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父を探し求めて‥心の穴と向き合う


1.父との別れ

私がまだ小学生一年生の頃、両親は離婚しました。

原因は借金や浮気ではなく、ただ相性が合わなかったということ。父は銀行マンで仕事一筋、母は理想が高く頑固で、価値観がぶつかっていたんだと思います。

それでも、父は私たち子どもにはとても優しかった。

とくに私には「どこ行きたい?」と聞いては、いろんな場所に連れて行ってくれた思い出があります。そんな父との暮らしが終わり、6歳で母と姉二人との生活が始まりました。


2.探し続けた父の面影

父と離れてからというもの、母は仕事で忙しく、一緒に過ごせる時間はどうしても限られていました。

私は休日になると寂しさを紛らわすように家を飛び出し、友達と遊んだり、一人でふらふら出かけたりしていました。

でも、今でも心に残っているのは友達と遊んだ記憶よりも、友達の父親が本当の親のようにキャッチボールを教えてくれたときのことです。

ボールがうまく投げられない私に、「もう一度やってみろ」と真剣にアドバイスをくれた姿を、いまだに鮮明に覚えています。私にとっては、まるで父が戻ってきたかのような時間でした。


3.釣りの思い出に蘇る記憶

あるとき、釣り好きの友達の父親に誘われて、海に出かけたことがありました。

釣り餌のなんともいえない独特のにおいを嗅いだ瞬間、子どもの頃に父とも釣りに行った思い出が蘇ったんです。父に手を引かれながら、波の音を聞いてワクワクしたあの感覚。ふと「父も、あのとき私を楽しませようと一生懸命だったんだな」と思うと、胸が少し苦しくなりました。


4.心に空いた穴と向き合う

時は流れて、私はもう40を過ぎました。子どもの頃に父がいなくなったことでぽっかり空いた穴は、いつしか消えたはずだと思っていましたが、実際は今もそこにあるのを感じます。

寂しさや不安を埋めるために、人からの承認や賞賛に頼ってきた時期もありました。でも、どこかで「本当の満たされ方じゃないな」と冷めてしまう自分がいました。

新しい挑戦やチャンスが来ると、「うまくいって周りに注目されると、また虚しさを感じるかもしれない」と怖くなる。まるで、偽物のブランドバッグを持っているのに、それを羨む周囲を見て自分がむなしくなるような感覚に近いんです。

結局、心の穴をごまかしてきただけだったんだと思います。


5.穴を埋めるために

父の不在を受け入れるのは、正直つらいことです。でも、穴を埋めるには、その穴にずっと蓋をしていた事実をまず認めることから始めなければいけないと感じています。

私にできる具体的な方法は、日々の自己成長を重ねること。何かを学び、誰かに親切にし、目の前のことを一歩ずつ積み重ねる――

そんなささやかな行動を続けていくうちに、いつか穴が少しずつ埋まっていくかもしれません。
もしかしたら、埋める必要もないのかもしれません。

まだ道半ばだけど、父が与えてくれた優しさと、友達の父親たちが教えてくれた温もりは、私の中で大切な光になっています。

いつか、幼い頃の自分に、「その心の穴はいつか宝物になる」と心から言えるようになるために、今、少しずつ歩みを進めていきたいと思います。


さんしたのエッセイを理論的にアプローチする☝️


ここまで読んでいただきありがとうございます。

実はこのエッセイは、私自身がジャーナリング(心の内面を言葉に書き出す作業)をする中で発見した、「何者かになりたい」という願望と、そこにまとわりつく「注目されることへの恐れ」がベースになっています。

さらに深く掘り下げてみると、“心の穴を埋めるために装ってきた偽物感”という潜在意識が見えてきました。

今回は、このジャーナリングのテーマや気づきについて、もう少し理論的にアプローチしながらお話ししてみたいと思います。

あなたの中にも似たような悩みやブロックがあれば、ぜひ一緒に考えてみてくださいね✨


目次

  • 1️⃣ 願望:何者かになりたい理由とは?

  • 2️⃣ ブロック:注目を浴びることが怖いワケ

  • 3️⃣ 潜在意識で見つかった“偽物感”

  • 4️⃣ ジャーナリングの活用法

  • まとめと一言アドバイス


1️⃣ 願望:何者かになりたい理由とは?

「何者かになりたい」という思いって、けっこう多くの人が持っているものですよね。今のままでも生活はできるけれど、もっと自分の存在を認めさせたい、称賛されたい…そんな気持ち、ありませんか?

ただし、その欲求が強すぎると、日常の楽しみや、小さな幸せを見落としてしまうことがあります。自分を大きく見せたい、または特別な人間になりたい気持ちが先行しすぎて、逆にストレスを抱え込んでしまうんですよね。


2️⃣ ブロック:注目を浴びることが怖いワケ

一方で、注目されるのを恐れる心理もある。

これは「目立ちたいのに目立つのが怖い」という、ちょっと矛盾したジレンマです。

例えば、SNSで投稿をバズらせたいのに、実際にバズったら「変なコメントが来たらどうしよう…」と不安になる感じ。そんなふうに注目を集めると、自分が批判されたり、偽物だとバレたりするかもしれない…って怖さを抱いてしまうわけです。


3️⃣ 潜在意識で見つかった“偽物感”

そして、ジャーナリングによって浮かび上がったのが“心の穴を埋めるために装ってきた偽物感”でした。

これは、承認欲求にしろ自己顕示欲にしろ、実は本当の自分じゃない自分を演じていた部分がある、ということですよね。

「自分が何者かになりたい気持ち」自体は自然な欲求だけど、その動機が“寂しさの埋め合わせ”だったりすると、達成しても満足感が得られず、むしろ空虚に感じてしまうんです。

まるでスカスカの土台に無理やり建物を立てようとしているようなもの。そりゃあ不安定になるのも当たり前かもしれません…。


4️⃣ ジャーナリングの活用法

では、こうした気づきをどう活かしていくか。一つの方法としては、ジャーナリングで発見した感情や“偽物感”を、さらに具体的な言葉に落とし込むことがおすすめです。

例えば、普段「自分に嘘をついているかも…」と思ったら、その瞬間どんな場面かを書き留める。

「誰といるとき」「どんな言葉を使ったとき」「どんな気持ちになったか」を一つひとつ可視化していくんです。

そうすることで、「あ、ここで無理してキャラを作ってたんだな」とか「実はこれが怖かったんだな」といった新たな発見が出てきますよ☘️


まとめと一言アドバイス

人間は誰しも、理想の自分を描きつつ、本音では「怖いから引っ込みたい」というブレーキを踏む瞬間があります。

でも、そのブレーキをしっかり見つめることで、何者かになりたい気持ちと上手に折り合いをつけられるはずです。

最後に、一言アドバイスです。

偽物感を乗り越えるには、“装い”をすぐにやめる必要はありませんが、「今、ちょっと演じてるな」と気づく癖をつけることが大切です。

気づきさえすれば、人は徐々に本来の自分を取り戻していけるんです。どう思いますか? あなたもぜひ、ジャーナリングを活用して、自分の本当の願望と向き合ってみましょう✨


このマガジン「さんしたの深層」では理想の自分に近づくため(自己実現、自己一致を叶える)、潜在意識に潜むブロックを徹底的に解明・解除するプロセスを、自らを実験台にして理論的に検証します。

もしあなたが、「現状が変わらない」「人生が報われない」とお悩みであれば、一緒に潜在意識について考えてみませんか?
気軽にコメントやフォローをいただけるとうれしいです✨


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