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#15 憩いの場から見える空は奈良時代と同じ

 この地に立つと、我が心はいにしえの奈良時代へといざなわれる。
 空が広い。
 この空の広さは、奈良時代と変わっていないはずだ。

 相模国分寺跡は、1921年(大正10年)に国の史跡に指定された。全国の国分寺跡としては初めての国指定だったという。全国にある国分寺は、741年(天平13年)に聖武天皇の「国分寺建立の詔」によって建てられたもので、地震・火災などに見舞われながらも再建が繰り返され、歴史の中で、それぞれの役割を果たしてきた。千年以上の時の流れは想像するしかないが、当時のままで保存・配置されている建物の礎石は、私たちに多くのことを語ってくれる。

 歴史公園として整備されている相模国分寺跡には多数の訪問者が訪れる。朝は地域の人たちのラジオ体操で始まる。犬の散歩に訪れる人も多い。放課後となると小学生たちの声で溢れる。草刈りなどのボランティア活動も展開され、市民の憩いの場となっている。

 相模国分寺跡の入口近くには、海老名市立郷土資料館「温故館」がある。「温故館」は、741年に相模国分寺跡の史跡指定にあわせて「遺物陳列館」として開館したという歴史をもつ。そこでは郷土の歴史に関する記録・民俗・考古その他の資料収集・保管・展示をしている。近隣の小学生をはじめ多くの訪問者があり、相模国分寺跡とともに、歴史を学び、歴史的な時間の流れを感じることができる場となっている。

 このように、歴史もあり、市民の憩いの場ともなっている国指定の相模国分寺跡史跡なのだが、この隣接地に明和地所株式会社と株式会社ねお設計は高層マンションを建設しようと計画を進めている。

 史跡相模国分寺跡から見える空は今後どうなるのか?

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