サンスクリット原典で、読んで、学んで、深めるヨーガ!第1034号『ゲーランダ・サンヒター3:15

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  サンスクリット原典で、読んで、学んで、深めるヨーガ!


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 2022.04.27.◆第1034号◇

  目次 

     ◎ ゲーランダ・サンヒター 3:15
◆ 本文 
◆ 単語の切れ目・意味
◆ 原文の語順訳
◆ 日本語訳
◆ ポイント解説
◆ 編集後記


=◎ ゲーランダ・サンヒター 3:15================

◆ 本文(原文)

画像1

meḍhraṃ dakṣiṇagulphe tu dṛḍhabandhaṃ samācaret
jarāvināśinī mudrā mūlabandho nigadyate (15)

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◆ 単語の意味(連声を切った後の、各単語の意味)

meḍhram 陰茎
dakṣiṇa 右の
gulphe 踵
tu しかし、また
dṛḍha 堅固、不動
bandham 結ぶこと、閉めること、足枷をつけること、結合、組み合すこと、
つなぐこと、姿勢、~の方へ向けること
samācaret 為す、実行する、遂行する

jarā 老い
vināśinī 消失、喪失、分解、破壊、滅亡
mudrā ムドラー
mūlabandhaḥ ムーラバンダ
nigadyate 呼ばれる、称される、見なされる

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 ◆ 原文の語順訳(原文を原文の語順と発想のままで読むための訳)
  
  陰茎を、右・踵に、また、堅固に、結ぶことを、なすべきである。
  老い・消失させる、ムドラーが、ムーラバンダ、呼ばれる。
 
 ◆ 便宜的な意味(上の訳を自然な日本語の語順、流れになおした訳)

  また、陰茎を右の踵に、堅固に据えるべきである。
  老いを消滅させるムドラーが、ムーラバンダと賞される。

 ◆ ポイント解説

ムーラ・バンダの動作解説の続きです。前節では左足の踵の操作が説かれていましたが、こちらでは右の踵の操作が続けて説かれています。形のイメージができるでしょうか。

プラディーピカーではこちらと同じく踵で会陰を押すという動作でしたが、どちらの足という指定がなく、さらに反対の足をどうするという記述も無かったのですね。

そしてその代わりに肛門の操作と、なぜそうするのかの説明があったのですが、こちらでは今のところその点について全く触れられていず、同じムーラバンダながら形がかなり違っています。

このムーラバンダ、つまり「ムーラのバンダ」ということですが、プラディーピカーではなぜその名称なのか、何がムーラで、なぜムーラバンダと呼ばれるのかがわかりやすい解説だったのですが、こちらではそれがよくわかりにくい解説となっています。

ただヒントはあって、訳では「据える」とした原文は「bandha」となっており、直訳すれば「陰茎を右の踵に堅固にバンダするべきである。」とでもすることができます。つまりこれがこちらでは「バンダ」と見做されているのであろう、という点を読み取ることができそうです。

もうひとつ、以前にこちらではムドラー解説にバンダを含めていることを書きましたが、ここでもはっきりとそれが説かれていて、このムーラバンダがムドラーであると明確に定義している点も読んでおきたいところと思います。

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  詳細解説はブログで

  https://note.com/sanskrit/n/n4ede84f58576

                       (第1034号 完)
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  サンスクリット原典で、読んで、学んで、深めるヨーガ!
         発行者  誠  samskritamakoto@gmail.com

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