丘の上の終の住処
急な坂道のその先に
先日、とある老人ホームを訪問してきました。
最寄駅から20分ほど急な坂道を上ってやっと辿り着きました。
最後の坂道を上り切り、つつつ…と小道を抜けると、
その老人ホームは、こじんまりとした佇まいで建っていました。
施設長さんから一通りお話を聞いた後に、絶景ポイントである2階のベランダに案内していただきました。丘の上にあるからこそ見られるその景色を気に入って、入居される方も少なくないとか。
毎夕、ご夫婦で窓辺のソファに腰を掛けて夕陽を眺めている方がおられるそうです。
また、「ここは、便利な場所ではないです。この坂、急だったでしょう?どう考えてもこの坂はうちのマイナスポイントです」と笑いながらおっしゃっていました。
でも、この老人ホームは現在多くの入居待ちの方がおられます。(料金は、お安くはないです)
なぜなのか?
終の住処を選ぶポイント
私は仕事で「老人ホームの選び方」講座をすることがあるのですが、納得のいく選び方をお教えする中で、「立地」「お食事」「建物」「介護力」など、いわゆる“選ぶポイント”を紹介しています。
どのポイントを優先するのかは千差万別。
先日の講座の生徒さんは、「日当たりを最優先に選ぶ」「何より料金」「清潔さ」とみなさんそれぞれ違いました。
百聞は一見に如かず
講座や書籍などで、終の住処に求めるポイントを考えることは、もちろん大切です。
しかし、実は足を運んで見てみると、優先順位がコロッと変わることは珍しくありません。
「お買い物が便利かどうかで選ぶ」と考えておられた方が、お食事のおいしさに惹かれて入居を決めたこともあります。
先述の老人ホームは、一般的には立地の良いところとは言えませんが、夕陽を楽しみにしておられる方にとっては、最高の立地。
ですから、私はいつも「百聞は一見に如かず。気になる老人ホームには何度も足を運んでくださいね」とお伝えしています。
パンフレットやホームページには書かれていない「居心地の良さ」「匂い」「雰囲気」などを選ぶポイントに入れることをおすすめします。