サンスクリット原典で、読んで、学んで、深めるヨーガ!第1035号『ゲーランダ・サンヒター3:16』
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サンスクリット原典で、読んで、学んで、深めるヨーガ!
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 2022.05.03.◆第1035号◇
目次
◎ ゲーランダ・サンヒター 3:16
◆ 本文
◆ 単語の切れ目・意味
◆ 原文の語順訳
◆ 日本語訳
◆ ポイント解説
◆ 編集後記
=◎ ゲーランダ・サンヒター 3:16================
◆ 本文(原文)
atha mūlabandhasya phalakathanam
saṃsārasamudraṃ tarttumabhilaṣati yaḥ pumān
virale sugupto bhūtvā mudrāmetāṃ samabhyaset (16)
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◆ 単語の意味(連声を切った後の、各単語の意味)
atha さて、それでは
mūlabandhasya ムーラバンダ
phala 果実、実、結果
kathanam 物語、記述、報告
saṃsāra 輪廻、生存の循環、サンサーラ
sāgaram 海
tarttum 横切る、渡る、横断する、渡す、渡航する、浮かぶ、泳ぐ
abhilaṣati 願う、切望する
yaḥ ~である者は
pumān 男、人間
virale 遠く離れた、緩んだ、稀な
suguptaḥ よく保護された、よく隠された
bhūtvā する、なす
mudrām ムドラー
etām これ
samabhyaset 実践する、専心する
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◆ 原文の語順訳(原文を原文の語順と発想のままで読むための訳)
さて、ムーラバンダの、果実・話である。
輪廻・海・渡ろうと、願う、である者は、人は、
遠く離れたところで、よく隠された、なして、ムドラーを、
これを、実践するべきである。
◆ 便宜的な意味(上の訳を自然な日本語の語順、流れになおした訳)
以下が、ムーラバンダの果実の話である。
輪廻の大海を渡らんと願う者は、人里離れた場所で、
人知れず、このムドラーを実践するべきである。
◆ ポイント解説
ムーラ・バンダ解説の続き、「phalakathana」に入っています。
ここでこのムーラバンダの効用を「saṃsārasāgaraṃ tartum」つまり「輪廻の海を渡る」ことができると言っています。
これを抽象的な言葉ととるか、または実践的な言葉ととるかによってずいぶんと解釈が違ってくるところですが、ここでは「渡る」という動作が入っていますので、ムーラバンダがこの「渡る」を実現させる行法だと実際面から捉えていると考えてもよさそうです。
そして実践の場所と心構えが説かれていて、どちらも人から離すことを言っています。これもハタヨーガ文献ではよく登場する概念で、プラディーピカーではそもそもハタヨーガの実践そのものが人里離れた場所でなされるべきことが冒頭に説かれていて、また「秘密」もやはり冒頭に説かれて、さらに全編を貫くほどのテーマでしたね。
これらがなぜなのかはここではわかりにくいですが、もう一節ムーラバンダ解説が続きますのでそちらを読んでから判断してみてもよさそうです。
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詳細解説はブログで
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(第1035号 完)
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サンスクリット原典で、読んで、学んで、深めるヨーガ!
発行者 誠 samskritamakoto@gmail.com
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