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パワハラが原因でうつ病になった場合の慰謝料の請求と労災認定について

はじめに:私自身の経験


私自身、パワハラが原因によりうつ病になりました。実際、2023年1月17日からうつ病の診断書を医師にもらっています。

しかし、パワハラが原因だと証明することができなかったため、慰謝料の請求や労災認定を断念しました。

そこで、今回は、そのようなパワハラが原因でうつ病になった場合の慰謝料の請求についてまとめてみたいと思います。

パワハラとは:どんな損害賠償請求ができるか


パワーハラスメント、通称「パワハラ」とは、「職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為」と、厚生労働省によって定義されています。

「パワハラ」によって、うつ病になったような場合、「パワハラ」を受けた被害者は「パワハラ」の直接の加害者に不法行為に基づく損害賠償請求をできるのみならず、「パワハラ」が職務に関連するものであれば、会社に対して、不法行為の使用者責任や、安全配慮義務違反を理由とする損害賠償請求を行うことが考えられます。

では、パワハラを原因としてうつ病になった場合の慰謝料の相場はどの程度なのでしょうか。


パワハラを原因としてうつ病になった場合の慰謝料の相場


「慰謝料請求」とは、精神的損害に対する賠償請求を行うもので、権利侵害行為、ここでいうパワハラと因果関係が認められる精神的損害が大きければ大きいほど、慰謝料も大きくなる傾向にあります。


そして、精神的損害という性質上、直接経済的損失を被るわけではなく、これを金銭で見積もることが求められるため、金額の算定が困難な側面があります。

パワハラの内容が悪質であれば慰謝料は高くなる傾向
パワハラが行われた期間が長く、頻度も多いような場合にも、慰謝料が高くなる傾向
・パワハラを行っていたものとその被害者の関係性に力の違いがあればあるほど、高くなる傾向

これは、職場における優位的地位を用いて行われるのがパワハラであるため、抵抗できない、ストレスが大きいと考えられる、力の差の大きい上司からのパワハラのほうが精神的損害が大きいと考えられているからです。


では、相場はいくらなのでしょう。


上述のように、パワハラの態様によって金額にばらつきがありますが、裁判例の相場としては、50~200万円を推移しています。

5万円が認められたケース>
「意欲がない、やる気がないなら、会社を辞めるべきだと思います。当SCにとっても、会社にとっても損失そのものです。あなたの給料で業務職が何人雇えると思いますか」といったメールがパワハラにあたると判断されたものがあります。

これは、メール発信者の意図もパワハラの意図がなく、悪質性も弱く、また、業務メールの性質を強いため低額となりました。

600万円の慰謝料請求が認められた事案>
高等学校において「校長」が「教諭」(力関係が歴然)に対して、4年6か月以上にわたり、職員室内で隔離、何ら仕事を与えず物置部屋に隔離、自宅研修を行わせる、一時金の不支給、賃金の据え置き等(長期間かつ悪質なパワハラ行為を日常的に行っている)を行っていた事案が挙げられます。

証拠を集める重要性


パワハラ被害にあった場合には、そのパワハラの程度に応じて、相場としては50~200万円のパワハラ慰謝料請求を行うことができます。


もっとも、パワハラは職場内の限られたコミュニティで行われるものであり、証拠の収集が困難なものです。

メール等に証拠が残っているような場合には、退職してしまうと証拠を消されてしまいますし、そもそも自分で保存しようとしなければ残らないパワハラも多数存在します。

訴訟は証拠に基づいてパワハラの事実を認定するので、証拠の収集は極めて大事といえます。

パワハラにお困りの方は、早期に弁護士にご相談ください。証拠の収集や、パワハラに該当するかどうか適切にアドバイスできますし、なにより、パワハラに苦しむあなたの精神的支えとなります。

パワハラで労災認定されるための条件


法律上ではパワハラについて明確に定義されていませんが、厚生労働省では「以下3つの要件を満たすもの」と定義しています。

  1. 優越的な関係を背景とした言動であること

  2. 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものであること

  3. 労働者の就業環境が害されるものであること


さらに、厚生労働省ではパワハラを以下の6種類に分類しています。

①身体的な攻撃:暴行・傷害

身体的な攻撃とは、「殴る」「蹴る」「胸ぐらを掴む」など、暴力によって攻撃する行為です。

②精神的な攻撃:脅迫・名誉毀損・侮辱・暴言


精神的な攻撃とは、「バカ」「アホ」などと人格否定したり、「今すぐ辞めろ」などと暴言を吐いたりして攻撃する行為です。

③人間関係からの切り離し:隔離・仲間はずし・無視

人間関係からの切り離しとは、「仲間はずれにして仕事を教えてくれない」「プロジェクトから外される」などの行為です。

④過大な要求:業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことを強制する

ケースによって境界線が難しいところですが、周りと比べて明らかに仕事量やノルマが多く、それが精神的・肉体的に負担になる場合には過大な要求としてパワハラに該当する可能性があります。

