「テレビドラマ感想」翳りゆく夏
失敗した(苦笑)
いや、失敗はいつもの事なんだけど…
「翳りゆく夏」って、何処かで聞いた題名だな~って思ったのに観始めちゃった(苦笑)
そう!
私はこの小説を読んでいる途中だった(気付かないバカ)
でも、とにかくこのドラマは凄かった(語彙力!)
もう9年も前のテレビドラマなのに俳優が若いくらいで物語自体に古さを全く感じさせない。
原作にかなり忠実に作られている(だから、バカな私も途中で気付いたんだんだけど)
新聞社を舞台にしたミステリーだが、台詞の一つ一つまで丁寧に原作を再現しようとしている。
社会派サスペンスと言う部類に属するんだろうな。
一流大手新聞社にある女子大学生の就職内定が決まったところから、この物語は始まる。
ところが彼女は、二十年程前に新生児誘拐を企てた犯人の娘だった。
彼女には何の罪もないが、その情報を嗅ぎつけた週刊誌が、この事をすっぱ抜いてしまう事から事態はあらゆる方向へ向かって動き出す。
果たして彼女は本当に新生児誘拐犯の娘だったのか?真犯人は、いったい誰だったのか?
正直言ってミステリーの結末としては、かなりズルい(苦笑)
その手を使っていいのか?
って感じだ。
だが、見終わると「やっぱり、この犯人しかなかった」と思わせる説得力がある。人間の持つ弱さと強さが、私の心に訴えてきた。
これは本当に丁寧に作られたテレビドラマだと思う。このまま映画にしてもいいくらいだ。
主演の渡部篤郎も、こんなにいい役者だったのか?!と初めて思った(失礼極まりない)
ほんの数分しか出演しない滝藤賢一の「死が迫った」狂気じみた演技にも注目して欲しい!ゾッとするほど怖い(苦笑)
原作者 赤井三尋氏は、この作品で第49回江戸川乱歩賞を受賞している。調べたところ、彼は多作な部類の作家ではないが丁寧に調べ上げ、複数の伏線の張りどころも巧みである。
久しぶりに出会った好みのミステリードラマ!
どちからと言うと女性よりも男性にお薦めしたい作品。
全ての役者が自分の役目を果たすとこれだけ見応えのあるテレビドラマが出来るのか!
派手さはないが人間の本質に迫る傑作だと思う。
こんな原作が一生のうちに一本書けたら……
そう思わずにはいられない(無理無理)
Amazonプライムで無料で観られます。
※主人の介護中、連続テレビドラマは殆ど観られなかった。音楽も7年半、浦島太郎のようにスッポリと抜けている。私は今、そういうものを取り返す作業をしているのかも…