2023年 南山女子 算数分析
設問分析
南山女子の2023年のふりかえりです。
平均点を得点率としてみると、受験者が約49%、合格者が約65%となっています。表を見ての通り、一問一問はそこまで難しくないのですが、
幅広い分野への対応力
短時間で確実に正解する計算力
時間がかかりそうな設問を後回しにできる判断力
など、思考力よりも処理力が求められています。なおかつ、(20)や(21)のようなその場で考える問題も出題されており、地力が得点差に表れやすいセットになっていました。
大問1
計算は全問正解したいところ。多少身構える問題もありますが、方針はたてやすいはずです。
大問2・3・4
数の性質に関する有名な問題。経験値の差も大きく出やすいところです。合格するためには4問とも正解したい。
大問5
この年齢算、意外に苦戦した受験生も多かったのでは。線分図を書いて、引っ越ししておしまいです。
大問6
注意深さが必要な問題。ただ容器を小さくするのではなく、あくまでも水が360㎤入ることに注意。それより小さい容器はNG!
大問7
(13)は有名題。(14)は時間がかかってしまった受験生もいたはず。条件をシンプルに使っていけば比較的短時間で求められます。
大問8
合格するためにはここで2問正解したい。丁寧に書いていけば大した問題ではありません。
大問9
速さを求めながら確実に正解しましょう。グラフに苦手意識を持たないように。練習すればだれでもできます!
大問10
角度の問題ですが、苦労した受験生が多かったはず。正三角形と正五角形が組み合わさった有名な問題です。聞かれ方を少し変えるだけで一気に難しくなる素敵な問題でした。
大問11
正八角形の切断です。経験値で勝負が決まった問題。上位陣はここから切り分けた2つの立体の体積比を求められる練習までしていたはず。差がつく問題です。
大問12
思考力重視の問題。知識は不要ですが、角度の問題として正確に図や数値を書き込めたか、最後の計算を丁寧に行えたかがポイントです。後ろから2番目にこの計算量、実力が問われますね。
大問13
南山女子中おなじみの作図問題。ここ数年はやさしめ。作図というよりは、「3回の手順で」という条件をもとにクリアするパズルのような問題です。また、説明する表現力も求められていてよい問題です。
南山中女子部に合格するために
南山女子の算数は、合格者の中でも得点差がつきやすいです。そのため、算数が抜群にできればそれだけで合格に大きく近づきます。入試の特徴を一言で言うならば、鍛えられている受験生は強いセットです。普段から様々な問題にあたり、一問一問正確に理解し、正しく処理できる習慣を身につけることが大切です。特に、数の性質や条件整理は丁寧に調べることがそのまま得点に結びつきやすいです。また、図形問題についても平面図形・立体図形ともにバランスよく経験値を積み上げておきたい分野です。
レベルが高い入試であることは間違いありませんが、普段から難問をバリバリこなす必要があるかというと、そうではありません。どちらかというと、普段習った問題をしっかり復習し、できれば仕組みや本質を説明できるような学習をしていると、それがそのまま本番で力を発揮できるような入試になっています。算数が好きな子が強い、そんな入試になっています。
現在、算数があまり好きでなくても、仕組みを理解し、本質を知り、復習して自分のものに自分なりにしていくことで徐々に算数が楽しくなり、結果として一番合格に近づきます。(指導者としても腕の見せ所ですね)
最後に、算数だけでなく4科目のバランスも必要です。特に理科・社会も高水準の戦いになりますから、1週間の学習時間のバランスやテストに向けた学習方法に問題はないか、チェックしながら学習を進めていきましょう。