⑤過小な要求:仕事を与えない

「仕事を与えない」というのもパワハラのひとつです。

⑥個の侵害:私的なことに過度に立ち入ること


上司等が過度にプライベートな部分に関わってきて、「上司だから断れない…」などの精神的負担を感じている場合には、パワハラに該当します。


なお、パワハラに関する主な認定要件は、以下の3つです。

  • 精神障害を発症している

  • 発症前おおむね6ヵ月間に業務による強い心理的負荷が認められる

  • 職場以外の心理的負荷によって発病したものではない

労災認定されるパワハラ被害として典型的なものが「精神的な被害」です。

代表的な例として、うつ病・適応障害・心因反応・心因障害・睡眠障害などがあります。


パワハラで労災認定されるための手順

労災認定を受けて労災保険の給付を受けるには、労働基準監督署へ申請しなければいけません。

会社によって異なりますが、なかには「精神障害などは労災として考えていない」という会社もあります。

その場合、会社では労災申請をしてくれず、労働者が自ら労災申請せざるを得ないでしょう。


なお、労災保険には以下のような種類があり、ケースによって給付内容が異なります。

  • 労災により療養が必要な場合:療養補償

  • 労災により休業した場合:休業補償

  • 労災により療養して1年半を過ぎても治癒せず、傷病等級(第1級~第3級)に該当する場合:傷病補償

  • 労災により負った傷病が治癒しても一定の障害が残った場合:障害補償

  • 業務中または通勤中の事故で死亡した場合:遺族補償

  • 業務中または通勤中の事故で死亡して葬祭を行った場合:葬祭料

  • 一定の障害によって傷病補償または障害補償を受給し、介護を受けている場合:介護補償


①書類準備・作成

療養補償を請求する際は「療養補償給付たる療養の給付請求書」が必要です。

労働保険指定医療機関で療養した場合は5号用紙、労働保険指定医療機関以外で療養した場合は7号用紙を準備して記入しましょう。

受診先が労働保険指定医療機関かどうかは「労災保険指定医療機関検索|厚生労働省」で確認できます。


②医師の証明をもらう(労働保険指定医療機関以外で療養した場合)

労働保険指定医療機関以外で療養した場合には、医師からの証明が必要です。

③書類の提出

5号用紙は病院に提出し、7号用紙は労働基準監督署に提出して完了となります。

もし会社が書類記載に応じない場合は、会社欄が空白のままでも申請自体は受理されますので安心してください。




最後に:自分のケースを紹介w




ーーーーー経緯概要ーーーーー
・6/12:退職日を言わずに私から退職の申し出をメールにて出す。
・6/26に「7/31を退職日として確定して下さい」と私から遠口さん宛にメールを送る。
・6/27に「6/16に自然退職」と一方的に遠口さんからメールを受ける。
ーーーーー経緯概要ーーーーー

