2023年 北嶺中 算数分析
設問分析
<2023年 入試データ>
受験者平均点 75.3点 合格者平均点 81.4点 (120点満点)
試験時間 60分
2023年の北嶺中の入試を振り返ります。北嶺中はファンも多く、ここ5年で受験者数が約2倍に増えた人気校です。入試における競争率も若干上がり、今後合格を狙うには今まで以上の準備が必要となりそうです。
大問1 計算問題
今年は純粋な計算力を問う問題の出題でした。例年、部分分数分解や工夫を求める計算も出題されるため、様々なバリエーションに慣れておきましょう。
大問2 小問集合
例年5問出題されます。場合の数や和と差の思考力系の問題も含まれるため、難易度が読みづらいです。作業量はそこまで多くない小問も多いので、4問は正解したいところ。
大問3 方陣算
方陣算といえば図で検証できるかがポイント。(2)①で公倍数的な視点、(2)②では式化できるかがポイントです。いずれにしても図は必須と考えましょう。
大問4 立体図形
立方体→正四面体→正八面体と進めていきます。最後に正八面体の展開図まで出題されますが、基本レベルです。ここまでは解ける学力はつけておきたいです。
大問5 速さ
どちらかというと点の移動に分類できます。上から見た図で整理しながら、速さが変わることに注意してまとめていきます。思考力★2としましたが、整理能力が強く求められる大問でした。2つ正解出来れば上出来でしょう。
北嶺中に合格するために
例年、もう少し思考力重視の問題が多い気がします。北嶺中の算数で求められるのは読解力+検証力です。書き出してみたら基本的なことでした、というオチが多いです。(もっとも、今年の入試はそういう意味では使用する基本の技術が一段上のレベルだったとは思います。それが原因で平均点が下がったと思っています)
最初は「言われて気付く」でもよいのですが、ゆくゆくは自分で気づかなければなりません。受け身のままの学習では磨くことのできない感覚ですから、いち早く基本の技術を身につけるとともに、様々な問題を根本から理解できる学習をしましょう。
具体的にやるべきことを説明していきましょう。基本の技術で十分解ける問題が多いのは事実ですが、ここ数年の競争率上昇から余裕をもった対策をしておくこと、また傾向の微妙な変化に対応できるようにしなければなりません。そこで、基本レベルだけではなく標準的なレベルの問題までは解けるように解法の習得をしておくべきです。応用や発展レベルのものはいりません。模試でいえば正答率20%以上くらいのものまでは復習しておきましょう。
また、読解力や思考力は北嶺中ならではの要素で普段のテキストだけではなかなか身につきません。何周もする必要はありませんが、過去問も5~6回分は取り組んでおきましょう。取り組む時期は11月以降で十分間に合いますが、第一志望で念入りに対策する場合はもう少し早く始めてもよいと思います。繰り返しになりますが、基本・標準問題の理解と解法の習得が優先です。
北嶺中の入試の試験時間は60分と余裕は十分にあります。年度によって平均点にばらつきはありますが、それでも120点中90点以上を目標に取り組みましょう。
<まとめ>
基本的な問題の出題が多いが、読解力・検証力が必要。
近年の倍率の上昇を考えると基本レベルだけでなく標準レベルの典型題まで取り組んでおいた方が安心。
過去問は11月以降で間に合うが、第一志望の場合はもう少し早くから対策しておいてもよい。