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2023年 駒場東邦中 算数分析

2023年の駒場東邦中の算数についてふりかえります。

2023年 駒場東邦中 算数

 120点中、受験者平均点が80.7点、合格者平均点が90.2点という結果になりました。余談ですが、国語は受験者平均点が72.5点、合格者平均点が77点と差がありません。模試を運営していると、もっと差が出ます。受験生のレベルが高いといえばそれまでですが、あんなに記述ばかりの問題でどうやって採点しているんだろう・・。

 さて、算数の話に戻ります。思考力問題セットで全受験生を驚かせた2022年度から一転、標準からやや易しめのセットに戻りました。取り組みやすさとして2019年以来かな。とはいえ、それはあくまで駒場東邦中の算数に慣れた鍛え上げられた受験生間での話。ひとつひとつを見ていくと実力差がはっきりと出るセットになっています。

 大問ごとに見ていくと、大問1がやや重ため。大問2~4は一度は見たことのあるであろう問題が多く、受験生は手ごたえがあったと思います。しかし、手ごたえと正解できたかは別の話。大問2や大問4は自分の答えと正解が違うという受験生もいたのでは?やはり、こういうところで差が出てきます。また、大問1の(1)、(2)でも差がつきます。(2)の平面図形は解法をしっかり検討し、一番処理しやすそうな方法で解かないと②までは解けなかったのではないでしょうか。簡単そうで、実力者でないと結構難しいです。

駒場東邦中合格にむけて

 よく質問されることですが、駒場東邦中に受かる=算数が出来るという点についてです。

 たしかにその通りなのですが、それは何も難しい問題がズバズバ解ける、ということではありません。

 一見難しそうな問題(だが聞かれていることは簡単)を丁寧に調べあげ、正確に答えまで求められること。これが駒場東邦中の算数で最も必要なことです。倍率もそこまで高くない(2023年は2倍を切っています)入試においては、失敗しないことが一番重要です。
 
 学習するツールとしては、小6の夏までのもので十分です。ただし、(場合の数と立体図形に関しては、最上位レベルのものまで扱っておくことが望ましい)

 夏以降、過去問を通じてそれらがどう出題されているのかを探す訓練が必要です。数の性質を中心に理由記述の問題も過去には出題されています。あくまでも和・差・積・商、素因数分解、約数・倍数のいずれかに注目すれば解ける問題ばかりで、ある着眼点を備えて練習すれば見えてくるものばかりです。

 また、作図を正確に行えない受験生は苦労します。入試ではコンパスや定規を用いて作図する問題が出題されますが、普段から正確な図を描く(あるいは描かなくていいものは適当に済ます)ことの意義とありがたみをわかっている受験生は本番レベルでも十分に対応できるでしょう。

 このことは数の性質や規則性でも同じことがいえます。調べていく中で気づかせ、発展させ、まとめていく。これが駒場東邦中の算数の醍醐味です。


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