (200点満点)
大問1 計算問題
工夫が求められる計算ではなく、正確に決まり通りに計算できるかが問われるタイプの計算問題が並びます。短時間で確実に正解しつつ、さらに検算も必ず行いましょう。
大問2 小問集合
典型題ばかり並びます。5年生までのテキストがきちんと仕上がっていれば満点が取れるはず。やみくもに答えの数を探す学習ではなく、確信をもって答えられる解法を身につけましょう。
大問3 速さ
3人の旅人算ですが、距離も速さも明確に定まるため易しいです。「誰と誰が」「追いつくのか、出会うのか、一人で動くのか」を判断し適切に式化しましょう。ごちゃごちゃしてくるときに図でまとめてあるとミスが起こりにくくなりその処理力も差をつけるポイントです。
大問4 規則性
数列の問題。グループ分けを適切にし、奇数個の数列=全体の個数が平方数になっていることを利用しましょう。
大問5 場合の数
正方形を5個組み合わせて作る図形が何種類できるかを求める問題。適切に場合分けをしながら書き出せるかどうか、有名ですが難度の高い問題です。
大問6 水グラフの問題
しきりで分けられた水槽に水を入れる問題。グラフが2か所の場所の水位の差という苦戦しがちなタイプであるため、難易度はやや高いです。しかし、解き方自体はセオリー通り正面から見た図にまとめることで解けるので、差がつきやすい問題といえます。
関西学院中学部に合格するために
今年の入試は、例年と同様に★1問題が約7割でここを取り切れるかという勝負になりました。★1問題は一つ一つの設問を見ると、テキストや模試で見かけるような問題がきちんと解けるかが問われています。特に、食塩水のやりとり問題や3人の旅人算など、図を書いて整理させる問題が多くなっています。式で解くだけでなく、図や表を用いてまとめられるかが重要です。また、思考力タイプの場合の数の出題も毎年よく見かけられ、丁寧に書き出す学習をしてきたかどうかが問われます。さらに、水問題の出題が多いのも特徴で、おもりを沈める問題や水量グラフ問題も見られます。苦手にする受験生が多い分野なだけに得点できると一気に合格圏に入る問題であるといえます。十分に対策しておきましょう。
それ以外の分野は典型題の出題が多く難易度もそれほど高くないため、テキストや模試の典型題を確実に解けるようにしておきたいところ。これらの分野は差がつきにくく平均点が引きあがっている原因にもなっているため、落とせません。
<まとめ>
典型題がバランスよく出題され、解法が定着しているかが問われる。
やや思考力寄りの場合の数が出題される。
水問題が頻出であり、対策は必須。
速さ・平面図形・立体図形・規則性の出題が目立つが、難易度は標準的。
高得点勝負であるため、苦手分野を作らないように対策すべし。