G2:機動戦士ガンダム。モビルスーツアンサンブル06弾。ガンキャノン。プレスフィット。
※省データの為、なるべく敬語や丁寧語を使わずにお送りします。
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前回↓
前回、応力解析がうまくいかなかった。その時は、アプリのメッシュの分割が粗いことが原因だと書いたが、もう一つ原因があった。
デフォルトで密度の単位が"ton/cm^3"になっていた。私は"g/cm^3"のつもりで、"1.2"と入力していた。つまり、1立方cmで1.2トンという恐ろしい物質で解析を行っていた。ちなみに地球上で一番密度が大きい物質は、オスミウムという物質で、約22g/立方cm程だそうです。
正しい単位でやってみたが、シミュレーションの結果は約110Mpa。結局、破壊レベルの値だった。やはりこのアプリは扱いが難しい。(実物は割れずに組み立てられます)
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🟠次は胸のパーツ。
かなり厚肉だが、ヒケは無い。PVCはこんなにもヒケにくいんだなぁ。(私は材質PVCの部品設計は未経験)
黄色の塗装部分は、はみ出し有り。
↓ゲート残りかと思ったら、スラスターだった。(老眼)
●次は背中のパーツ。
かなり立体的なパーティングライン。15年位前は、こういう立体的なパーティングラインは、上司や金型部門からかなり嫌がられた。
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背中のパーツのゲート。「こんなに細くてよく樹脂が流れるなぁ」などと思い、測定したところ、ゲートの幅=約1mm。そんなに細すぎでもなかった。
それから、このパーツにも結構バリがある。
↓結構、手荒なゲートカット。引きちぎった?
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胸部の部品の穴と、背中の部品のポストのプレスフィット。このプレスフィットで発生する応力を、シミュレーションにかけてみたが、やはり失敗。(500MPa超)
そこで、アプリでの応力解析は諦め、本(※)に載っている本で計算することにした。
※「設計者のためのプラスチックの強度特性」
https://www.maruzen-publishing.co.jp/item/b294020.html
〈注意〉私が持っているのは初版だが、現在は2版が出ている↓
https://www.maruzen-publishing.co.jp/item/?book_no=304812
さて、ポストの直径は約3mm。
穴の直径は約2.96mm。
前述の本に載っている計算方法で計算したところ、応力は34.6MPaとなった。PVCの引張強度は40MPa~60MPaとなっているので、安全率としては約1.15。
尚、この値 (34.6MPa)はプレスフィット直後の初期応力であり、時間が経つと応力緩和して、応力の値は更に小さくなる。
かなり良い設計値だと思います。流石バンダイ!
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上記の計算に使用したExcelファイルはコチラ。↓
自己責任でどうぞ。↓
1,000文字を超え、スクロールが大変になってきたので、次回へ続きます。m(_ _)m
↓次回