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2024年の振り返り - 芸術鑑賞編
仕事は主に「キツい」が勝った印象の2024年でしたが、どんなに仕事が詰まっていても絶対にとろうと決めていた時間が、バレエを観たり、コンサートを聴きに行ったりと芸術に触れる時間でした。
休みをとって旅行に行くことはかなわなくても、仕事の後、または土日の半日を使って、夢の世界に旅をしたり、あるいは心の深いところに潜っていったり、そういう時間は必ず確保したくて。
こうして振り返ってみると、まぁ、色々行きました。
だからいそがしかったんだ、という説もありますが、この時間をきちんととっていたから、つらかった時期も乗り切れたと思っています。
2024年ハイライト
今年は、バレエでは2月の『マノン』に始まり、秋に来日したシュツットガルト・バレエの『オネーギン』に『椿姫』と、ドラマチック・バレエと呼ばれるバレエの全幕を生で観ることができたのがよかったです。
クラシックの定番中の定番『くるみ割り人形』も年末で(2回)観に行って、ジョージア国立バレエ団のプリンシパルの細谷海斗さんのすっかりファンになりました。
「海外のオペラを生で観てみたい」は私の人生のバケットリストのひとつに挙がっていたのですが、英国ロイヤル・オペラの来日公演で『トゥーランドット』と『リゴレット』を鑑賞し、夢をひとつ叶えることができました。
ひとことで「ソプラノ」や「テノール」といってもいろんな声質があって、私はトゥーランドットのような「ドラマティコ」と呼ばれる太い声が好きなんだなと、この鑑賞体験を通じて知りました。
純粋な音楽のコンサートは、まず紀尾井ホールの定期演奏会の通年チケットをペアで買って、友人と聴きに行く時間をとりました。聴く曲を自分で選ぶのもいいですが、こうしていろんなジャンルの曲に出会えるのもまた素敵な体験でした。
今年いちばん楽しみにしていたコンサートのひとつに、9月の樫本大進&ベルリン・バロック・ゾリステンのヴィヴァルディ『四季』を中心とするコンサートがあったのですが、それが本当によくて。
その後もパーヴォ・ヤルヴィが指揮するコンサートで、ソリストで出演予定だったヒラリー・ハーンが急遽来日中止となって樫本大進が代演するなど、結果として合計3回樫本大進のコンサートに行ったことになり、何かと樫本大進に縁のある年でした。
彼の演奏は本当に素晴らしくて、今年ファンになった演奏家のひとりです。
ヴィヴァルディ『四季』の冬の暖かさ、ヒラリー・ハーンの代演で見せてくれたベートーヴェンの協奏曲のパワー、そしてピアノとのデュオコンサートでは、ドビュッシーやフランクのヴァイオリンソナタを通じてちょっとお洒落な表現など、いろんな魅力を見せてもらいました。
アンサンブルでは、6/28(金)に当日券を買って聴きに行ったトリオ・ヴァンダラーのすっかりファンになりました。
動きやアイコンタクトはほとんどないのに、しっかり呼吸が合っていて、熟練の職人が織りなす緻密で美しいアンサンブルでした。
CDなんて車の中でしか聴けないのに(そして車ほとんど乗らないのに)、良すぎてCDを4枚も買ってしまったほど。
ぜひまた近いうちに来日してほしいです。
また、去年からわりと縁のあった紀尾井ホールに加え、秋くらいからはトッパン・ホールにも足繁く通うようになりました。ここのホールは、私の好きなハイドンをはじめ、古楽の演目も多く取り上げてくれていて好きです。
あとプログラムの曲目解説がやたらいいなと思って、わざわざ解説者の名前でぐぐりました。(阪大の教授の伊東信弘さんという方でした)
そんな名だたる演奏家たちのコンサートと並べても、特別な魅力で私の心をつかんで離さないのが、友人でもあるピアニストの小林侑奈さん。
今年は彼女の弾くポップスを初めて聴く機会を得たのですが、クラシックで磨き上げられた豊かなタッチで、いろんな楽器の音が聞こえてくるような、とても楽しいポップスを聴かせてくれます。
今年もたくさんの素晴らしい世界を届けてくれた芸術家のみなさん、関係者のみなさん、そして、そんな素晴らしい音楽や舞台に浸る時間をともにしてくれた友人(ときどき旦那さん)にも、本当にありがとうと言いたいです。
今年も素敵な一年を、ありがとうございました。