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二十四節気『大寒』。椿もちひ日和。

現在、二十四節気は小寒(しょうかん)真っ最中。

そしていよいよ1月20日からは、一年で最も寒さ極まるとき、大寒(だいかん)に入ります。

散歩にはちょっと厳しい季節。ついつい、「寒いな~ヤダな~」と思ってしまいます。

でも、寒さも必要だなと思うんです。

桜も、冬の寒さがあるからこそ咲くのです。
寒さがないと、桜も咲きにくくなるそうです。

雪が降れば、その雪解け水が大地を潤す水源となります。


今年は(も?)暖冬になりそうとのニュースを見ましたが、それが「良い」とは言えないなぁ、と思ってしまいます。


さて、私が寒さ極まる頃に思い出す和菓子といえば・・・

椿餅(つばきもち)』。

道明寺生地の餅に餡を入れ、椿の葉で挟んだお菓子です。

椿餅(菊園@千葉市)

源氏物語にも登場する、歴史あるお菓子なのです。

「つぎつぎの殿上人(てんじょうびと)は簀の子(すのこ)に円座(わらふだ)めしてわざとなく、椿(つばい)もちひ、梨、柑子やうの物ども、様々に、箱の蓋どもに取りまぜつつあるを、若き人々、そぼれ取りくふ・・・」

源氏物語

この「椿もちひ」が椿餅です。それを高貴な方々が、そぼれ取りくふ(はしゃいで取って食べる)。よほどおいしかったのでしょうか。



椿餅は、大河ドラマ『光る君へ』にも登場しました。幼い一条天皇と定子の微笑ましいやりとりが、今もありありと目に浮かびます(光る君へロス中)。

定子:「お上のお好きなもの、お教えください。お上の好きなもの、私も全部好きになります」
一条天皇:「ははうえ、つばきもち、、、まつむし!」
定子:「わたし、虫だけは苦手なんです」

「光る君へ」より


椿餅は、平安時代にはすでに現在の椿餅と同じような形だったそうです。

ただし当時、あんこはまだ発明されておらず、甘くしたお餅を椿の葉で挟んだものだったと考えられます。

同じ姿をしたお菓子が、現代にも同じように残っているなんて、ロマンがありますね。
お菓子をずっと紡いできてくれた先人たちに感謝。

そんなわけで、この季節には椿もちひでもそぼれ取りくひ、元気に過ごしていきましょう。

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