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#113 あるシナリオ 邪推で終わってほしい

 5月27日の新聞報道の後、「新聞を読んだよ。明和地所が建設計画を大幅変更するんだってね。良かったね」と各地から連絡をもらった。
 私は新聞の記事を読んで、多くの疑問と複雑な思いを持っていた。だから、少しも「良かった」とは思えなかった。

 いくつかの疑問点がある。明和地所の動きも内野市長の動きも解せない。
 かなり強気で建設すると言い放ち、海老名市と神奈川県への申請をやっていた明和地所が建設計画を大幅変更すると突然言い出した。あれだけ住民・市民に高圧的だったのに。何故だ?
 「現在の建築法では建設を止めることはできない。私は議員時代、一度も建設を止めることができなかった」と建設を容認する発言をしていた内野市長が、複数回、明和地所を訪問した。住民からの陳情は経済建設常任委員会で否決されている。市長が明和地所を訪問しなくてはならない理由はないのだ。行くとしたら、まちづくり課の課長か。何故、内野市長は明和地所を複数回も訪問したのか?
 疑問はまだある。明和地所は大幅変更すると発表しておきながら、変更内容を発表しない。説明会の時期も示さない。建築業界では、このようなことは日常的なことなのか。不可解なことだ。

 9月19日、私は明和地所に電話して、以下の回答を得た。
◆明和地所は変更内容を社として未だ決定していない。
◆明和地所は発表時期を社として未だ決定していない。
◆しかし、発表時期は担当者ベースでは年内かと考えている。

 この3点の回答から覗い知れることは、次の2点だ。
◆変更内容も発表時期も明和地所は社として既に決定している。
◆しかし、それを社として公表することは今はできない。

 以上のことから、次のようなシナリオが浮かんでくる。
▲11月には市長選挙がある。現職の内野市長と対立候補の氏家氏の立候補が予想されている。昨年、2022年の12月、相模国分寺跡隣接地高層マンション建設問題は、海老名駅周辺の開発とともに大きな争点となろうとしていた。開発か環境・文化財の保護かという争点。ところが、2023年5月の時点で「計画の大幅変更をする」と発表することにより、大きな争点が1つなくなることになった。
▲市長選挙が終わり、内野市長が再選された場合、その後、明和地所は住民説明会を開き、次のいずれかの決定、またはこれに近いものを発表する。
◎建設の計画変更を長期間検討したが、うまくいかなかった。よって、当初の計画通りのものを建設する。
◎建設の計画変更を検討した結果、住民・市民の要望を受け入れて、14階から12階に変更することにする。
▲内野市長は明和地所のこのような発表内容に関して、「明和地所が長期間検討した結果だ。法的にも問題はないわけで、受け入れるしかない」とコメントを残す。
▲これで終わり。

 実は、このシナリオは5月の新聞報道のときから私の頭にあった。それがいよいよ現実味を帯びてきている。実際、相模国分寺跡隣接地高層マンション建設問題は大きな争点になっていない。住民・市民の話題から消え、関心も小さくなってきている。公明党のある議員は「相模国分寺跡隣接地の明和地所の高層マンション建設は中止になった」と発言した。中止になったとは誰も聞いていない。今は市議会議員選挙前だから、公明党議員は争点にしたくないのだろう。なぜなら、住民からの陳情に反対したのだから。

 ここからが問題なのだ。
 もし、先のシナリオが、一部の人間によって作られたものであり、それが真実だとしたら大きな社会問題となる。なぜなら、選挙という民主的システムを争点ぼかしという方法で機能不全状態に陥れたからだ。選挙というシステムのなかで堂々と議論して、市民の判断を仰ぐべきところを骨抜きにしてしまった。誰がどのように関与したのか明らかにさせなくてはならない。
 相模国分寺跡隣接地高層マンション問題は、市政に関する問題・民主主義の問題に拡張されることになるかもしれない。

 ▲で始まる上記シナリオは私の推測である。ところが、同じことを考えていたという人が少なからずいることが分かった。いや、少なからずではない。かなり多くの人が同じようなシナリオを描いているようだ。

 選挙が終わった後、海老名市は大変なことになるかもしれない。
 民主主義の破壊行為。

 このブログでは事実のみを書き、推測を書くことは避けてきた。しかし、多くの人が似たような推測をしているという事実を記すことは必要だと考えた。 
 私たちの邪推で終わってほしいものだ。

(23.10.23)



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