2023年 淑徳与野中 算数分析
設問分析
<2023年 平均点>
65.9点(100点満点)
2023年の淑徳与野中、第1回入試を振り返ります。
大問1 計算・小問集合
難しい問題はありませんが、緊張している中でミスが起きやすい3問が並んでいます。試験時間中にこの3問は検算までしましょう。
大問2 小問集合
図形の小問集合です。(1)の対称性を利用した問題は難しいものもありますが、今回は対称軸が分かりやすいため解きやすかったです。(3)の相似を利用して瞬殺する問題も初見だと苦労します。なんとか1問ミスにとどめたい大問です。
大問3 食塩水・規則性
食塩水の問題は大丈夫でしょう。規則性は案外大変です。式まで持ち込めてしまえば③まで解けますが、方針がなかなか立たず苦労した受験生もいたのではないでしょうか。今回は、この先の問題も易しいので無理をしないで後回しにするのもありでした。
大問4 速さ
ダイヤグラムを読み取る問題。比を利用しなくて解くことができますが、今回は計算で行くと分数が表れるため、グラフから相似形を利用して解くやり方が早い問題でした。(2)もかかった時間さえ求めてしまえば簡単です。
大問5 規則性
一瞬、会話文形式から思考力系の問題かと思わせておいて、周期にまとめるだけの問題です。ア~エは確信をもって答えましょう。オも計算するだけですが、〇の個数に落とし込むといったワンクッションが入っていて面白いです。
大問6 水問題
水量グラフの基本的な問題です。比を使わないですべての数値が求まるため、易しい問題といえます。
大問7 図形の回転移動
図示問題は淑徳与野中の定番ですが、基本的なことしか聞かれませんから初見でも困ることはないでしょう。(2)~(3)も基本レベルですから、ここは完答したい。
全体的に取り組みやすい問題が並びましたが、案外大問2や3で困った受験生もいたかと思います。全体を解いて、そのあと戻る作戦をとれると安心して試験を終えられたでしょう。平均点も若干高く、70~75点確保したいセットでした。
淑徳与野中に合格するために
今年の入試は比較的取り組みやすい問題が多い印象でした。例年、もう少し典型題をすこしだけひねった出題が見られます(時計算で24まで文字盤があるが、小問は通常通りなど)。基本的な問題でミスしないだけでなく、根本の理解が必要です。例えば、先ほどの時計算では角速度をきちんと求めて計算する背景を知っていたか、などです。平たく言えば、どうしてその正解になるか簡単に言えるor少なくとも理解はしている、ことが根本理解しているということです。
これは、教材や講師の質も重要ですが、自覚できているかが大きいです。算数を楽しく理解しながら解いているのであればおそらく大丈夫ですが、算数が楽しくない、答えはそれらしいけれど何やっているか実は分かっていない、は危険です。筆者は小6の11月くらいからその悩みをもって訪ねてくる受験生を何人も見てきました。練習量さえ積んであれば比較的すぐ解決はすることなのですが、早めに解決したいですね。
教材のレベルとしては、基本~標準レベルで十分ですが、実際に受験する層はもう少し上です。やや難しめの問題も典型題だけで構いませんから少し触れておくと安心です。過去問演習も問題慣れという点では10月くらいから始めてよいでしょう。やりこむ、わけではなく、普段取り組んでいる問題がどうひねられているかを確認しながら取り組んでみてください。