2023年 学習院女子中等科 算数分析
設問分析
2023年の学習院女子中等科の算数の振り返りです。
A日程の試験の受験者平均点が64.9点、倍率が2倍強であることを考えると、算数の目標点は70点ということになります。2/3のB日程の試験に関しても、おおよそ70点が目安になるでしょう。
大問1から順に比較的取り組みやすい問題が出題されていますが、やや思考力重視=初見に近い問題や典型題をひとひねりした問題が出題されています。その中で難しいのは大問6。最短距離に関する問題です。テーマでは「円の接線の作図」としていますが、実際には中心さえわかればほぼ終わりです。(3)以降は地道に探していくことになります。
大問1 計算問題
(2)は計算の工夫を行うべき問題。ただ、平方数を探していっても、一の位に注目していくつか調べれば求まってしまう問題。いずれにしてもこういう問題で手が止まらないように。
大問2 速さ
図にまとめるまでもない問題だが、ミスがないように処理しましょう。
大問3 消去算+条件整理
(1)は普通に消去算であっさり。(2)は条件に合う数字を探す問題。ただ、明らかなのですぐに見つかります。
大問4 割合
図こそないが、円グラフや帯グラフでも出題頻度の高い問題。計算は落ち着いて丁寧に。
大問5 場合の数
4個の点を結んで正方形を作る問題。受験生は一度は取り組んだことがあるでしょう。形だけではなく面積にも気を配って解かなければなりません。個人的には、合否を分ける問題だと思います。
大問6 平面図形
(1)は池の周りの植木算です。(2)からが厄介。最短距離を探していくと、円の中心を通ればよいことに気づきます。また、完璧には分かってなくても「そこしかないよね」という視点で取り組んでもよかったかもしれません。(3)は(2)を頼りに探せばよいですが、(4)は時間を考えると切り上げてもよかったでしょう。
学習院女子に合格するために
学習院女子の出題傾向はある程度予想できます。
工夫を要する計算問題
速さ(グラフのこともある)
平面図形(作図や移動)
割合がらみの計算問題
が中心となって構成されます。これに、「規則性」「場合の数」などの典型題を少し改題した思考力タイプの問題と立体図形が出題されます。
要するに、日頃のテキストを消化する中で、上記分野は徹底的に鍛えておこうという話になります。特に、「速さ」「平面図形」「割合」の3分野は他校でも出題頻度が高いものですし、早いうちから基本を身につけ、いろいろなタイプの問題に慣れておきたいところです。
取り組む問題のレベルですが、決して難しい問題に取り組む必要はありません。学習院女子は合格偏差値の高い学校ですが、基本的なことをミスなく処理できれば十分合格点に達します。速さの問題でグラフを使って解く、平面図形の問題で作図を丁寧に行うなど、基本的なことを練習しましょう。そもそも5年後半~終盤で習う分野ばかりなので、意外と復習がおろそかになりがちです。6年生の早いうちから復習に取り組めると差をつけることが出来るでしょう。