2023年 法政大学中 算数分析
設問分析
<2023年 第1回 平均点>
受験者 112.2点 合格者 130.1点 (150点満点)
法政大学中の算数を振り返ります。第1回はかなり平均点の高い回でした。ちなみに、第2回・第3回は平均点が80~90点と標準的な難易度でした。
思考力系の問題は一切なく、知っている問題がそのまま出題、という流れでした。しいて言うと、大問4の平面図形が少し難しめで、(1)が求められず終わってしまった受験生もいたと思います。しかし、それ以降は引き続き易しめで手ごたえのあった受験生が多かったでしょう。ということは、決着はミスの差ということになります。
大問1 計算問題
年に関係なく易しめですが、高得点勝負ということをふまえ、確実にノーミスで。
大問2 小問集合
例年、出題の傾向が似ています。(6)あたりからは、若干文章が長めになってくるので、落ち着いて整理しましょう。(8)の図形問題が例年やさしかったりします。
大問3 場合の数
組み合わせの典型問題。(2)まで計算でさくっと解けた受験生が多かったでしょう。
大問4 平面図形
本セットでは一番難易度が高かった問題です。(1)で長さを求められないと(2)が自然と失敗します。角の二等分線の性質は若干マイナー知識なので、差がつく部分でした。ただ、(1)は勘で当てた受験生もいたでしょう。
一方で(2)はボーナス問題かというと、こちらも計算が大変な問題です。一度は解いたことのある問題だとは思うので、実力の差が出やすい問題でした。
大問5 立体図形
円すいの表面積と最短距離のひもの長さという典型題。ここは絶対落とせません。
大問6 食塩水
(1)は基礎計算ですし、(2)も法政大学を受験する生徒は正解してほしい。地道に調べても十分間に合う問題です。
法政大学中に合格するために
法政大学中は大学付属校の中では問題が易しく、高得点勝負になりやすい学校です。ただ、倍率が高いとはいえ受験者の層を見てみると、かなり近い実力者が集まっているイメージの学校です。したがって、正しい準備を行うことで不合格圏から合格圏に引き上げやすい学校です。一方で、ボーダー層の受験生もミスが重なると一気に不合格圏に転落してしまいます。
今年の第1回の問題は異例のやさしさでしたが、それでも例年の入試でも得点すべき問題のレベルは変わりません。要するに、得点しなければならない問題が多かったか少なかったかの違いがあるだけです。
また、入試の特色として、思考力系の問題よりも知識系の問題が多く、受験勉強で取り組んできた問題が比較的そのまま出題されます。この問題はこう解く、という理解と体得がどこまで精錬されているかで分かりやすく得点が決まります。
これらの特色から、過去問演習の優先度は低いです。典型題を一つでも多く学び、素直に対応できるようにしましょう。ただ、過去問演習の優先度は低いですが、時間を測って解くこととレベル感を確かめる目的での過去問演習の必要性はあります。学習状況、担当講師に添削を受けているかなどもふまえて演習のペースを決めましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?