ーーーーー相談概要ーーーーー
「6/16で自然退職」ということなら、連絡系統の不備と総務の不誠実さによる、不当な解雇になる認識。。
・1/17-6/16まで休職。
・6/7に医師の診断により6/17以降も静養が必要と診断書をもらう。
・6/7に6/17以降も休職する旨を営業に伝える。
・6/12に私から退職の申し出をメール。
・6/26に「7/31を退職日として確定して下さい」と私から総務にメール。
。6/27に事後報告で総務より「6/16に自然退職」とメール。
・6/12-7/31の間は軽い仕事なら働けた認識ですので、「6/17で自然退職」なら不当解雇とみなし法的措置をとりたい。
ーーーーー相談概要ーーーーー
ーーーー時系列の経緯ーーーー
・1/17からの休職は、営業部の実由さんにLINEにて診断書と休職したい旨を伝える。
 実由さんから「総務」に連絡をして下さいと言われたので、
 「あっとま総務」と「総務」宛でメールをする(なぜ、「あっとま総務」と「総務」の宛先があるのか不明。
 連絡系統の体系化がされていない)。また、社長にも伝えた(毎日の社長への業務連絡はmustだと就業時に実由さんから連絡を受ける)。
・1/17以降、休職の手続きは永山さんという方(総務ではないらしい)と連絡をとり行う(なぜ総務部ではなく永山さんなのか不明。連絡系統の体系化がされていない)
 ※この時点でも休職制度についての説明や就業規則に則り休職期間が1ヶ月であることは説明されない(連絡・説明の不足)
 ※総務には休職届のみを郵送され受理されるが、診断書は郵送していない(営業部の実由さんに写メを送ったから不要だった?連絡系統の体系化がされていない)。
・6/7:医師の診断により6/17以降も静養が必要と診断書をもらう。
 ※営業部には、休職する旨を6/7-6/12の間(いつかは覚えていない)LINEで伝えたが
 総務部にはメールや休職届を出していない(営業部の実由チーフに伝えれば良い認識だった。連絡系統の体系化がされていない)
 ※LINEは消したので文面は残っていない(そもそも仕事のやり取りをLINEで行うのもどうかと思う。連絡系統の体系化がされていない)
 ※いつか忘れたが診断書は会社に提出している(写メや医師に言えば控えもある)。
・6/12:退職日を言わずに私から退職の申し出をメールにて出す。
 ※なぜか営業部の実由さんから退職日が分からないから教えて欲しいとLINEが来る(連絡系統の体系化がされていない)
 ※6/16に退職になるとは告げられないまま6/26に事後報告で「6/16に退職」のメールが遠口から来る。
 ※早めの退職を申し出たのは、転職エージェントにせかされたためと会社にとって手続きがスムーズにいくと思慮したため。
・6/14:永山さんに「退職の手続きをしてくれないと総務部へ催促してもらう旨」と「総務が誰だか分からない旨」をメールを出すも返信がない。
・6/16:会社としては自己都合により自然退職した認識とのこと
 ※6/16以前にそのような連絡は一切来ていない(連絡・説明の不足)
 ※私としては営業部への連絡と診断書に基づきこれまで通り休職している認識(連絡系統の系統化がされていない)
 ※就業規則を頂いておらず、休職期間が1ヶ月である事を知らされていない(連絡・説明の不足)
 ※この日までに退職届を出してくださいと言われなかった(連絡・説明の不足)。
・6/26:「7/31を退職日として確定して下さい」と私から遠口さん宛にメールを送る。この時点で、退職している認識も休職が終わっている認識もない。
・6/27:「6/16に自然退職」と一方的に遠口さんからメールを受ける(連絡・説明の不足)。
・6/29午前中:自分から7/31までの休職届、7/31で退職届を内容証明にて郵便を送る。
 ※退職理由は
  -会社としての連絡系統が正常に機能していないため
  -総務の対応が不誠実で貧弱なため
・6/29午後:遠口さんより、弁護士に相談した所、「6/16で自然退職」の旨を再度告げられる
 ※今更弁護士に相談している。また、連絡・説明の不足についての弁明もない。
 「休職制度の趣旨に鑑みて休職制度が適用される状態ではない」とのこと(なぜ今それを連絡する?6/12の時点で言って欲しかった。連絡・説明の不足)
・6/30:働ける旨を遠口さんと実由さんにメールで伝える。
・7/1残業なしの8時間勤務なら働ける意図をメールで東山さんに伝える。
ーーーー時系列の経緯ーーーー
ーーーー不当解雇の主張ーーーー
※(?)の部分を相談させていただきたいです。

□大前提:連絡系統の不備と総務の対応が不誠実(上述の通りで証明可能?)
・私としては、6/17-7/31まで休職する想定していた。一方、残業なしの8時間の仕事ならできるかと考えていた。
・私としては、6/12に転職を理由に退職を申し出たが、一方、会社からの指示があれば、6/12以降であれば、働けるものと考えていた。
・6/27まで会社から特に連絡がなかったので、私の認識としては、6/17からは休職しているものと思っていた。
・ところが、6/27に「6/16に退職」と一方的に遠口さんからメールを受ける
・メールのやり取り等に疲弊し、6/29に休職届と退職届を出す。
・本来であれば、6/12-7/31の間は働けた(る)認識。会社の連絡系統も分からず、かつ、6/12-6/26まで総務からメールの返信がなかったため、指示待ちの状態になってしまった。
・一連のメールのやり取りに疲弊してしまい、6/29をもって退職したい気持ちになった。(病状悪化の慰謝料を取れるか?)
・6/29に~7/31までの休職届と退職届を内容証明で郵便。
・私の希望としては、内容証明で郵送した休職届と退職届を受理いただきたい。
・受理いただけない場合は、以下の対応をとります。
①6/12-7/31の間は軽い仕事なら働けたため、不当解雇とみなし法的措置をとります(裁判で勝てるか?)。
②6/12-会社から仕事を振られるまでの間は休職とし、会社から仕事を振られた場合は、7/31まで残業なしで働きます。

ーーーー不当解雇の主張ーーーー


ただ、パワハラによる労災も弱・中・強の基準があり、それが労働基準監督署にによる調査によって判定されるそうです。「強」のパワハラでないと労災にならないそうなので、「死ね」などの暴言や暴力がない限り、労災にはなりにくいそうです。

以上となります。

ここまで読んでいただきありがとうございます。パワハラで苦しんでいる方々、泣き寝入りしないよう、証拠集めをしておきましょうね☺


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