ずくづく。February 20, 2020
こんにちは!3度のメシより現代美術が好きなサノ☆ユタカです。
春が近づいてきたな。花粉全開ですが、いま観るべき展覧会情報っす。
まずは中目黒の池尻大橋よりにある104ギャラリーで開催中の永戸 鉄也『Kawaeye』。これ問答無用に見ただけで最高っす。
でもよく制作方法を聞いてみるとさらにオモロイっす。
まずは昔の雑誌とか広告とかから集めた画像の目の部分をコンピューターで加工して伸ばした下絵を完成させてそれを中国の超安くポートレイトを油絵にしてくれるような工房に発注して油絵にしてるんだって。超大きいサイズでも1万円くらいとかで。てか、逆に小さい方がテクニックがいるらしくて高いんだって。
これ発明だよね。ヤバいよ、おもろすぎる。この他にもピーウィーハーマンが出ている昔のスラッシャーマガジンの広告をいじってるやつとかマニアックなネタが最高っす。
アートコレクターの皆さん、ここは一発買っちゃってみようぜ。
これWarszawaっていうwind and seaの2階にあるギャラリーと2カ所でやってるから間違わずに両方観るべし。
それから原美術館で開催中の森村泰昌『エゴオブスクラ東京2020』。くだらなくて最高っす。
とくに映像がヤバいっす。
森村泰昌といえば名画や歴史上の人物に自らが扮するセルフポートレイト作品を何十年も続けていてしかもたいして似てない。馬鹿馬鹿しくてサノ☆は昔から大好物なんですが
今回扮装しているのは昭和天皇、マリリン・モンローに三島由紀夫など。
はい、ネトウヨに見つかったら絶対に展覧会が中止になっちゃうやつっすね。
映像作品では芸者から昭和天皇に変身した森村が自分の実家でマッカーサーと並んで立ち。マリリンモンローとなって呆然とする東大生たちの前に突然現れてスカートを広げるとこんどは三島由紀夫にトランスフォームして現代の政治やアート界を痛烈にディスる演説をはじめてしまいには万歳万歳と絶叫するのだ。くだらなすぎてうんこ漏れそうっす。森村が真面目にやればやるほど三島の演説を見ていた市ヶ谷駐屯地の自衛隊員達の気持ちがわかっちゃうっていう悲しさがあっていいっす。
この映像が結構ちゃんとした作りでクオリティも高いっす。ほんとに必見だぜ。
ただしこの映像作品は50分で途中入場ができないから映写時間を調べて入場すべし。ちょっと長いけどくだらなくてすんなり最後まで見ちゃうよ。途中退場はできるけどね。
三島といえば、3月から公開される映画『三島由紀夫vs東大全共闘』も楽しみだけどね。
原美術館駐車場タダだし庭園もカフェもいい感じだし晴れの日のデートには最高だよね。でも今年いっぱいで閉館されちゃうからこの機会に行っとくべし。
白髪一雄展を開催中のオペラシティアートギャラリーの白髪一雄はもちろんいいんですが上の階で同時にやっている今井麗展が超いい感じなので要チェックす。
一見するとただのホッコリした絵にも見えるけど透明でシャープでちょっとケミカルを感じるんだよね。美味いラーメンに入ってるアレ的な毒ね。
スタイリスト私物パイセンのディレクションの虎屋の広告でも彼女の絵は見たことがある人もいると思うけど彼女の作風についての文春のインタビュー記事が面白かったからこれを読んでから展覧会を観にいくとさらに楽しめるっす。
オペラシティの4階のギャラリーってアタリがあった記憶がなくてぶっちゃけオレはいつもスルーしてるんだけどこれは絶対必見っす。
ちなみにオペラシティに来た時に忘れてはいけないのはすぐ前にある立ち食い蕎麦屋の加賀ね。ここの注文を聞いてから揚げる天ぷらのクオリティ半端ねえっす。春菊天そばキメてからオペラシティでよろしく。
今井麗は聴覚障害を持ったアーティストですが出産時から脳性障害を持った主人公を障害を持つ女優佳山明が演じる映画『37seconds』。めちゃくちゃキテます。最近観た映画でいちばんヤバいっす。音楽も俳優たちも超よかったす。渡辺真起子に板谷由夏よかったなあ。
HIKARI監督、一度会ったことあるけどこれからハリウッドで活躍しそうな日本の女性監督っす。要チェックだぜ。これ絶対映画館で観るべし。
ところで春は"近づく"と"近ずく"どっちが正解なのかな?オレ、教養がないからわかんないっす。誰か正解教えて。まじで。