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鹿島槍天狗尾根遭難を総括する(遭難)(原文)④

学習院大学山岳部 昭和34年卒 右川清夫

捜索活動

 捜索は、OB 加藤泰安、舟橋明賢氏を中心に、京都大学学士山岳会(AACK)の今西壽男氏、脇坂氏、平井一正氏、曽根原氏、同志社大山岳部の平林克敏氏,狩野冶喜衛氏、勝山氏などが、駆けつけてくださり捜索活動をサポートしてもらった。 当時のご協力いただいた方々のお名前を列記すると下記のとおりである。

 郷津長平、下川又寛、大谷定雄、星野貢、丸山彰、船山厚三、竹内肇、柏原長壽、大町市観光協会桜井氏、福井正吉氏、辰沼広吉氏などである。
 しかし二次遭難を恐れて1月の捜索はいったん中止した。

 その後、捜索再開に関する討議が、毎週木曜日に、都内、信濃町の顔恵民氏(OB)宅をお借りして、行われた。 現地関係者からの綿密な情報をもらい、そこ雪崩の終わりを告げる5月から6月に本格的な捜索活動にかかる方針を打ち出した。

 問題の遭難現場について、地形、積雪、気象などの綿密な情報資料を得る仕事が始まった。 現地では数十年ぶりの大雪だったとのことで、3月下旬に状況視察を兼ねたパトロールを派遣。 とりわけ登攀対象として価値の薄かった未知のマカリ沢を囲む地形の資料の収集に努めたのは、第2次捜索の23名であった。 続く第3次捜索は8名で4月下旬に行われ、マカリ沢内部の偵察、デポ品発見を目的としたが、依然10mを超す積雪で、皆目見当がつかなかった。

 融雪に伴う遺留品流出を考え、未だ疑問の残る荒沢、そしてマカリ沢に流れ止めを架設するため、現地鹿島の協力者の方々と打ち合わせをした。 大捜索となるため、天狗尾根に夏道を開く必要があり、予定コースを選定した。

 5月になると、大捜索をいつやるか、莫大な費用と労力を投ずることになるので、慎重審議がなされた。 一方、現役部員も悪場での捜索に高い技術が要求されるので、加藤泰安OB指導の下に、5月18日から29名で訓練を兼ねた、天狗尾根での第4次捜索山行が行われた。

「鹿島槍天狗尾根遭難を総括する(遭難)(原文)③」から

「鹿島槍天狗尾根遭難を総括する(遭難)(原文)⑤」へ

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