三浦半島釣り魚図鑑(14) イシダイ(しまだい)
船着場で釣りをしていると、水面が近いので魚がよく見える。よくいるのがしましまの魚。イシダイに似ているけれど、まさか釣れたらうれしい魚のひとつ、イシダイがそんなにたくさんいるわけないよな、と思っていた。
もちろん、しましまにもいろいろあって、以前紹介した、カゴカキダイとか、
オヤビッチャという魚であることも多い。でも、あるときこのしましま魚が釣れて、それが正真正銘のイシダイであるとわかった。「イシダイ」とはいっても標準和名はイシダイだけれど、このとき釣れた、絵のような15cm程度のイシダイは普通は「シマダイ」と呼ばれているらしい。群れて船着場にたくさんいるのもほとんどシマダイサイズ。
で、シマダイが育ったものがイシダイで、縞模様はやや薄くなる。イシダイがさらに育ち、それがオスであると縞模様はなくなって、口の辺りだけが黒、全体が銀色をおびてくるというのだが、それを「クチグロ」と呼ぶそうだ。私も釣りゲームでしかみたことがないけれど。
この絵を描いた時のシマダイは、おとなり葉山町で息子が釣ったもの。はじめはイソメの餌釣りをしていたのだけれど、餌がなくなったので、その辺の貝を割って、餌にしていたら釣れたらしい。シマダイの歯はするどい。きっとこの歯で、貝を噛み砕いたりして食べているのだと思う。
シマダイはこの日釣れたタカノハダイやベラと一緒に塩焼きにして食べた。シンプルだけど、魚の味がわかる食べ方。タイというだけあって、おいしい魚だったのだけれど、ちょっと小さい、というか身が薄っぺらいのが残念。クチグロとはいわずとも、いつか本当のイシダイが釣れたらうれしい。