サンスクリット原典で、読んで、学んで、深めるヨーガ!第1011号『ゲーランダ2:37
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サンスクリット原典で、読んで、学んで、深めるヨーガ!
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 2022.03.14.◆第1011号◇
目次
◎ ゲーランダ・サンヒター 2:37
◆ 本文
◆ 単語の切れ目・意味
◆ 原文の語順訳
◆ 日本語訳
◆ ポイント解説
◆ 編集後記
=◎ ゲーランダ・サンヒター 3:37================
◆ 本文(原文)
atha garuḍāsanam
jaṅghorubhyāṃ dharāṃ pīḍya sthirakāyo dvijānunā
jānūpari karayugmaṃ garuḍāsanamucyate (37)
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◆ 単語の意味(連声を切った後の、各単語の意味)
atha さて、それでは
garuḍāsanam ガルダ・アーサナ、ガルダーサナ
jaṅgha 脚(特にくるぶしから膝まで)脛、ふくらはぎ
ūrubhyām もも、大腿
dharām 大地、子宮
pīḍya 圧する、締め付ける、絞る
sthira 堅固な、堅い、固体の、硬直した、不動の
kāyaḥ 身体
dvi 2
jānunā 膝
jānu 膝
upari 上に
kara 手
yugmam 偶数の、対、夫婦
garuḍāsanam ガルダ・アーサナ、ガルダーサナ
ucyate 言われる、呼ばれる
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◆ 原文の語順訳(原文を原文の語順と発想のままで読むための訳)
さて、ガルダ・アーサナである。
両脛・大腿によって、大地を、押して、堅固・身体が、両・膝によって、
膝・上に、手・双方を、ガルダ・アーサナ、呼ばれる。
◆ 便宜的な意味(上の訳を自然な日本語の語順、流れになおした訳)
以下が、ガルダ・アーサナである。
両方の脛と大腿で地面を支え、両膝によって身体を不動にし、
膝の上に両手を置く、ガルダと呼ばれるアーサナである。
◆ ポイント解説
ヴリクシャの次、ガルダ・アーサナです。ガルダとは伝説の鳥の名前で、マハーバーラタなどにはこの鳥の面白い物語が収録されています。日本では仏教を通じて迦楼羅(カルラ)と漢訳された語が入ってきていて案外身近な動物(?)です。
またヒンドゥー教が伝わった東南アジアの国々でも人気のある鳥で、ガルーダ・インドネシア航空の名前はここからきていて、インドネシアの国章にはこの鳥がデザインに用いています。
表現はこれまた既出の表現とその組み合わせで成り立っていて、それらと相互参照することで読み深めが可能です。
例えば、「jaṅgha」について、かつて2:12のヴァジュラ解説で、訳によってはこれを大腿としていることに触れましたが、ここではその「jaṅgha」と、より明確に大腿であることがわかる「ūru」とが同時に登場していますね。とすると前者が大腿であることがよりおかしくなってくるわけです。前後全体で読むことが大切になってくるという良い例と思います。
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詳細解説はブログで
https://note.com/sanskrit/n/n4ede84f58576
(第1011号 完)
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発行者 誠 samskritamakoto@gmail.com
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