五街道雲助一門会@にぎわい座

五街道雲助一門会(第14回)

柳亭市松 寄合酒
隅田川馬石 粗忽の釘
五街道雲助 姫かたり
〜仲入り
蜃気楼龍玉 ぞろぞろ
桃月庵白酒 四段目

20221214
横浜にぎわい座


今年たくさん開催された「雲助一門会」も、馬石さんのお話によると、にぎわい座が走りとのこと。今年で14回目。
わたしが御一門にハマり始めた頃は、にぎわい座のこの会と、福井の一門会くらいしか聞かなくて、年1回のにぎわい座をとても楽しみにしていたなあと思い出しました。それこそ万難を排して伺うと誓っていた。

たしかコロナ前までは、横浜にぎわい座の館長さんが開演前のご挨拶で「今回はどんな順番になるのか…?!」という話もされていて、雲助一門の流儀(?)を知ったのもこちらの会ででした。あれ、再開されないかな。

12月はこの少し前にもエムズさんの一門会があって、そちらでは馬石さん龍玉さんのお二人がたっぷり聴かせてくださった。今回のにぎわい座は、雲助師匠&白酒さんのターンということなのか、馬石さん龍玉さんはごく軽めに。しかし、来年1月ににぎわい座で初開催される「馬石龍玉兄弟会」の宣伝にはしっかり力を入れていらっしゃいました(特に馬石さん笑)。

聞くところによると、以前は一応前回のネタ帳を見ながら出番を相談していらしたっぽいのに(あと雲さまのご意向)、一門会の回数が増えたことで、主催とか関係なく、なんだか全体でバランス取るようになってません?笑

とはいえ、誰がトリを取っても引けを取らないからこそできることで、御一門の底力ははかり知れないな……!と改めて思うのでした。

雲助師匠の「姫かたり」は、3年ぶり。そのときが初見で、あまり好きになれない噺だな〜という印象があったのだけど(理由は忘れた)、最後のニヤリっという表情がなんとも小気味よくって。
雲助師匠演じる「いぃぃぃぃ〜〜〜〜い女(美人局)」の色っぽさと、金をゆすり取った後の変貌にもドキドキしながら、大変に楽しみました。

仕掛けがわかっているから楽しめる、というのはあるかもしれないな。こういうキワドイ噺は特に。で、そんなキワドイ噺を実に楽しそうになさる雲助師匠を見ていると出てくる、わたしの脳内幸福物質の分泌量も、3年前より格段に上がっている。間違いない。

年の暮れの浅草の市の賑々しさ。わる〜い奴らが紛れて悪事を働いても、だ〜れも気がついていないような、暮れ特有の雑多な空気感。
「市ァまけた」のかけ声が絶え間なく響く賑わいの輪の外で、がっくりと肩を落とす医者の後ろ姿が見えるようで、それでもサゲはあくまでも正月事づくしのめでたさも残して。
年の瀬のごちゃごちゃ感や慌ただしさをそのまま感じられるような噺だなと、面白さが少しわかったような気がする。また聴きたい!

12月14日ということで、白酒師匠は忠臣蔵にちなんで(とは明言なさらなかったけど)、「四段目」。定どんの「おまんまーーーー!」とか、まんが的な押しの強さで笑いをかっさらっていくくせに(もちろんそれだけではない)、演目選びにさりげなく抜かりがないところも、もう大好きです。読後感には、全然「忠臣蔵」感がなくってもです。

白酒師匠の「四段目」、芝居のくだりも全然上手くは演ろうとしないのが、あくまでも定どんの芝居ごっこなんだなという感じがするし、忠臣蔵に馴染みのない方でも十分楽しめるようになっているんだろうなと思う。
知った後だから楽しいことももちろんあるけど、欲を言えば、忠臣蔵を知る前に、白酒師匠の「四段目」に出会ってみたかった気もする。

あと、とにかく言いたいのは、定どんの顔がずるい。ってことです。おまんまのときの無駄にキレイなパントマイムやめてwww

一門会がいろんな場所で開催されるようになっても、にぎわい座でのこの会は、やっぱりわたしにとってはより特別だなぁと実感しました。なんだろうね。初めて出会った一門会だからなのかな。

そうそう、そういえば。来年の馬石龍玉兄弟会は人情噺と滑稽話を一席ずつという構成だそうで。初回は馬石さんが人情噺担当、龍玉さんが滑稽噺担当だそうなのだけど、龍玉さんのチョイスが「らくだ」と聞いて、やっぱり末っ子さんが一番わからない!ってなりました。
しかも龍玉師匠の「らくだ」、通常よりも重めのやつやんか。笑

きたる兄弟会も楽しみにしつつ、来年もまた、にぎわい座の一門会に出会えますように!
そして、来年こそは雲助白酒親子会と、白酒馬石龍玉兄弟会なんかにも出会えちゃいますように!


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