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三浦半島釣り魚図鑑(34) キュウセン(メス)
キュウセンという可愛らしいベラについては以前も書いたのだけれど、この魚はオスとメスがかなり姿が違うので、メスもスケッチしてみた。以前書いた記事はこちら↓
以前の記事でも書いたけれど、キュウセンは性転換する魚で、幼魚はメス、大きく成熟するとオスになる。ただし、たまに生まれつきメスの姿をしているオスもいるのだそうだ。
先日海の中をゴーグルをつけて覗いていたら、キュウセンが泳いでいるところを見ることができた。その時見えた中に目測20cmは超える大きさのピンクに茶色縞の入ったメスのキュウセンがいたのだけれど、この大きさになるともうオスになっていてもいい頃。もしかすると私が見たのは、生まれつきメスの姿をしているオスだったのかもしれない。どの程度の割合でこの見た目メスのオスがいるのかはわからないし、まあ、確認しようはないのだけれど。
と言うわけで今日のスケッチは、多分メスだけれど、もしかするとメスの姿をしたオスの可能性もあるにはあるキュウセン。
ともかく、夏にいつもの場所で釣りをしているとよく釣れるのがキュウセンで、やはりどちらかというと釣れるのはこの、少し小ぶりでメスの姿をしたほうのことが多い。オレンジがかったピンク色に焦げ茶色やオレンジ色の線が並ぶ。時には、性転換している途中なのだろうか、メスとオスの間くらいの色合いのものもいる。
九線とは言いながら、ラインははっきりしている訳ではなく、9本探すのは難しい。ところどころ、青緑色や黄緑が混じり、絶対に自分では考えないような配色なのだけれど、自然の色というのは派手なのに馴染んでいて美しいから不思議。
以前も書いたけれど、うちではベラの中ではキュウセンが一番おいしいということになっていて、中でも塩焼きにするのがおいしいと子どもが力説しているので、この日も塩焼きに。身が柔らかくて、少し水っぽいと言われることもあるけれど、ちゃんと内臓を取った後に、キッチンペーパーに包んで余分な水気を取っておくと、やっぱりちゃんとしっとりふっくら焼きあがって、おいしい。皮もほかのベラよりは薄いので、ほどよく焼けていれば皮目までおいしく食べられる。
関東では外道的扱いのベラだけれど、どうやら関西ではギザミと呼ばれてけっこう人気の魚らしく、流通もしているそう。どうりでおいしい訳。うちの子の舌もなかなかだ。
本当かな?と思うのだけれどベラの多くは冬は冬眠するらしく、少なくとも冬は岸に近いところでは釣れなくなってしまう。だから旬は夏。今のうちにじゃんじゃん釣って味わっておかないと。