サンスクリット原典で、読んで、学んで、深めるヨーガ!第1005号『ゲーランダ・サンヒター』2:31
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サンスクリット原典で、読んで、学んで、深めるヨーガ!
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 2022.03.10.◆第1005号◇
目次
◎ ゲーランダ・サンヒター 2:31
◆ 本文
◆ 単語の切れ目・意味
◆ 原文の語順訳
◆ 日本語訳
◆ ポイント解説
◆ 編集後記
=◎ ゲーランダ・サンヒター 2:31================
◆ 本文(原文)
atha kukkuṭāsanam
padmāsanaṃ samāsādya jānūrvorantare karau
kūrparābhyāṃ samāsīna uccasthaḥ kukkuṭāsanam (31)
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◆ 単語の意味(連声を切った後の、各単語の意味)
atha さて、それでは
kukkuṭāsanam クックタ・アーサナ、クックターサナ
padmāsanam パドマ・アーサナ、パドマーサナ
samāsādya 近づく、試みる、達する、得る
jānu 膝
urvoḥ 腿、大腿
antare 近い、親しい、内部の、他の、中間、入り口に
karau 手
kūrparābhyām 肘、膝
samāsīnaḥ 坐す、止まる、留まる
ucca 高い、聳える
sthaḥ 立っている、ある、存在する、専念した、実践する
kukkuṭāsanam クックタ・アーサナ、クックターサナ
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◆ 原文の語順訳(原文を原文の語順と発想のままで読むための訳)
さて、クックタ・アーサナである。
パドマ・アーサナを、行い、膝・腿・間に、両手を、
両肘によって、坐す、高く・留まり、クックタ・アーサナである。
◆ 便宜的な意味(上の訳を自然な日本語の語順、流れになおした訳)
以下が、クックタ・アーサナである。
パドマ・アーサナをなして、膝と腿の間に両手を差し入れ、
両肘に坐すように高く留まる。クックタ・アーサナである。
◆ ポイント解説
マユーラの次、クックタ・アーサナです。原文は定型文のため説明不足のようなところがあり、訳ではそこを少しながら補っています。例えば「差し入れ」などは原文にはない言葉ですね。
プラディーピカーでは1:23に登場しており、こちらと同じ、パドマ・アーサナという語で始まっていますが、そこからの文章はかなり違っています。ただ結果的にとるアーサナの形としてはさほど変わりないものとなっています。
ここで思い出していただきたいのですが、本編でのパドマ・アーサナ解説では、足の組み方だけでなく、手や顎、また視線の操作も含めてパドマ・アーサナと説かれていたのでしたよね。それがここでは、顎や視線については触れていませんが、両手は膝と腿の間に入れることを想定しているので、本編のパドマで触れられたように、背後で両手を交差する形はとれませんね。つまりここでは足だけの形をパドマと認識していることになります。
既に触れたように、現在パドマ・アーサナというと、足だけの組みをもってそう見做すことが多いようですよね。その流れはこのように古典の段階からきていることがこの記述で読み取ることができそうです。
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詳細解説はブログで
https://note.com/sanskrit/n/n4ede84f58576
(第1004号 完)
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サンスクリット原典で、読んで、学んで、深めるヨーガ!
発行者 誠 samskritamakoto@gmail.com
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