スーパー公務員は要らない その2
こんにちわ。些の件です。
スーパー公務員は要らないと言いつつも、スーパー公務員と言われている方たちの実績や、その事例を参考にさせてもらうのは、他の地域にとって参考になることが多く、とてもいい事だと思います。
ただ、そこには、必ず地域の民間の方とも一緒に取り組んでいるはずですし、その公務員をその仕事ができるポストに配置した理事者もいて、新たな事業などに人員を割いても行政機関を安定して運営させていた他の公務員がいて、そういった地域の絶妙なバランスの上での結果論だと思うんです。
その地域で得た結果を、1人のスーパー公務員の存在でなし得たように流布して、「各地域でスーパー公務員育成しましょう」、「スーパー公務員目指しましょう」の風潮は危険だと思います。
例えば、税金の課税、出生届や婚姻・離婚届受理するのも、亡くなった方を火葬するのも、地域が地域として残っていくために欠かすことのできない重要な仕事で、こういった基礎自治体の責務である仕事を軽んじるような事はあってはいけないと思います。
今回は、自治体の予算や財政ってところから、”スーパー公務員”の危うさを指摘してみたいと思います。
先ず、恐らく役場組織の中よりもそれぞれの地域、”まちづくり”とか”地域振興”とかに関わる住民の中にも”スーパー公務員”待望論ってあるのかなと思います。
公務員の中には、”スーパー公務員”になりたがる公務員が絶対数、未だに居ると思います。自分も10年くらい前はそうでした。
”スーパー公務員”志向の公務員も、地域住民も、”地域のため”などの耳障りのいい言葉を除けば、欲しいのは”予算”と”人手”です。
もちろん”まちづくり”や”地域振興”には、”お金”も”人手”も必要です。
でも、それを公務員に求めるとどうなるか。
旅費だとか、目に見える経費は国からの補助金で、100%の補助金なら自治体の負担はないようにも見えますが、これだってその自治体の負担ではなくても、結局は国や県の負担です。これを全国の自治体でやると、過疎関係市町村の数は約800あります。消耗品費として10万円計上したら、全国で8千万円になるます。全部が無駄とは言いませんが、国も過疎対策の予算を積んでいくのに、消耗品費だけで8千万円積んで、補助を受けた自治体も、せっかく補助事業で使えるからと過剰・過大に執行していくことが、簡単に想像できます。視察などの旅費であれば、随行だから1人行けば充分なところを2人、3人行くとか、1自治体であれば大した額ではなくても、全国でそんなちょっとした過剰・過大な予算執行が行われていくと、国レベルでは相当な負担になります。執行額と件数が増えれば、それをチェックする国家公務員の仕事も増えます。間に県が入る場合もあり県職員の仕事も増えます。国から県への予算も増えます。
公務員(この場合は国家公務員も含む)の仕事って、公務員なりに頑張れば頑張るほど、税金使って更に税金使う額を増やす仕事にしかならないのかなと思います。
”スーパー公務員”の危険性も、ここにあります。
”スーパー公務員”という言葉には、予算確保できる公務員ってイメージありませんか?
古い公務員の価値観・ステータスの中に、自分が扱う予算の額っていうのが未だにあると思います。獲得した予算(※そもそも、この公務員が使う「予算獲得」って言葉、これ自体公費を勘違いしている公務員が生み出した言葉な気がします)を使い切ろうと執行していきます。予算を余らせることを美徳としない公務員、未だにいると思います。
私もそこにいた時期もあって、公務員職場はそこに陥りやすい、そうならざるを得ない部分、致し方ない部分があると思います。
そして”スーパー公務員”志向の強い公務員ほど、この感覚強く残っている人多い気がします。結局は、”まちづくり”や”地域振興”には、”お金”も”人手”も必要だというところが、取り組みの第1段階の壁になるので。
そういう感覚の公務員に、予算与えれば与えるほど、予算額増えます。仕事も増えます。そうすると人件費という負担も自治体に増えていきます。私もいっぱい残業代もらっていました。補助金引っ張ってきて、仕事量が増えて…
予算も仕事も増えて、担当者の数を増やしたところで、だいたい人数増えた分残業時間増えます。旅費の額も増えていきます。
新しい事業に職員を割けば、他の部署の職員が減り、減った部署も残業時間が増えます。
小さな自治体、職員数が100~200人くらいのような役場組織の中に、何人も”スーパー公務員”居て、限られた予算も職員も引っ張り合ってたら、その自治体の財政も組織運営も周らなくなるなと想像できませんか?
だから、”スーパー公務員”は要らないと思うんです。
頑張っている公務員を批判するつもりはないです。でも、せっかく頑張るなら公務員辞めてみるって方法どうでしょうか?私のnoteのタイトルにもしている「地域振興に資する地方公務員早期退職のすゝめ」の話を、次回にしたいと思います。
日本の片隅で公務員の経験を公務員じゃない立場で活かしていきたいです。過疎地域も元気になるお手伝いできればと思っているので、よろしければサポートお願いします。