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2023年 江戸川学園取手中 算数分析

設問分析

2023 江戸川取手 算数

<2023年 平均点>
     東大   医科   難関
受験者  62.9   60.2   49.1
合格者  76.5   74.6   61.7

 2023年の江戸川取手中の入試第1回を振り返ります。全体的なレベルとしては例年より若干難しく感じました。大問3~5が思考力重視の問題であったことが影響しています。ただ、調べていけば答えに到達できる問題ばかりであり、地力のある受験生は変わらず高得点が取れた入試だったように思います。到達すべき最低ラインの得点は、それぞれのコースで合格者平均からマイナス5点を目安にみるとよいでしょう。

大問1 小問集合
問題も典型題かつ短めです。緊張をほぐしつつ確実に正解しましょう。検算は計算ミスが起きそうな問題だけ確認しましょう。

大問2 条件整理
平均をメインテーマとした資料の問題です。(2)が少し解きづらいかもしれません。気付かなければまずは飛ばしましょう。

大問3 場合の数
有名な道順の問題を得点を絡めて思考力重視の問題に仕上げた問題です。場合分けというか、すべて調べたか不安になりやすい問題ですが、まずは(2)まで正解すれば大丈夫です。ここもあまり時間をかけすぎずに。

大問4 平面図形
座標を用いた三角形や四角形の面積問題です。さほど難しくありませんが、座標に慣れておくこと、等積変形が技術としてすぐに扱えることを考えるとやや難といったところです。

大問5 食塩水
操作から規則を見つけ出す問題です。いちいち計算していくと大変な労力がかかってしまうので、問題の数値が100gを親切になっていることを上手く利用して気づきましょう。気付いてしまえば(3)もそこまで大変ではありません。機転を利かせることが大事な、入試問題らしい良問だと思います。

大問6 立体図形
こちらはよく見かけるタイプの立方体切断の問題です。合格するにはここは完答したい。立体切断の基本ルールで全て解けます。計算ミスに気をつけましょう。きちんと時間を残して丁寧に解くことが出来たかが大切です。

江戸川学園取手中に合格するために

 江戸川取手中は、受験生がこれまで学習してきた内容をベースに上手に思考力要素を交えて出題してくれる学校です。しかし、半分近くの問題は典型問題そのままですから、まずはこのレベルを確実に得点できなければなりません。
 2023年第1回の問題を見ても、大問1すべて、大問2(2)、大問3(1)、大問4(1)の2問、大問5(1)、大問6すべて、と、全21問中14問は典型問題です。結局、合格に差がつくのはこの部分ということになります。
 もちろん、上位コースを目指すことと、合格率を上げる点から、それ以外の思考力問題に触れておく必要はあります。ただ、学習の順序を間違えないようにしましょう。

 小6の学習においては、(予習も有効ですが)復習を充実させ、解法を確実に自分のものとしましょう。多くの塾のカリキュラムで小6夏までに習う解法を繰り返し反復し、反射的に解ける段階まで習熟度を上げましょう。
 とはいえ、夏休みになっても9月になっても、穴や抜けがあることは珍しいことではありません。受験直前(1月前半)まで、典型題を何度も何度もトレーニングしてください。

 この学習ありきで、その上に過去問トレーニングが成り立ちます。まずは、問題を解きつつ50%の得点がとれていなければ、やはり典型題に問題アリと考えるべきです。一方で、読解力や思考力を問われる現場主義の問題は指導者に添削や解説を仰ぎ、どの程度の作業量が必要であったか確認するとよいでしょう。前提知識がなくても解ける問題も中にはありますが、知識の使いこなしが高度な問題も実際には何問か含まれています。

 あとは制限時間の中で得点を集めきる練習です。2023年も最後に立体切断の典型題が出題されたように、前半の問題で時間をかけすぎて、後半の本来解かなければいけない問題を落とすことは得点を伸ばす上では不利になります。その感覚は実際に時間を測ってトレーニングする中で体得するしかありません。11月以降で構いませんから、事前に何度か練習しておく必要があります。

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