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2023年 吉祥女子中① 算数分析

設問分析

2023年 吉女 算数

 2023年の吉祥女子中の算数の分析です。吉祥女子中は算数の入試にしては小問数が非常に多いことで有名です。30問近くの解答を書かなければなりませんが、決してスピード勝負ではありません。一つ一つの設問が非常に丁寧で、行う作業や思考の量としては他の学校とほぼ同じです。そのため、得点が高い争いになります。本年の第一回入試の合格者の平均点が75.2点でした。

大問1 小問集合
易しめの問題が並びますが、(6)の角度、(7)の割合が少し難しかった印象です。分からない場合はいったん後回しにするのも手です。何とか大問1で1ミスまでにとどめたいところですね。

大問2 数の性質
四捨五入と等差数列の和がミックスされた問題です。整数の四捨五入は難しくはありませんが、絶対にミスなく合わせなければならない大問でした。

大問3 平面図形
正六角形に関する問題です。一つ一つ正六角形の性質を吟味しながら解答できれば問題なかったでしょう。(2)③は全問までを誘導として解けるとすっきり解けたはずです。吉女らしい問題でした。

大問4 速さ
流水算に関する問題です。船が2そう登場するので正確に速さを整理しましょう。動き自体はダイヤグラムで整理できれば完答も狙えたはずです。

大問5 条件整理
魔方陣に関する問題。ところどころ和について考えさせ、それを上手に次の問題に誘導してくれています。パズルのような問題ですが、誘導を無視しても解ききることも出来ます。

吉祥女子中に合格するために

 御三家中などの最難関校の受験生も併願して受験することが多い吉祥女子中学校。倍率も初日から3倍を超え、激戦です。
一方で、試験問題はそれほど難しくありません。こういった入試では、

  • 苦手分野を作らないこと

  • 小問を落とさず大問の”流れ”に乗ること

の2点が大切です。
 
 基本的な技術や解法を正確に使え、問題の条件や指示を適切に守り、小問ごとの流れに乗って処理していく力が求められています。
とはいえ、普段の学習で易しいレベルだけ解けばいいということではありません。吉祥女子中の入試ではいろいろな分野をいつもと違った視点で見る設問がよく出題されます。一つ一つ指示に従えば難しい技術は必要ありませんが、経験値の有無は解きやすさに直結します。また、周りの受験生は比較的高いレベルの学習をしてくることからも、併願校含めてしっかり準備は必要になってくるでしょう。

 ギリギリ合格を狙う場合は寄り道している余裕はありませんが、併願校に上位の学校を受験する場合はそちらの対策をメインで行うことがおすすめです。もちろん、吉祥女子中の対策もゼロではだめです。12月~1月に過去問題を用いて、傾向と得点の仕方を体得していきましょう。第二志望以下である場合は、時期的にはそれで十分です。

 吉祥女子中を第一志望にする場合は、9~10月ころから過去問に取り組みましょう。得点で一喜一憂せず、必要な技術は身についていたか、問題の誘導に乗ることができていたかなど、冷静に分析しながら普段の学習にフィードバックしていきましょう。


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