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農作物、どう売る!?商品化の秘訣

今回は、南丹市地域おこし協力隊の永尾俊晴さんのレポートを紹介します。
永尾さんは地元食材を使って自らも商品開発をされています。魅力的な商品をどうやってつくるか?注目のレポートです。


大好評!「桑の葉茶」開発の裏側

みなさま、こんにちは!
このブログを読まれている方は、
・地方に移住して農業を始めてみたい!
・農業をしながら、自給自足の生活に近づけたい!
・こだわりの農産物づくり(オリジナルの商品づくり)がしてみたい!
といった想いを持たれている方が多いと思います。
しかし、いざ農業をはじめて、苦労の末、無事作物ができたとしても
「予想以上に量ができてしまったけど、どのように販売していこうか。」
「販売先はどうやって見つけていけばいいのだろう。」
「そのまま販売しても、使った経費に対して、あまり収益が見込めない。。。」
と悩まれる方も少なくありません。

収益を立てることが目的でないとしても、
その「手段」と「出口」を考えながら
農業のプランを立てることが大切です。

ということで、
本日は「農産物の商品化」という視点から、
南丹市の取り組みをご紹介させていただきます!
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自己紹介が遅れましたが、この記事の筆者の永尾は
南丹市美山町安掛集落で
地域産品のセレクトショップ「みやま堂」を運営しております。

「みやま堂」では、地元南丹の素材を使って
こだわりを持って地域の事業者さんが加工された商品を販売、
また時には、事業者さんと一緒にオリジナルの商品開発をお手伝いしています。
https://www.instagram.com/sato_no_gohoubi_miyamadou/?hl=ja

今回事例としてご紹介させていただくのは、
みやま堂でも観光のお客様から大好評。新たな商品パッケージを企画中の
「桑の葉茶」を生産されている「京都桑田村」さんです。

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◾️古くから地域に根付いた”桑畑”を活かす

南丹市美山町は、かつて周辺のエリアと合わせて”北桑田郡”とも呼ばれるほど、桑の木が沢山植えられていた地域でした。
繊維業最盛期の大正時代には、綾部市をはじめとした近隣のまちへ運ぶ
原料となる絹を作るために、蚕を飼っていた農家も多かったといいます。
南丹市美山町豊郷地区に拠点を構える「京都桑田村」さんは、
そんな桑の木の栽培をはじめとした環境保全活動、
そして桑の葉を使った「桑の葉茶」の生産を行っておられます。
NPO法人京都桑田村ホームページ
https://kuwatamura.localinfo.jp/pages/7402756/page_202311121119

桑の木は、地元の方々にとっても、子供の頃から馴染みのあるものではありましたが、絹の需要が低下していく一方で、しばらく手入れがされていなかったといいます。

◾️京都市内の事業者と協力して、桑畑を再興

教育の一環で蚕の飼育をされている京都市の「たかつかさ保育園」と交流をはじめたことをきっかけに、2014年に改めて杉林を整備して桑畑を始めました。
さらに和装販売業者が集まられた「日本きものシステム協同組合」とも連携し、現在にいたるまで、約500本の桑の木を栽培しています。

■無肥料・無農薬。美山の桑畑づくりのこだわり

桑の木は、苗木を植えてから約3〜4年かかって、本格的に収穫できるようになります。
水やりと草刈りを桑田村のみなさんで持ち回りで管理。
伸びすぎてしまうと、収量が減ってしまうことから、
収穫の時期には枝の剪定を行っています。
定期的な管理はもちろん必要ですが、
他の農作物や果樹と比べて、比較的育てやすいとのこと。
京都桑田村の桑の葉は、養蚕用で生育している桑の葉を食べる蚕への
化学物質の影響も踏まえて、無肥料・無農薬栽培をされています。
周辺の田畑にも化学肥料や農薬の使用を控えていただくように地域住民へも呼びかけながら1本1本、手間ひまかけて栽培しているそうです。

桑の葉は、毎年6月から9月にかけて、収穫します。
ちょうど夏の暑い時期ですので、日当たりの良い桑畑での長時間の作業は無理は禁物ですが、あまり遅くなると葉が固くなってしまうので、
ゆっくりと様子を見ながら収穫を行うとのことです。

◾️「おかいこさん」から「人」へ、相手を変えて

昔と比べて蚕を飼育する人が少なくなったことから、一度は栽培する人がいなくなってしまった桑の木。
桑田村のみなさんも、最初の入り口は養蚕でしたが、
現在の時流に合わせた対応が必要だと、新たな商品化の案を話し合いました。
昔は、桑の”実”こそ食べることがあったものの、
葉っぱは”おかいこさん”に食べてもらわないといけないため、
人間が使うという発想がなかったそうですが、

様々な使い道を考える中で、桑の葉っぱには血糖値の上昇をおさえるなど
身体にも良い効果があることを知り、
しっかりと乾燥させて、お茶として販売してみよう!という考えに至ったそうです。

桑の葉は、血糖値の上昇をおさえる効果だけでなく、
ミネラルや食物繊維、老化防止に効くポリフェノールなども豊富で
健康に良いことばかり。

何より、他に身体によいとされる「柿の葉」「ドクダミ」のような
独特の香りやくせがなく、飲みやすい。
ノンカフェインで、毎日飲み続けられる美味しさが、何より嬉しい特徴です。

◾️「京都桑田村」から学ぶ、これから農業を始めたい方へのヒント


「京都桑田村」理事長の木村 光一さんは、
「農業は、小規模で始める人ほど、生産から販売まで一環して考えることが大事。」と語ります。
「桑の木を育てるのも、もちろんですが、今の時代だからこそ、養蚕も案外面白いかもしれませんよ。
”日本きものシステム”さんのように、シルクを見直したいという方も出てきている。養蚕をやってみたいという方の移住も、大歓迎です!」
NPO法人京都桑田村ホームページ
https://kuwatamura.localinfo.jp/pages/7402756/page_202311121119

「桑田村」さんの取り組みから学ぶ、農業参入の際のポイントとしては、
①その地域に元々ある資源・環境を有効活用する。
②従来の形式で販売するだけではなく、
時流に合った形にどう加工して、誰に届けるか、考える。
③地域で連携して、一緒に課題を乗り越える。
が大事だと言えますね!

南丹市で新しく農業を始めたいという方に向けて
南丹市では参農サポートセンター窓口を設けています。
お気軽にご相談ください。

【南丹市参農サポートセンター】
〒629-0398
南丹市日吉町保野田市野3番地1 
南丹市役所日吉支所 南丹市定住サポートセンター内
0771-72-1005(窓口開設は祝日除く火曜日・木曜日13~17時)
sannounantan@gmail.com

また地域産品を使った商品企画や販路開拓は
「みやま堂」でもサポートしています。

https://www.instagram.com/sato_no_gohoubi_miyamadou/?hl=ja

商品企画相談会などもやってますので、
お気軽にお問合せくださいね。
miyamadou310@gmail.com

永尾

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