チカラ。October 31, 2018
こんにちは!3度のメシよりお騒がせが好きなサノ☆ユタカです。
お騒がせ男といえばBanksy。
Banksyがパレスチナに作った世界一景色の悪いホテル、The Walled off Hotelにやっと泊まりに行って来たっす。
1948年以前はパレスチナ人の暮らしていた場所にイスラエルが自分の土地だと主張してドンドン範囲を広げている国土。その中心となるエルサレムはコンクリートの壁で覆われているんだけどその壁とパレスチナの国境のゲートから数百メートルのところに作ったホテルでホテルの目の前はコンクリートの壁っす。
だからホテルの部屋の窓からのビューはすべて数メートル前のコンクリートの壁。まさに世界で最も景色の悪いホテルっす。
行ってみると本当に笑えるくらい目の前が壁。
その場所にあるホテルの部屋はわずか9部屋だけ。そのほかにホテルのロビーにはBanksyの作品で埋められたカフェがあって自動演奏ピアノを囲んで夜な夜な地元のバンドの演奏があったりアートギャラリーを見学したりできるんす。
もちろんバンクシーのスーベニアショップもあってWEBでも買えるTシャツなどのグッズや宿泊した人にしか売らない壁と同じ材料で作った壁のフィギュアが置かれているっす。
ホテルのすぐ隣には壁にペイントをするための道具を貸し出すショップ。その隣は未公認の偽のバンクシーグッズショップがあるっていうのがサイコーに笑えるっす。
パレスチナには空港がないのでイスラエルから入国する。
イスラエルのテルアビブの空港から直接ホテルに行くにはエルサレムを抜けてさらに国境のゲートを通ってパレスチナのベツレヘムに抜けなければならないっす。
ホテルのサイトから予約したイスラエル人運転手の車に乗ってボーダーを抜ければ1時間ほどで国境をこえベツレヘムっす。
基本国から出る人に対してイスラエルは警戒もゆるいので意外にあっさりホテルに到着っす。
さりげなく暖炉で燃えてるロゴはやっぱりMassive Atackのもの・・・・
ホテルのロビーは宿泊客以外も楽しめるんだけど宿泊者だけが入れるスペースには秘密の扉が・・・
壁の本棚の横のビーナス像にホテルのキーのを近づけるとビーナスのオッパイが光って本棚が開いて入れるってギミックは中2男子には最高っす。
客室は9部屋すべて内装が違うんだけど基本はイギリスのおばあちゃんの家みたいなセンスで微妙にダサくて最高っす。
サノ☆はせっかちだから2泊しかしなかったけど飛行機が早朝5時前に空港に着く便だったからアーリーチュックイン替わりにもう一部屋借りて2泊で3部屋ハシゴしたっす。
サノ☆一押しはルームナンバー1のBanksy Scenic Suite。この部屋はゆったりとした間取りで大きな窓が二つあるんだけどそれがバリバリにコンクリーの壁に向かい合っていて落ち着かなくて最高っす。
ルームナンバー2はArtist Room Sami Musa。角部屋なのでコンクリートの壁を望む大きな窓と壁越しにイスラエル人たちの嫌味な白い金持ちの家々が見える窓の両方があってこれもまた最高っす。
Banksyの作品を満喫できるのはルームナンバー3のArtist Room Banksy。ベットの枕元は枕で殴り合う"アホな男たち"の絵がドーン。他の絵にも枕の羽根が飛び散ったような仕上げのセンスが笑えるっす。窓はルームナンバー2の小さい窓と同じく壁越しにイスラエルが見える方向にあっていい感じっす。
ルーム1・2・3とも2階の高さなので壁を望む"悪い"ビューっす。
3階にあるルーム7・8と一番高級なスイートルームは壁の上ごしに半端なイスラエル側が見える高さのでサノ☆的には勧めないっす。ここは壁と向き合って最悪な景色を楽しみのが流儀でしょう。
はっきり言って部屋の値段は激安っす。しかもパレスチナはホテルも食事も無税。トランプが大使館を引き払ったりした騒動で今は意外に予約は取れやすいのでBanksyファンは今からでも年内の予約取るべし。
サノ☆の宿泊した2泊目にはバルサ対レアルの試合があったんだけどホテルでは目の前の壁に試合を投影してみんなで酒飲みながら鑑賞してるんだぜ。サイコーだろ。
ホテルに頼むと地元パレスチナのおじさんが壁を一緒に歩いて回ってBanksyの絵やパレスチナ人の歴史、イスラエルの不法占拠について熱く教えてくれてイスラエルから追い出せれたパレスチナ人たちが住むキャンプ地にも案内してくれるっす。
ちなみにパレスチナもイスラエルもぜんぜん普段通りの治安状態っす。俺たちがガイドさんと壁の周りをまわっている時もあの壁の醜いタワーからはパレスチナ人の墓に向かって兵士たちが食べ終わった弁当のごみを投げ捨ててくるっていうのが現実っす。
壁のまわりには残念な偽Banksy画もいっぱいあるし鳩の絵の近くの偽BanksyショップにはもうこんなTシャツも売られていたっす。最高だぜ。
ホテルにたのんでパレスチナ人ガイドの車を雇えば死海に遊びに行ったりグランドキャニオンとモロッコを足して2で割ったような砂漠の中の世界最古の街を訪れたりキリストが体を清めたっていうヨルダンとの国境の川に入ったりも1日でできるっす。
歩いて10分ほどでパレスチナ人は決して入ることのできない国境のチェックポイントを渡ってバスに乗ってエルサレムの街を探索するのもありっす。嘆きの壁などキリストの聖地を訪れるとイスラエルの人とパレスチナの人のあまりにも違う暮らしぶりもわかっておじさん感慨深いっす。
キリストには1ミリも興味がなくてもゴルゴダの丘はゴルゴ13ファン的には行かないって選択はないっす。エルサレムの市場のファラフェルは美味いし。自虐的なジュイッシュTシャツとかを探すのもおもろいっす。
アメリカもイスラエルも先人の暮らしていた土地を奪って財力と武力の圧倒的な有利さで有無を言わさず支配力を広げているっていうのは誰も否定できない事実っす。
あべちゃんみたいにトランプの言いなりになるのも自己責任って言葉が好きな国民にはひとつの生き方っす。オレはあえていま自己責任でベツレヘムに来たんだけどね。
たった9部屋の小さなホテルを作ったBanksy。宿泊者以外にも海外から大量に見学者が訪れそれまでこの地には観光客なんてせいぜい1000人くらいしか来ることがなかったらしいけど今は数万人が訪れるようになったと地元のガイドのおっさんが誇らしげに言っていたす。
アートのチカラってゴイスーだな。まじで。