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2023年 早稲田佐賀中 算数分析

設問分析

2023 早稲田佐賀 算数

<2023年 入試データ>
 受験者平均点 51.5点  試験時間 60分

 2023年の早稲田佐賀中の入試を振り返ります。分量・難易度ともに例年より重ためになりました。とはいえ、典型題の出題が多かったことは変わらず、得点すべき問題を得点できれば十分に合格点に届く内容といえる試験でした。

大問1 小問集合
(4)の計算数値が大きくなったこと、(6)の角度が経験の差が出やすいこと、(7)(8)が早稲田佐賀中らしく作業量・思考力を問う条件整理であったこと、(10)(11)見慣れた問題のようで一ひねりずつされていること、これらを考えると受験生は時間と精神力を持っていかれる大問であったと思います。

大問2 規則性
(1)の3問は易しめ。ここは安心して解けた受験生も多かったはず。しかし、こういう問題で落とすと痛いので、油断しないように。(2)はここまでの流れを元に考えるとさほど難しくはなかったはず。

大問3 ニュートン算
ニュートン算の典型題の中では難しめの問題です。「途中まで減る」タイプのニュートン算です。式で解くか、線分図で解くか。いずれにしても消去算的にそろえて計算する必要があります。(1)(2)がほぼ同時に解け、(3)はボーナスステージと、一気に15点近く差がつけられる問題となっていました。解けなくてもその分他でフォローすれば合格点は大丈夫です。

大問4 平面図形
勝負の分かれ目となる問題です。(1)(2)は早稲田佐賀中合格には必要不可欠。(3)は方針を上手くたてること、計算量を減らすことなどして何とか正解したい。

大問5 立体図形
(2)まで得点できれば合格点です。立体切断のルール、高さの平均までは抑えておきましょう。難関校志望者は(3)のダブル切断も得点できるように。

早稲田佐賀中に合格するために

 例年、大問として
1.小問集合
2.思考力系の文章題
3.速さを中心とした文章題
4.平面図形
5.立体図形
の構成となっています。今年は大問3が速さではなく、ニュートン算でした。
大問の構成は形式的には固定されているように見えますが、結局全分野しっかり学習しておきたいのは間違いありません。特に、資料の読み取り系の問題や、規則性・条件整理など細かい知識問題までおさえておく必要があります。
 また、平面図形・立体図形も王道の問題が多く、丁寧な分析・作業・計算力と合わせて要求されるハードルは高いです。

 ここまでを見ると難関校と同等の算数の力が求められるように感じるかもしれません。しかし、実際には合格点は40点前後から出ていると思われます。筆者が合格するために必要だと考えるポイントを3つ挙げます。

① 基礎的な能力
 ここでいう基礎的な能力とは、計算力や基本的な公式(等差数列の和や比の合成・立体切断のルールなど)、つまり、塾やテキストで扱われている基本問題をしっかり解き技術を習得しているか。また、読解力、整理能力が身についているか、です。
 出題される問題が難しいからと言って、難問や応用問題ばかり取り組んでいてはいけません。受験算数の土台をしっかり固めましょう。

② 科目バランス
 算数は受験において大切な科目ですが、結局4科目バランスよく得点することが一番大切です。もちろん、算数以外の科目も基本事項を大切にした学習をしてください。

③ 60分間、一生懸命解く精神力
 最後はやはりこれです。試験時間と問題量は多めです。解けない問題や意味の分からない問題が必ず出題されます。それらに惑わされず、よく読めば解ける問題やこれまで習った問題、そして計算問題をきっちり合わせる。当たり前のことですが、こういったことを大切にする受験生は必ず合格します。

<まとめ>

  • 思考力系の問題と図形問題の出題割合が高い。

  • 難関校向けの技術がないと解けない問題も出題されることがある。

  • しかし、合否を分けるのは基本的な問題の出来次第。

  • 60分間、得点を高める努力をする。普段の学習もそこから逆算した内容で取り組むとよい。

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