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夏といえば、川漁

 夏本番ですね。毎日暑すぎて、日中外にいては危険なぐらいです。
そこで今回は、涼しい川のお話をしたいと思います。

 南丹市には海も湖もありませんが、由良川と桂川という2本の一級河川の上流部にあたり、昔から人々はきれいな川で泳いだり釣りなどの漁をしてきました。今では専業漁業をされている人はいませんが、趣味で漁をしている人がたくさんいますので、今回はそのお話を。

 南丹市内には「漁業組合」や「おとりアユあります」「遊漁券販売」の看板があちこちにあります。

 次の3パターンを説明します。

①ゴリすくいをする
②釣りもしくはわなで雑魚を獲る
(雑魚とは、漁業券ではアユ以外をさします)
③アユ釣り、アユの網漁をする

こどもからおとなまで楽しめる身近な漁

 ①②は地元の人がこどもの頃からやっていたパターンです。①のゴリとはこの辺ではヨシノボリ類を指します。(金沢の高級料理のゴリはカジカ)
 胸びれの吸盤で川底にくっついて過ごしている5センチほどの小さな魚で、ゴリ箕(み)という道具を使って簡単にすくうことができるので、昔はこどもがたくさんつかまえて料亭に売ってお小遣い稼ぎをしていたそうです。網でも簡単にすくえ、佃煮にするとおいしい魚です。

ゴリ箕。足でゴリを追って箕に集める。「ごり押し」の語源
ゴリ。小さい子でもつかまえられます

ご近所さんが作ったゴリの佃煮

 ②の釣りは竹竿に糸と針を付けて、ハヤやムツなどを釣るそうです。近所の方は釣った魚をおばあさんに渡すとすぐに揚げて食べさせてくれたと言っていました。昔はいろいろな魚がいたそうですが、近年は環境の変化によるものか、魚の種類や数は減ったとのこと。雑魚には地方名がいろいろあって、調べてみても楽しいですよ。(アカモト・アオモト=本名カワムツ、イダ・ユダ=本名ウグイなど)
 わなでとる場合は夜づけといって、専用の瓶などのわなに米ぬかなどのエサを入れて夜の間川に入れておき、朝引き上げて入った魚を獲ります。ウナギの場合はもじという専用の長い道具があるそうです。
 ①②どちらの漁も正式にはそれぞれの川を管理する漁業組合で雑魚をとる漁業券を買う必要があります。川によって値段が違いますが、400円~ 800円ぐらいです。(中学生以下は必要ない場合もありますが、要確認)

難しくて楽しいアユ漁

 ③は難しく、竿などの装備品が高いので、大人の遊びです。①②よりも漁業券が高いです。(例:美山町2024年1日券4000円、年間券14,500円)
 アユ釣りは美山町が一番盛んですが、南丹市の他の町でもできます。
 アユはだいたい6月初頭に解禁日があり、おとりアユを買って釣ります。アユは稚魚のときはプランクトンを食べますが、成長すると石についた珪藻類を食べるので、エサでは釣れません。そこで縄張り意識を利用したおとりアユでの友釣りをします。難しいのが楽しいそうです。


 場所により7~8月には網漁の解禁日があり、網で一気に獲ってもよくなります。アユもだんだん成長し、網漁の頃は大きくなっています。網漁はおもりのついた網を川に張り、網にアユがひっかかればすぐに潜って獲ります。早くとらないとアユが傷むそうです。

 この時期はあちこちの料亭で鮎御膳が提供され、夏の味となっています。ご近所さんからおすそわけにいただくこともあり、シンプルに塩焼き(遠火でじっくり長時間焼く)や鮎ご飯(焼いた鮎を炊飯器で米と一緒に炊く)で楽しむと良いでしょう。

暑い夏ですが、このように自然の中で遊ぶのもいいものです。近所の人から話を聞きながら楽しんでみてはいかがでしょうか。
 

 

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